気候因子のソースを表示

[[ファイル:Skye-Sunny Storr-arjecahn.jpg|thumb|right|200px|緯度による[[日照]]の差、地形の差、地表面の被覆（写真では積雪）の差などが気候の特徴を決める]]
'''気候因子'''（きこういんし）とは、1つの[[気候]]に作用する[[因子]]であり、各地の気候の特徴（地域差）を決める要因<ref name="Iwatsuki-387">{{Harvnb|岩槻秀明|2012|p=387}}</ref><ref name="大辞林">[[#大辞林|大辞林 第二版（コトバンク収録）]], 「気候要素」</ref><ref name="世界大百科事典">[[#世界大百科事典|世界大百科事典 第2版（コトバンク収録）]], 「気候要素」</ref><ref>{{Harvnb|福井英一郎|1961|p=2}}</ref>。主に[[緯度]]、[[標高]]、[[地形]]などだが、扱う気候の規模によって異なる<ref name="Iwatsuki-387"/><ref name="大辞林"/><ref name="マイペディア">[[#マイペディア|マイペディア（コトバンク収録）]], 「気候要素」</ref>。

各地における、[[気温]]、[[降水量]]、[[風]]などの[[気候要素]]の[[数値]]に影響を与えるのが気候因子である<ref name="Iwatsuki-387"/>。この中でも緯度は最も重要な因子といえる<ref name="Fukui-81">{{Harvnb|福井英一郎|1961|p=81}}</ref>。

== 気候の3要素の因子 ==
気温、風、降水量の3要素の気候因子について述べる。

気温は主に緯度や標高の影響を受ける。ただしこれは平均気温についてであり、気温の変動幅（[[年較差]]など）については主に緯度のほか地形や隔海度{{Refnest|隔海度 : 海からどれだけ離れているかの度合い。|group="注"}}などの影響を受ける。緯度が低いほど、また標高が低いほど平均気温は高い。

<!-- ここから福井(1961)で言及あり -->フォーブスは北半球の、ハンは南半球の気温<math>t</math>を緯度<math>\phi</math>の関数として表現する方程式を提示した。北半球の場合は式({{EquationNote|1}})、南半球の場合は式({{EquationNote|2}})で表される。
{{NumBlk|:|<math>t = -17.8 + 44.9 \cos^2 (\phi -6.5)</math>|{{EquationRef|1}}}}
{{NumBlk|:|<math>t = 26.0 + 4.54 \sin \phi -40.81 \sin^2 \phi</math>|{{EquationRef|2}}}}
また標高が100m高くなるほど気温が0.4 - 0.7 ℃ 低くなる<ref>{{Harvnb|福井英一郎|1961|p=82}}</ref>。

緯度が高いほど、また隔海度が大きい（より[[内陸]]にある）ほど年較差は大きく、逆に隔海度が小さい（より[[海]]に近い）ほど年較差は小さい<ref name="Iwatsuki-387-390">{{Harvnb|岩槻秀明|2012|pp=387-390}}</ref>。

風は主に地球の[[大気循環]]（[[貿易風]]や[[偏西風]]）、[[季節風]]などの影響を受ける<ref name="Iwatsuki-387-390"/>。

降水量は主に緯度や隔海度、地形、[[海流]]などの影響を受ける。緯度が低いほど、隔海度が小さい（より海に近い）ほど降水量は多い。また[[寒流]]のそばよりも[[暖流]]のそば、山地の風下側よりも風上側のほうが降水量は多い<ref name="Iwatsuki-387-390"/>（cf.海岸砂漠:[[砂漠#成因による分類]], [[雨蔭]]）。

== 気候のスケールと因子 ==
地球規模、大陸規模、また国や地方のように大きな規模では、緯度、[[海陸分布]]、[[大地形]]、[[海流]]などが主要因子となる<ref name="世界大百科事典"/>。一方、中気候{{Refnest|中気候 : 水平規模が200km - 10kmの広がりを持つ気候をいう<ref>「[https://kotobank.jp/word/%E4%B8%AD%E6%B0%97%E5%80%99-567302 中気候]」、『百科事典マイペディア』（コトバンク収録）、平凡社。</ref>。|group="注"}}やそれより小さな規模（小気候、微気候）では、標高、小地形、植生、地表面の被覆や土地利用などが主要因子となり、緯度はあまり問題とならない<ref name="世界大百科事典"/><ref name="ニッポニカ">[[#ニッポニカ|日本大百科全書(ニッポニカ)（コトバンク収録）]], 吉野正敏「気候要素と気候因子」</ref>。

== 気候変動・気候変化の因子 ==
{{See2|気候変動（気候の平年からの短期的な偏り）や気候変化（気候の長期的な変化）については「[[気候変動]]」、「[[放射強制力]]」、「[[地球温暖化の原因]]」を}}

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Citation|和書|author=岩槻秀明|year=2012|title=図解入門 最新 気象学のキホンがよ～くわかる本|publisher=秀和システム|isbn=978-4-7980-3511-6}}
* {{Anchors|世界大百科事典}}「[https://kotobank.jp/word/%E6%B0%97%E5%80%99%E5%9B%A0%E5%AD%90-473227 気候因子]」、加藤周一編『世界大百科事典』第二版（コトバンク収録）、平凡社。
* {{Anchors|ニッポニカ}}吉野正敏「[https://kotobank.jp/word/%E6%B0%97%E5%80%99-50259 気候要素と気候因子]」、『日本大百科全書(ニッポニカ)』（コトバンク収録）、小学館。
* {{Anchors|大辞林}}「[https://kotobank.jp/word/%E6%B0%97%E5%80%99%E5%9B%A0%E5%AD%90-473227 気候因子]」、松村明編『大辞林』第三版（コトバンク収録）、三省堂。
* {{Anchors|マイペディア}}「[https://kotobank.jp/word/%E6%B0%97%E5%80%99%E5%9B%A0%E5%AD%90-473227 気候因子]」、『百科事典マイペディア』（コトバンク収録）、平凡社。

== 関連項目 ==
*[[気候要素]]

{{デフォルトソート:きこういんし}}
[[Category:気候]]
[[Category:気候学]]
[[Category:気候因子|*]]