水性ガスのソースを表示

'''水性ガス'''（すいせいガス、water gas）は、高温固体燃料に水蒸気を作用させて得られる石炭系ガスの一種<ref name="uchiyama" />。[[水蒸気改質]]によって生成され主に[[水素]]と[[一酸化炭素]]で構成される。主に[[都市ガス]]や[[木炭自動車|代燃車]]の燃料として使用された。また燃料以外に[[メタノール]]などの合成化学原料にも用いられる<ref>[http://chemeng.in.coocan.jp/resource/me_home.html メタノールプロセス]</ref>。

== 概要 ==
気体燃料は[[天然ガス]]、石炭系ガス、石油系ガス（オイルガス）に大別される<ref name="uchiyama">[https://www.jeh-center.org/asset/00032/eh/No227/11.pdf 内山洋司「化石燃料のエネルギー転換」] 一般社団法人日本エレクトロヒートセンター</ref>。高温固体燃料に水蒸気を作用させて得られる水性ガス（water gas）は石炭系ガスの一種である<ref name="uchiyama" />。

木炭や石炭のように炭素を多く含む原料を高温で加熱して水蒸気と反応することで水素と一酸化炭素で構成される可燃性ガスを発生する。薪を高温で加熱した場合には薪中の水分が水蒸気化して反応して水素と一酸化炭素が生成される。薪や木炭のみを燃焼するよりも多くのエネルギーを得られるため、江戸時代の日本では[[囲炉裏]]などに[[火吹きダルマ|火吹き達磨]]と呼ばれる道具を用いて、燃焼効率を高めていた<ref>{{Cite web|和書|title=水性ガス反応・火吹きだるま・薪ストーブ |url=http://www.lcv.ne.jp/~lab72/hifuki_daruma.html |website=www.lcv.ne.jp |accessdate=2022-01-24}}</ref>。また、さまざまな未利用資源の資源化が期待される<ref>[http://www.energia.co.jp/eneso/tech/review/no14/pdf/14-p16-19.pdf 高温水蒸気を用いた未利用資源からの原料ガスによる水素製造技術の研究]</ref>。

== 木炭や石炭のガス化 ==
木炭や石炭から[[水蒸気改質]]によって水素を多く含むガスが生成される。この反応は[[吸熱反応]]部分を高温で進行させるために、最低でも900℃が必要とされる。
: <math>\rm C + H_2O \longrightarrow CO +H_2</math>
このガス化において、生じたガスの一酸化炭素と水素の組成比は用いた石炭の種類や反応条件といったもので決定される。

== 出典 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[C1化学]]
* [[工業化学]]
* [[フィッシャー・トロプシュ法]]
* [[木炭自動車]]
* [[都市ガス]]
* [[石炭ガス化]]
* [[火吹きダルマ]]（水性ガス反応利用の例）

== 外部リンク ==
* [http://www.lcv.ne.jp/~lab72/hydrogen_gass_reaction.html 水性ガス反応　炭（熾き）と蒸気の衝突]
* [https://yaminave.blogspot.com/2018/07/1930.html 久大本線ボイラー爆発事故（水性ガスによる爆発事故の例）]

{{DEFAULTSORT:すいせいかす}}
[[Category:石炭技術]]
[[Category:気体]]
[[Category:化学工業]]
[[Category:産業用ガス]]