水素化リチウムのソースを表示

{{Infobox 化合物
| 画像=[[Image:Lithium-hydride-3D-vdW.png|200px]]
| IUPAC名=リチウムヒドリド
| 別名=水素化リチウム
| 組成式=LiH
| 式量=7.95
| 形状=青灰色結晶（純粋）<br />灰色粉末（市販品）
| CAS登録番号=[[7580-67-8]]
| SMILES=
| 密度=0.82 | 相=固体
| 水への溶解度=水と反応
| 融点=680 | 融点注=
| 沸点=720 | 沸点注=（分解）
| 出典=
}}
'''水素化リチウム'''（すいそかリチウム、lithium hydride）とは、組成式LiHで表される[[リチウム]]と[[水素]]から成る無機化合物である。


== 概要 ==
水素雰囲気下で金属リチウムを赤熱することによって得られる無色の立方晶系イオン結晶でLi<sup>+</sup>とH<sup>-</sup>からなる[[塩化ナトリウム型構造]]をとり、Li−H間距離は2.04Åである。融点は680℃で、720℃で分解する。市販品は白から灰色の固体であるが、純粋なものは青灰色である。[[アルカリ金属]]の[[水素化物]]中で最も安定で、乾燥空気中では常温で分解しないが、光に当たると分解して黒くなる。空気中の水分とも反応する。

水と激しく反応して[[水酸化リチウム]]と水素を生ずる。

: <chem>LiH\ + H2O -> LiOH\ + H2</chem>
あるいは強酸化剤と反応しても水素を発生する。

[[ジエチルエーテル]]にわずかに溶けるので、[[有機化学]]で[[還元剤]]に用いられる。

[[塩化アルミニウム]]と反応させ[[水素化アルミニウムリチウム]] LiAlH<sub>4</sub> の製造原料とする。

取扱いには注意が必要である。湿った空気中で粉末を扱うのは危険が伴う。また、腐食性があり、皮膚などに付着したときは流水で洗い流す必要がある。

重水素化リチウム（化学式:LiD、特に重水素化[[リチウムの同位体#リチウム6|リチウム6]]）は[[水素爆弾|核融合兵器]]の主原料の一つである<ref>劔持 幹人、「核兵器」、『世界大百科事典』、CDROM版、平凡社、1999。</ref>。

== 関連項目 ==
* [[リチウム]]
* [[水素化アルミニウムリチウム]]
* [[重水素]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />

== 参考文献 ==
* [[長倉三郎]] ほか（編）「水素化リチウム」『岩波理化学辞典』第5版、CD-ROM版、岩波書店、1998年。

{{リチウムの化合物}}
{{DEFAULTSORT:すいそかりちうむ}}
[[Category:リチウムの化合物]]
[[Category:水素化物]]
[[Category:第3類危険物]]