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{{出典の明記|date=2013年7月4日 (木) 08:21 (UTC)}} [[粒子]]の'''沈降係数'''(ちんこうけいすう)'''''s'''''は、[[沈降]]過程、特に[[遠心分離]]におけるその挙動を特徴付けるために用いられる量であり、粒子に印加される[[加速度]]''a''に対する沈降[[速度]]''v<sub>t</sub>''([[メートル毎秒|m/s]]、[[終端速度]]としても知られている)の比として定義される。 : <math>s = \frac{v_t}{a}</math> 重力あるいは遠心力によって粒子に印加される力([[超遠心機]]では通常[[標準重力加速度|重力]]の数万倍)が流体(通常[[水]])の[[抗力|粘性抵抗]]によって打ち消されるため、これは定数となる。印加される加速度''a''([[メートル毎秒毎秒|m/s<sup>2</sup>]])は、[[重力加速度]]''g''あるいは[[遠心力|遠心加速度]]ω<sup>2</sup>''r''である。後者では、ωは[[タービン|ローター]]の[[角速度]]、''r''はローター軸と粒子の距離([[半径]])である。 沈降係数は[[時間]]の[[量の次元|次元]]を持ち、[[スヴェドベリ (単位)|スヴェドベリ]](S値)を単位として表され、厳密には、1S=10<sup>−13</sup>[[秒|s]]と定義される。原則として、沈降係数は、印加される加速度によって粒子の沈降率を標準化するのに役立つ。得られた値はもはや加速度に依存しておらず、粒子および流体の性質にのみ依存する。文献で言及される沈降係数は通常、水中、20{{℃}}での沈降と関連している。 より大きな粒子はより速く沈降し、より大きな沈降係数を有する。しかしながら、沈降係数は[[相加性|相加的]]ではない。沈降率は粒子の質量あるいは体積にのみ依存するわけではなく、2つの粒子が互いに結合している時は表面積の損失が必然的に起こる。ゆえに、結合粒子の沈降係数は、個々の粒子の個別に測定されたスヴェドベリ値を足すことでは得ることはできない。 これは[[リボソーム]]の場合に顕著である。リボソームはほとんどの場合それらの沈降係数によって同定される。例えば、[[バクテリア]]由来の70Sリボソームは実際に70スヴェドベリの沈降係数を有している。一方、70Sリボソームは[[50S]]サブユニットと[[30S]]サブユニットから構成されており、サブユニットのスヴェドベリ値の合算よりも小さい。 == 遠心力を受ける粒子の沈降係数 == 粘性抵抗は[[ストークスの式]]によって与えられ、遠心力は親しみのある式、''mr''ω<sup>2</sup>によって与えられる。ここでは、''r''は粒子の回転軸からの距離である。これら2つの力(粘性力および遠心力)が釣り合う時、粒子は終端速度と呼ばれる一定の速度で移動する。したがって、終端速度は以下の式で与えられる。 : <math>{v_t} = \frac{mr\omega^2}{6\pi \eta r_0}</math> この式を再整理すると最終的に次式が得られる。 : <math>s = \frac{v_t}{r\omega^2} = \frac{m}{6\pi \eta r_0} </math> ==関連項目== * [[清澄化因子]] * [[スベドベリ]] * [[沈降]] * [[遠心分離]] ==外部リンク== * [http://homepages.gac.edu/~cellab/chpts/chpt3/intro3.html Introduction to Cell Fractionation] in the [http://homepages.gac.edu/~cellab/index-1.html Cell Biology Laboratory Manual] * [http://www.astbury.leeds.ac.uk/facil/AUC/Vel_data_analysis.htm Analysis of sedimentation velocity data] * [http://www.ap-lab.com/sedimentation_velocity.htm An article on sedimentation velocities] on the Alliance Protein Laboratories website * [http://www.proteinscience.org/cgi/content/full/11/9/2067 Modern Analytical Ultracentrifugation in Protein Science: A tutorial review] {{DEFAULTSORT:ちんこうけいすう}} [[Category:生化学]] [[Category:分析化学]] [[Category:分離工学]] [[Category:単位操作]]
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