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[[数学]]における'''消散作用素'''(しょうさんさようそ、{{Lang-en-short|dissipative operator}})とは、[[バナッハ空間]] ''X'' に値を取り、すべての ''λ'' > 0 および ''x'' ∈ ''D''(''A'') に対して :<math>\|(\lambda I-A)x\|\geq\lambda\|x\| </math> が成立するような、''X'' の[[線型部分空間|線形部分空間]] ''D''(''A'') 上で定義される[[線形作用素]] ''A'' のことを言う。消散作用素が'''極大消散'''(maximally dissipative)であるとは、すべての ''λ'' > 0 に対して作用素 ''λI'' − ''A'' が[[全射]]であることを言う。 極大消散作用素が[[縮小半群]]の生成素として特徴づけられる[[ルーマー-フィリップスの定理]]において、消散作用素の概念は重要な役割を担う。 ==性質== 消散作用素には次に述べる性質が存在する<ref>Engel and Nagel Proposition II.3.14</ref>。 * すべての ''λ'' > 0 に対して ''λI'' − ''A'' は[[単射]]であり、また ''λI'' − ''A'' の[[値域]]に含まれるすべての ''z'' に対して :::<math>\|(\lambda I-A)^{-1}z\|\leq\frac{1}{\lambda}\|z\|</math> ::が成立する。 * 作用素 ''λI'' − ''A'' がある ''λ'' > 0 に対して [[全射]]であることと、すべての ''λ'' > 0 に対して全射であることは同値である。そのような場合、(0, ∞) ⊂ ''ρ''(''A'') が成立する(ここで ''ρ''(''A'') は ''A'' の[[レゾルベント集合]]を表す)。 * ''A'' が[[閉作用素]]であることと、ある ''λ'' > 0 に対して(すべての ''λ'' > 0 に対する場合も同様) ''λI'' − ''A'' の値域が閉であることは同値である。 ==同値な特徴付け== ''X'' の[[双対空間]] ''X''' の部分集合としての、''x'' ∈ ''X'' の双対集合(duality set)を :<math>J(x):=\left\{x'\in X':\|x'\|_{X'}^2=\|x\|_{X}^2=\langle x',x\rangle \right\}</math> と定義する。[[ハーン-バナッハの定理]]により、この集合は空でないことが分かる。もし ''X'' が[[回帰的空間|回帰的]]であるなら、''J''(''x'') は唯一つの要素から成る集合である{{Citation needed|date=November 2011}}。[[ヒルベルト空間]]の場合、ヒルベルト空間とその双対空間の間の自然な双対性(canonical duality)を利用することによって、''J''(''x'') は唯一つの要素 ''x'' から成る集合であることを示すことが出来る<ref>Engel and Nagel Exercise II.3.25i</ref>。作用素 ''A'' が消散的であるための必要十分条件は、すべての ''x'' ∈ ''D''(''A'') に対してある ''x''<nowiki>'</nowiki> ∈ ''J''(''x'') が存在し、 :<math>{\rm Re}\langle Ax,x'\rangle\leq 0 </math> が成立することである<ref>Engel and Nagel Proposition II.3.23</ref>。 ==例== * 簡単な有限次元の例として、通常の[[ドット積]]を伴う ''n''-次元[[ユークリッド空間]] '''R'''<sup>''n''</sup> を考える。'''R'''<sup>''n''</sup> 上で定義される、[[恒等写像|恒等作用素]]にマイナスをかけるような作用素を ''A'' とする。このとき、 ::<math>x \cdot A x = x \cdot (-x) = - \| x \|^{2} \leq 0 </math> : が成立するため、''A'' は消散作用素である。 * 通常内積を伴う空間 ''H'' = ''L''<sup>2</sup>([0, 1]; '''R''') を考える。''Au'' = ''u''′ とし、その定義域 ''D''(''A'') は、[[ソボレフ空間]] ''H''<sup>1</sup>([0, 1]; '''R''') に含まれる関数 ''u'' で ''u''(1) = 0 を満たすようなものからなる集合と等しいものとする。このとき、''D''(''A'') は ''H'' = ''L''<sup>2</sup>([0, 1]; '''R''') において稠密である。さらに、[[部分積分|部分積分法]]を用いることで、''D''(''A'') 内のすべての ''u'' に対して ::<math>\langle u, A u \rangle = \int_{0}^{1} u(x) u'(x) \, \mathrm{d} x = - \frac1{2} u(0)^{2} \leq 0 </math> : が成立することがわかる。したがって ''A'' は消散作用素である。 * [[開集合|開]]かつ[[連結空間|連結]]な領域 Ω ⊆ '''R'''<sup>''n''</sup> に対して空間 ''H'' = ''H''<sub>0</sub><sup>2</sup>(Ω; '''R''') を考える。''A'' = Δ を、[[関数の台#コンパクト台付きの函数|コンパクトな台]]を持つ Ω 上の[[滑らかな関数]]からなる稠密部分集合上で定義される[[ラプラス作用素]]とする。このとき、[[部分積分|部分積分法]]を用いることで ::<math>\langle u, \Delta u \rangle = \int_\Omega u(x) \Delta u(x) \, \mathrm{d} x = - \int_\Omega \big| \nabla u(x) \big|^{2} \, \mathrm{d} x = - \| \nabla u \|_{L^{2} (\Omega; \mathbf{R})} \leq 0 </math> : が得られる。したがって、そのようなラプラス作用素は消散作用素であることが分かる。 ==注釈== {{reflist|2}} == 参考文献 == *{{ Cite book | last1=Engel| first1=Klaus-Jochen| last2=Nagel| first2=Rainer | title=One-parameter semigroups for linear evolution equations | year=2000| publisher=Springer}} * {{cite book | author = Renardy, Michael and Rogers, Robert C. | title = An introduction to partial differential equations | series = Texts in Applied Mathematics 13 | edition = Second |publisher = Springer-Verlag | location = New York | year = 2004 | pages = 356 | isbn = 0-387-00444-0 }} (Definition 11.25) {{DEFAULTSORT:しようさんさようそ}} [[Category:作用素論]] [[Category:関数解析学]] [[Category:数学に関する記事]]
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