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[[画像:BuysBallot en.svg|200px|right|thumb|北半球における高気圧 (H) ・低気圧 (L) の回転方向]] '''渦度'''(うずど、{{要出典範囲|かど|date=2022年5月}}、{{lang-en-short|Vorticity}})は、[[流れ]]の回転するありさまを表現する量である。渦度は[[ベクトル量]](さらに言えば[[擬ベクトル]])であり、流れの[[速度]]ベクトルのなす[[ベクトル場]]の[[回転 (ベクトル解析)|回転]]である。 渦度ベクトル {{Math|'''Ω'''}} は流速ベクトル {{Math|1='''''v''''' = (''v''<sub>''x''</sub>, ''v''<sub>''y''</sub>, ''v''<sub>''z''</sub>)}} により、以下のように表される。 :<math>\begin{align} \boldsymbol{\Omega} &= \operatorname{rot} \boldsymbol{v} = \nabla \times \boldsymbol{v} \\ &= \begin{pmatrix}\dfrac{\partial v_z}{\partial y} - \dfrac{\partial v_y}{\partial z},& \dfrac{\partial v_x}{\partial z} - \dfrac{\partial v_z}{\partial x},& \dfrac{\partial v_y}{\partial x} - \dfrac{\partial v_x}{\partial y} \end{pmatrix}\end{align}</math> 渦度ベクトルを[[流線]]のようにつなげた曲線を'''渦線'''という。流れの中のある閉曲線上の各点を通る渦線によってできる曲面を'''渦管'''という。断面積を無限小にした渦管を'''渦糸'''という<ref group="注">渦線と渦糸は同じようであるが、渦線は幾何学的な曲線であり、渦糸は流体の肉付けのある点が異なる。たとえるなら幾何学的な点と[[質点]]との違いに似ている。</ref>。渦糸が[[閉曲線]]になっている場合、これを'''渦輪'''という<ref>{{cite|和書 |author=今井功 |title=流体力学(前編) |edition=24 |publisher=裳華房 |year=1997 |isbn=4-78532314-0 |page=43-44}}</ref><ref>{{cite|和書 |author=巽友正 |title=流体力学 |publisher=培風館 |year=1998 |isbn=4-563-02421-X |page=27-29}}</ref>。 == 性質 == * 流れの中に微小領域をとったとき、微小時間で考えれば、その領域は渦度ベクトルの方向を軸に角速度 {{Math|(1/2){{mabs|''ω''}}}} で剛体的に回転する。 * 1本の渦管を考えたとき、渦管の表面を一周する任意の閉曲線 {{Math|∂S}} に沿った[[循環 (流体力学)|循環]](渦度 {{Math|'''''ω'''''}} の面積分) *::<math>\Gamma=\oint_{\partial S} \boldsymbol{v}\cdot \mathrm d\boldsymbol{s}=\int_{S} \boldsymbol{\omega}\cdot \mathrm d\boldsymbol{S}</math> *:は、渦管に固有の量となり、'''渦管の強さ'''と呼ばれる。ここで {{Math|d'''''s'''''}} は閉曲線 {{Math|∂S}} の線要素、{{Math|d'''''S'''''}} は {{Math|∂S}} で囲まれる曲面の面要素である。 * 同様に、渦糸に対してその断面積 {{Mvar|σ}} と渦度 {{Mvar|ω}} との積 {{Math|1=Γ = ''σω''}} は渦糸に固有の量であり、'''渦糸の強さ'''と呼ばれる。このことから、渦糸が細いところほど渦度が大きくなることが分かる。 * 渦管や渦糸は流体内部の点で途切れることはなく、流体領域の境界(無限遠を含む)まで伸びているか、閉曲線となり渦輪を作るかのどちらかである。 === テンソルとしての性質 === 渦度は、速度勾配テンソルの反対称成分 :<math> \big( \partial_{[i} v_{j]} \big) = \frac{1}{2} \begin{pmatrix} 0 & \dfrac{\partial v_1}{\partial x_2}-\dfrac{\partial v_2}{\partial x_1} & \dfrac{\partial v_1}{\partial x_3}-\dfrac{\partial v_3}{\partial x_1}\\\\ \dfrac{\partial v_2}{\partial x_1}-\dfrac{\partial v_1}{\partial x_2} & 0 & \dfrac{\partial v_2}{\partial x_3}-\dfrac{\partial v_3}{\partial x_2}\\\\ \dfrac{\partial v_3}{\partial x_1}-\dfrac{\partial v_1}{\partial x_3} & \dfrac{\partial v_3}{\partial x_2}-\dfrac{\partial v_2}{\partial x_3} & 0 \end{pmatrix} </math> を、関係式 :<math>\frac{1}{2}\left(\frac{\partial v_i}{\partial x_j}-\frac{\partial v_j}{\partial x_i}\right)=\epsilon_{jik}\omega_k</math> を用いてベクトルとして表したものである<ref group="注">一方、速度勾配テンソルの対称成分はひずみ速度テンソルと呼ばれる。</ref>。ここで {{Mvar|ε}} は[[エディントンのイプシロン]]である。 == ビオ・サバールの法則 == 無限に広がる流体領域の渦度分布が与えられており、かつ無限遠で速度が0であるとき、速度分布は[[ビオ・サバールの法則]]により求められる。 :<math>\begin{align}\boldsymbol{v}&=\frac{1}{4\pi}\iiint\frac{\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{r}}{r^3} dV \\ &=\operatorname{rot}\iiint\frac{\boldsymbol{\omega}}{4\pi r}dV\end{align}</math> == 渦度方程式 == 流体の運動方程式の[[回転 (ベクトル解析)|回転]]を取ることによって、次の'''渦度方程式'''が導かれる。 :<math>\frac{\partial\boldsymbol{\omega}}{\partial t}=\operatorname{rot}(\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{\omega})+\nu\nabla^2\boldsymbol{\omega}</math> ここでνは流体の[[動粘性係数]]である。 == 大気力学における渦度 == [[大気力学]]においては、渦度ベクトルの中で3方向の成分の中で特に重要なのは鉛直方向の成分であり、これは'''鉛直渦度'''と呼ばれ、単に渦度といった場合、暗黙の了解として鉛直渦度を指すことが多い。鉛直渦度は、東西南北方向の長方形の単位領域に対して、長方形の辺に沿う方向の風速を考え、 :(上辺の西向きの風速-下辺の西向きの風速)/縦方向の距離 - (右辺の南向きの風速-左辺の南向きの風速)/横方向の距離 により与えられる。北半球においては、低気圧の鉛直渦度は正になり、高気圧の鉛直渦度は負になる。南半球においては逆符号になる。 地表からは静止しているように見える空気も地球の[[自転]]に伴って運動しているので、[[慣性系]]から見れば渦度を持っている。この自転に伴う渦度を'''惑星渦度'''という。惑星渦度は {{Math|2''ω''sin''φ''}}({{Mvar|ω}} は自転の[[角速度]]、{{Mvar|φ}} は[[緯度]])である。惑星渦度と地表から見たときの風による渦度('''相対渦度'''という)と足し合わせた渦度、つまり慣性系から見たときの風による渦度を'''絶対渦度'''という。 風に[[発散 (ベクトル解析)|発散や収束]]が無い場合、空気が別の場所へ移動してもその空気の絶対渦度は保存される。大気中では {{Val|500|ul=hPa}} の面がこの状況に近い。そのため将来の渦度の分布を予測することが可能であり[[数値予報]]の重要な要素となっている。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{reflist|group="注"}} === 出典 === {{reflist}} == 関連項目 == * [[循環 (流体力学)]] - [[ストークスの定理]]によって、渦度と関連付けられる。 * [[空気砲 (科学教材)]] - 渦輪を可視化する工作物。 {{気象要素}} {{DEFAULTSORT:うすと}} [[Category:うず]]
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