準コンパクト射のソースを表示

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[[代数幾何学]]において、[[概型|スキーム]]の[[射_(圏論)|射]] <math>f: X \to Y</math> が'''準コンパクト射'''（じゅんコンパクトしゃ、{{lang-en-short|quasi-compact morphism}}）であるとは、''Y'' にある開アフィン部分スキーム <math>V_i</math> による[[開被覆|被覆]]が存在して、[[原像]] <math>f^{-1}(V_i)</math> が全て[[位相空間]]として[[準コンパクト]]となることを言う<ref>これはハーツホーンでの定義である。</ref>。''f'' が準コンパクトであれば、''f'' による準コンパクト開部分スキーム（例えば開アフィン部分スキーム）の原像は準コンパクトである。

準コンパクト射の定義において、「開アフィン部分スキームによる被覆」を「準コンパクトな開部分スキームによる被覆」に弱めることは、意味が変わってしまうためできない。例<ref>Remark 1.5 in Vistoli</ref>として、[[根基イデアル]]について[[昇鎖条件]]を満たさない環 ''A'' をとり、<math>X = \operatorname{Spec} A</math> と置く。''X'' は準コンパクトではない開部分集合 ''U'' を含む。''Y'' を、2つの ''X'' を ''U'' で貼り合わせたスキームとする。''X'' と ''Y'' はともに準コンパクトである。<math>f: X \to Y</math> を ''X'' の1つのコピーの包含関係による自然な射とすると、もう1つの ''X'' （これは ''Y'' の開アフィン）のこの射による原像は ''U'' であり、これは準コンパクトではない。したがって、''f'' は準コンパクト射ではない。

準コンパクトスキームからアフィンスキームへの射は準コンパクトである。

<math>f: X \to Y</math> をスキームの準コンパクト射とする。このとき、<math>f(X)</math> が閉となるのは、特殊化で安定しているとき、かつそのときに限る。

準コンパクト射の合成は準コンパクトである。準コンパクト射を基底変換したものは準コンパクトである。

アフィンスキームは準コンパクトである。スキームが準コンパクトであるのは、開アフィン部分スキームの有限和のときだけであり、かつそのときに限る。{{仮リンク|セールの判定法|en|Serre’s criterion}}は、準コンパクトスキームがアフィンであるための必要十分条件を与える。

準コンパクトスキームは少なくとも1つの閉点を持つ
<ref>{{citation
 | last = Schwede | first = Karl
 | contribution = Gluing schemes and a scheme without closed points
 | doi = 10.1090/conm/386/07222
 | mr = 2182775
 | pages = 157–172
 | publisher = Amer. Math. Soc., Providence, RI
 | series = Contemp. Math.
 | title = Recent progress in arithmetic and algebraic geometry
 | volume = 386
 | year = 2005}}. See in particular Proposition&nbsp;4.1.</ref>。

== 関連項目 ==

*{{仮リンク|fpqc射|label=fpqc 射|en|fpqc morphism}}

== 脚注 ==

{{reflist}}

== 参考文献 ==

*Hartshorne, ''Algebraic Geometry''.
*Angelo Vistoli, "Notes on Grothendieck topologies, fibered categories and descent theory." {{arXiv|math/0412512}}

== 外部リンク ==

*[https://mathoverflow.net/q/34620 When is an irreducible scheme quasi-compact?]

[[Category:スキームの射]]
[[Category:数学に関する記事]]
{{DEFAULTSORT:しゆんこんはくとしや}}
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