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{{翻訳直後|[[:en:Special:Permalink/1018881669|en: Quasi-harmonic_approximation]]|date=2023年11月}} [[固体物理学]]における'''準調和近似'''(じゅんちょうわきんじ、{{Lang-en-short|quasi-harmonic approximation, '''QHA'''}})とは、[[熱膨張]]のような体積依存性のある熱現象を説明する際にもちいられる、[[フォノン]]に基くモデルである。 [[格子定数]]のそれぞれを調節可能なパラメータとみなし、かつ[[調和振動子]]近似できることを仮定する。 == 概要 == 準調和近似は[[結晶構造|結晶格子]]の動力学を記述する[[フォノン]]モデルを拡張したものである。フォノンモデルは全ての原子間に働く力が[[調和振動子|調和]]的であることを仮定するが、すると平衡距離が温度によらず一定になってしまうため[[熱膨張]]のような現象を記述することができない。 ここで、準調和近似モデルは、フォノン振動数に体積依存性をくわえ、体積が一定の条件下では調和近似が成り立つものとする。 == 熱力学 == 準調和近似のもとでは、ある結晶格子の[[自由エネルギー|ヘルムホルツエネルギー]]{{Mvar|F}}は以下のように書ける。 <math>F(T,V) = E_{\rm lat}(V) + U_{\rm vib}(T,V) - T S(T,V)</math> ここで{{Math|''E''<sub>lat</sub>}}は静的な[[格子エネルギー|格子内部エネルギー]]、{{Math|''U''<sub>vib</sub>}}は格子の振動内部エネルギー、つまりフォノン系のもつエネルギー、{{Mvar|V}}は体積、{{Mvar|S}}は系の振動自由度に由来する[[エントロピー]]である。振動エネルギーは以下の式で与えられる。 <math>U_{\rm vib}(T,V) = \frac{1}{N} \sum_{\boldsymbol{k}, i} \frac{1}{2} \hbar \omega_{\boldsymbol{k},i}(V) + \frac{1}{N} \sum_{\boldsymbol{k}, i} \frac{\hbar \omega_{\boldsymbol{k},i}(V)}{\exp(\Theta_{\boldsymbol{k},i}(V) / T) - 1} = \frac{1}{N} \sum_{\boldsymbol{k}, i}\left[\frac{1}{2} + n_{\boldsymbol{k},i}(T,V)\right] \hbar \omega_{\boldsymbol{k},i}(V)</math> ここで、{{Mvar|N}}は項の総数、<math display="inline">\Theta_{\boldsymbol{k},i}(V) = \hbar \omega_{\boldsymbol{k},i}(V) / k_B</math>は[[波数ベクトル]]{{Mvar|'''k'''}}における{{Mvar|i}}番目のフォノンの体積{{Mvar|V}}の条件下での特性温度、<math display="inline">n_{\boldsymbol{k},i}(T, V)</math>は温度{{Mvar|T}}および体積{{Mvar|V}}における{{Math|('''''k''''', ''i'')}}-フォノンの数である。慣例のとおり、<math display="inline">\hbar</math>は[[ディラック定数|換算プランク定数]]および{{Math|''k''<sub>B</sub>}}は[[ボルツマン定数]]である。{{Math|''U''<sub>vib</sub>}}の初項はフォノン系の[[零点エネルギー]]であり、熱膨張に零点熱圧力として貢献する。 ヘルムホルツ自由エネルギー{{Mvar|F}}は以下のとおり与えられる。 <math>F = E_{\rm lat}(V) + \frac{1}{N} \sum_{\boldsymbol{k}, i} \frac{1}{2}\hbar \omega_{\boldsymbol{k}, i}(V) + \frac{1}{N} \sum_{\boldsymbol{k}, i} k_BT \ln \left[ 1 - \exp(-\Theta_{\boldsymbol{k}, i}(V) / T) \right]</math> また、エントロピー{{Mvar|S}}は次のように与えられる。 <math>S = -\left(\frac{\partial F}{\partial T}\right)_V = -\frac{1}{N} \sum_{\boldsymbol{k}, i} k_B \ln \left[ 1 - \exp(-\Theta_{\boldsymbol{k}, i}(V) / T) \right] + \frac{1}{N T} \sum_{\boldsymbol{k}, i} \frac{\hbar \omega_{\boldsymbol{k},i}(V)}{\exp(\Theta_{\boldsymbol{k},i}(V) / T) - 1}</math> 簡単に確かめられるとおり、これらは{{Math|1=''F'' = ''U'' − ''TS''}}を満たす。 {{Mvar|'''k'''}}の関数としての周波数{{Mvar|ω}}は[[分散関係]]と呼ばれる。体積{{Mvar|V}}を一定値に保つ条件の下では、これらの方程式は調和近似に相当することに注意されたい。 [[ルジャンドル変換]]を適用することにより系の[[自由エネルギー|ギブズ自由エネルギー]]{{Mvar|G}}を温度と圧力の関数として書くこともできる。 <math>G(T,P) = \min_V \left[ E_{\rm lat}(V) + U_{\rm vib}(V,T) - T S(T,V) + P V \right]</math> ここで{{Mvar|P}}は圧力である。{{Mvar|G}}は所与の{{Mvar|T}}および{{Mvar|P}}における平衡体積において最小値をとる。 == 派生物理量 == ギブズ自由エネルギーが得られたならば、そこから派生して多くの熱力学量が得られる。以下に、調和近似だけでは決定することのできない物理量をいくつか示す。 === 平衡体積 === 圧力および温度の関数としての体積{{Math|''V''(''P'', ''T'')}}はギブズ自由エネルギーを最低化することにより得られる。 === 熱膨張係数 === 熱膨張係数{{Math|''α''<sub>''V''</sub>}}は{{Math|''V''(''P'', ''T'')}}から以下のように得られる。 <math>\alpha_V = \frac{1}{V} \left(\frac{\partial V}{\partial T}\right)_P</math> === グリュナイゼン定数 === [[グリュナイゼン定数]]{{Mvar|γ}}は各フォノンモードごとに以下のように定義される。 <math>\gamma_i = - \frac{\partial \ln \omega_i}{\partial \ln V}</math> ここで{{Mvar|i}}はフォノンモードを表わす添字である。総グリュナイゼン定数はすべての{{Mvar|γ<sub>i</sub>}}の総和として得られる。グリュナイゼン定数は系の[[非調和性]]の尺度であり、熱膨張に密接に関連する。 == 参照文献 == * Dove, Martin T. (1993). ''Introduction to lattice dynamics'', Cambridge university press. {{ISBN2|0521392934}}. [[Category:格子模型]] [[Category:物性物理学]] {{DEFAULTSORT:しゆんちようわきんし}}
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