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{{Chembox | Name = 炭化カルシウム | ImageFile1 = Calcium carbide formula.svg | ImageSize1 = 200px | ImageName1 = 炭化カルシウム | ImageFile2 = Karbid vápenatý.JPG | ImageSize2 = 250px | ImageName2 = 炭化カルシウム(高純度) | IUPACName = 炭化カルシウム | OtherNames = カルシウムカーバイド<br />カルシウムアセチリド<br />アセチレノーゲン | Section1 = {{Chembox Identifiers | CASNo = 75-20-7 | CASNo_Ref = {{cascite|correct|CAS}} | ChemSpiderID_Ref = {{chemspidercite|correct|chemspider}} | ChemSpiderID = 6112 | PubChem = 6352 | InChI = 1/C2.Ca/c1-2;/q-2;+2 | InChIKey = UIXRSLJINYRGFQ-UHFFFAOYAI | StdInChI_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChI = 1S/C2.Ca/c1-2;/q-2;+2 | StdInChIKey_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChIKey = UIXRSLJINYRGFQ-UHFFFAOYSA-N | SMILES = [Ca+2].[C-]#[C-] }} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula = CaC<sub>2</sub> | MolarMass = 64.099 g/mol | Appearance = 白色固体 <br/>(不純物で灰色の場合有) | Density = 2.22 g/cm<sup>3</sup>, 固体 | MeltingPt = 2160 ℃ | BoilingPt = 2300 ℃ | Solubility = 反応 }} | Section3 = {{Chembox Structure | CrystalStruct = 正方晶 <ref>{{Cite journal| doi = 10.1023/A:1015105922260| year = 2002| author = Massalimov, I. A.| journal = Inorganic Materials| volume = 38| pages = 363| last2 = Kireeva| first2 = M. S.| last3 = Sangalov| first3 = Yu. A.| issue = 4}}</ref> | SpaceGroup = D<sup>17</sup><sub>4h</sub>, I4/mmm, [[Pearson symbol|tI6]] | Coordination = 6 }} | Section4 = {{Chembox Thermochemistry | DeltaHf = −63 kJ·mol<sup>−1</sup> | Entropy = 70 J·mol<sup>−1</sup>·K<sup>−1</sup> }} | Section5 = {{Chembox Hazards | FlashPoint = 305 °C (アセチレン) | EUClass = | EUIndex = | MainHazards = | NFPA-H = 3 | NFPA-F = 3 | NFPA-R = 2 | NFPA-O = W }} | Section6 = {{Chembox Related | OtherCpds = [[アセチレン]]<br/>[[カルシウムシアナミド]]<br/>[[リン化カルシウム]] }} |ImageSize3=250px|ImageFile3=Carbid.jpg|画像キャプション3=市販されているカルシウムカーバイドでは、不純物のために青みがかった灰白色となっている。|画像キャプション2=純度の高いカルシウムカーバイドは灰白色。}} '''炭化カルシウム'''(たんかカルシウム)、別名'''カルシウムカーバイド''' (calcium carbide) は、化学式 CaC<sub>2</sub> で表される[[化合物]]である。灰色がかった白色固体で、主に[[アセチレン]]ガスの簡便な発生源として利用される。 燃料用に市販されているカルシウムカーバイドは灰白色の塊状固体である。これには不純物として[[リン化カルシウム]]や[[硫黄]]などが含まれている。この不純物に由来する[[ホスフィン]]や[[硫化水素]]のため、市販品によって発生したアセチレンはわずかな不快臭を呈する。純粋な炭化カルシウムは無色透明の結晶である。カルシウムイオン({{chem|Ca|2+}})とアセチリドイオン{{chem|(C|2||2-}})で満たされた塩化ナトリウム型の結晶構造をとる。 == 製造 == [[ファイル:Bundesarchiv Bild 183-1983-1111-025, Chemiekombinat Buna, Karbidproduktion.jpg|左|サムネイル|250x250ピクセル|電気炉でカーバイドを生成しているところ]] [[生石灰]]と[[コークス]]の混合物を[[電気炉]]で約2000℃に加熱することによって作られる。反応式を以下に示す。 : <chem>CaO + 3C -> CaC2 + CO</chem> 炭化カルシウムの合成には普通の燃料の燃焼では容易に達することができないような高温を必要とするため、[[グラファイト電極]]をそなえた電気炉を使って反応を行う。その工業過程は化学分野での[[産業革命]]において重要な役割を果たした。19世紀以降、[[ナイアガラの滝]]などでの[[水力発電]]によって大量の電力が安価に供給されるようになったため、電気炉の大規模な利用が可能になった。 == 用途 == [[ファイル:Calcium carbide and water.webm|サムネイル|250x250ピクセル|炭化カルシウムと水が反応する様子]] 炭化カルシウムと水の反応は1862年に[[フリードリヒ・ヴェーラー]]によって見出された。1[[グラム]]の CaC<sub>2</sub> からは370[[ミリリットル]]の[[アセチレン]]が生成する。 : <chem>CaC2 + 2 H2O -> C2H2 + Ca(OH)2</chem> この反応は溶解アセチレンの工業的製造に応用されており、近代工業における炭化カルシウムの主な用途のひとつである。また伝統的な照明器具である[[アセチレンランプ]]は、炭化カルシウムに水を滴下することによって発生させたアセチレンガスを燃焼させる。 炭化カルシウムは鉄鋼業においても使われ、精錬によって酸素や硫黄などの不純物を取り除く段階で添加される。また、汲み取り式のトイレ用の脱酸化剤としても使われる。 [[オランダ]]や[[ベルギー]]の伝統的な遊びである、金属製の筒にカーバイドと水を入れ、発生したガスに点火して大砲のような音をさせる "Carbidschieten" ([[カーバイド撃ち]])や、玩具の大砲([[ビッグ・バン・キャノン]]など)でも用いられる。 [[リン化カルシウム]]と共に、自然性の[[照明弾]]に使われる。 また、高温下(約1100°C)で[[窒素]]と反応させて、肥料として使われている[[カルシウムシアナミド]]の合成にも使われる。窒素分子の強い三重結合を化学的に切断する数少ない方法の一つである。 : <chem>CaC2 + N2 -> CaCN2 + C</chem> == 日本でのカーバイド製造 == [[File:工学博士藤山常一先生像.jpg|サムネイル|三居沢発電所の藤山常一像]] [[1902年]](明治35年)、宮城紡績電灯の[[藤山常一]]技師長が仙台市郊外の[[三居沢発電所]]で、日本で初めてカルシウムカーバイドの製造に成功した。藤山はかねてから電気エネルギーの利用に関心があり、三居沢発電所で発電される電力を利用してカーバイドを製造した後、同年4月に「三居沢カーバイト製造所」が設立された<ref>「三居沢発電所考」『仙台郷土研究 復刊第25巻2号-特集 仙台開府400年論考』通巻261号 p.48</ref>。藤山は三居沢の他に全国4箇所の工場を設立した後、1907年(明治40年)に[[野口遵]]とともに[[日本カーバイド商会]]を設立している。 == 出典 == <references/> == 関連項目 == * [[カーバイド]] {{カルシウムの化合物}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:たんかかるしうむ}} [[Category:無機化合物]] [[Category:炭化物]] [[Category:カルシウムの化合物]] [[Category:アセチリド]] [[Category:第3類危険物]]
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