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炭酸ナトリウム
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{{chembox | Watchedfields = changed | verifiedrevid = | ImageFile1 = Sodium_carbonate-2009-23-04b.svg | ImageSize1 = 150px | ImageFile2 = Sodium-carbonate-xtal-3D-balls-C.png | ImageSize2 = | ImageFile3 = Sodium-carbonate-xtal-3D-SF-C.png | ImageSize3 = | OtherNames = 炭酸ソーダ<br>ソーダ灰(無水物) | Section1 = {{Chembox Identifiers | CASNo = 497-19-8 | CASNo_Ref = {{cascite}} | CASOther = <br>5968-11-6(一水和物)<br>6132-02-1(十水和物) | PubChem = 10340 | ChemSpiderID = 9916 | RTECS = VZ4050000 | EINECS = 207-838-8 }} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula = {{chem|Na|2|CO|3}} | MolarMass = 105.9884 g/mol(無水物)<br /> 124.00 g/mol(一水和物)<br /> 286.14 g/mol(十水和物) | Appearance = [[吸湿性]]の白色固体 | Density = 2.54 g/cm<sup>3</sup>(無水物)<br /> 2.25 g/cm<sup>3</sup>(一水和物)<br /> 1.46 g/cm<sup>3</sup>(十水和物) | Solubility = 22 g/100 ml (20 °C)<br /> <br/>7 g/100 g (0 °C)<br />21.6 g/100 g (20 °C)<br />45 g/100 g (100 °C)<ref name="#1">https://web.archive.org/web/20060411081802/http://www.ndctz.com/sodaash.htm</ref> | HeatofSolution = 24.7 kJ/mol (100 mol H2O)<ref name="#1"/> | SolubleOther = [[アルコール]]、[[エタノール]]に不溶 | MeltingPt = 851 °C, 1124K(無水物)<br />100 °C, 373 K(分解、一水和物)<br />34 °C, 307 K(分解、十水和物) | BoilingPt = 1600 °C(無水物) | pKb = 3.67 | RefractIndex = 1.495(無水物)<br /> 1.420(一水和物) }} | Section3 = {{Chembox Structure | Coordination = [[三方両錐形]] | Structure = [[三斜晶]](無水物)<br />[[斜方晶]](一水和物) }} | Section7 = {{Chembox Hazards | ExternalMSDS = [http://www.chem.tamu.edu/class/majors/msdsfiles/msdssodiumcarb.htm#Material Safety Data Sheet External MSDS] | EUIndex = 011-005-00-2 | EUClass = 刺激性 ('''Xi''') | NFPA-H = 1 | NFPA-F = 0 | NFPA-R = 1 | RPhrases = {{R-phrases|36}} | SPhrases = {{S-phrases|2|22|26}} | FlashPt = 不燃性 }} | Section8 = {{Chembox Related | OtherAnions = [[炭酸水素ナトリウム]] | OtherCations = [[炭酸リチウム]]<br />[[炭酸カリウム]]<br />[[炭酸ルビジウム]]<br/>[[炭酸セシウム]] | OtherCpds = [[炭酸アンモニウム]]<br />[[ナトロン]]<br/>[[過炭酸ナトリウム]]<br/>[[トロナ]] }} }} '''炭酸ナトリウム'''(たんさんナトリウム、{{lang|en|sodium carbonate}}、別名:炭酸ソーダ<ref name="kitchen4">{{Cite book |和書 |author=生活と科学社|year=2011 |title=アルカリと酸で洗う本 -洗濯と掃除、そしてキッチン|publisher=せせらぎ出版|page=4}}</ref>)は組成式 '''({{chem|Na|2|CO|3}})'''で表されるアルカリ金属炭酸塩。[[水酸化ナトリウム]]とその半分の物質量の[[二酸化炭素]]を反応させるか、[[炭酸水素ナトリウム]]を熱すると得られる。 : <chem>2NaOH + CO2 -> Na2CO3 + H2O</chem> : <chem>2NaHCO3 -> Na2CO3 + CO2 + H2O</chem> == 化学的性質 == === 基本的性質 === pHは11.3(1%水溶液)<ref name="kitchen4" />。水溶液中では以下の 1. のように電離するが、 2. の平衡は著しく左に偏っているため、{{chem|CO|3|2-}} イオンが水から {{chem|H|+}} イオンを奪う能力が強く 3. のように反応して{{chem|OH|-}}イオンを生じる。(加水分解) # <chem>Na2CO3 -> {2Na+} + CO3^{2-}</chem> # <chem>HCO3^- <=> {H+} + CO3^{2-}</chem> # <chem>{CO3^{2-}} + H2O -> {HCO3^-} + OH^-</chem> そのために、水溶液は塩基性を示し、味は苦い。菓子を作る際加える[[ベーキングパウダー]]は[[炭酸水素ナトリウム]]が主成分であり、[[熱分解]]して炭酸ナトリウムが生じるとアルカリ性となり苦味を呈するため、中和剤として[[酒石酸]]も加えてある。 === ソーダ灰と洗濯ソーダ === 水分をまったく含まない無水塩は'''ソーダ灰'''という<ref name="kitchen4" />。 また、結晶構造中に10個の水分子を含むもの(十水和物)は'''洗濯ソーダ'''(washing soda)といい、古くから綿布の洗濯に利用されてきた<ref name="kitchen4" />。 十水和物 ({{chem|Na|2|CO|3|・10H|2|O}}) は[[風解]]して一水和物 ({{chem|Na|2|CO|3|・H|2|O}}) になる。輸送時、体積および質量を減じるために300 °C以上で焼いて無水塩とする。 == 製造法 == === 歴史的な製造法 === 中東の草木、[[塩生植物]]、スコットランドの昆布、スペインの海藻のようなナトリウムが豊富な環境で育った植物の灰から抽出されていた。これらのナトリウムが豊富な植物の灰は、[[炭酸カリウム]]が得られる木材の灰と異なっていたため、ソーダ灰(soda ash)として呼ばれるようになった<ref>{{cite web |url=http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/soda_ash/soda-ash-industry.pdf |title=minerals.usgs.gov/minerals |publisher=[[アメリカ地質調査所]] |accessdate=2018.3.11}}[https://web.archive.org/web/20160625000937/http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/soda_ash/soda-ash-industry.pdf]</ref>。これらは19世紀初頭までヨーロッパおよび他の地域で行われていた。 湖水などに溶解した炭酸ナトリウムは、水の蒸発により析出し湖底で自然に採れることがある。これらの鉱物は[[ナトロン]]とよばれた。エジプトの乾燥した湖等で得られ、ガラスの原料やミイラ製造に使用された。 炭酸ナトリウムの無水鉱物状態のものは非常にまれであり、ナトライト(natrite)と呼ばれる。タンザニアの[[オルドイニョ・レンガイ]]火山からも噴出する。過去にも同様の噴出はあったと考えられるが、地表では不安定で、水に浸食されている可能性がある。たとえば[[ロシア]]の[[コラ半島]]では、炭酸ナトリウム、[[トロナ]]({{chem|Na|3|H(CO|3|)|2|・2H|2|O}})、[[セスキ炭酸ナトリウム]]({{chem|Na|2|CO|3|・NaHCO|3|}})の3種の鉱物形態で存在している。トロナ、セスキ炭酸ナトリウムは現在でも炭酸ナトリウムの原料として採掘されている。 === 工業的な製造法 === 工業的には天然に産出する[[トロナ]]を原料に精製するか、塩水から[[ソルベイ法|ソルベイ法(アンモニアソーダ法)]]で製造される<ref name="kitchen4" />。世界的には、全生産量のうちおよそ28 %が天然由来となっている<ref>[http://minerals.usgs.gov/mineralofthemonth/sodaash.pdf Soda Ash - Geotimes -May 2006][https://web.archive.org/web/20160305074913/http://minerals.usgs.gov/mineralofthemonth/sodaash.pdf] - USGS</ref>。 == 利用・用途 == 中華麺の[[かん水]]や[[コンニャク]]の凝固剤として利用される<ref name="kitchen5">{{Cite book |和書 |author=生活と科学社|year=2011 |title=アルカリと酸で洗う本 -洗濯と掃除、そしてキッチン|publisher=せせらぎ出版|page=5}}</ref>。塩基性であるため小麦粉中の色素が黄色を呈するので、うどんと異なり中華麺は黄色い。 工業上は粉せっけんや合成洗剤のアルカリ助剤として配合され(炭酸塩と表示)、粉末状の洗剤では乾燥剤の役目もある<ref name="kitchen5" />。 洗浄力の強いアルカリ性で10水塩の炭酸ソーダは洗濯ソーダと呼ばれ洗濯に利用されてきた<ref name="kitchen4" />。家庭用では皮脂汚れなどの汚れの洗濯、油汚れの下処理、血液などのタンパク質汚れに対する汚れ落としなどに利用される<ref name="kitchen4" />。ただし、機械油や化粧品が原因の油汚れ、頑固な泥汚れ、衣類等のシミの漂白には不向きである<ref name="kitchen4" />。[[セスキ炭酸ナトリウム]]よりも強い塩基性で使用量は少なくなるが、より手荒れを起こしやすくゴム手袋の着用などが必要である<ref name="kitchen5" />。また、セスキ炭酸ナトリウムに比べると水に溶けにくい<ref name="kitchen5" />。炭酸ソーダは吸湿すると固くなってしまう性質がある<ref name="kitchen5" />。 工業上、無水塩の[[ソーダ石灰ガラス]]の原材料となる<ref name="kitchen4" />。 [[古代エジプト]]では[[ナトロン]]という天然鉱物を[[ミイラ#生成|ミイラ]]作りに利用していたが、これはナトロンに多く含まれる炭酸ナトリウムの脱水作用を利用したものとされている<ref name="kitchen5" />。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Sodium carbonate}} * [[灰汁]] * [[ルブラン法]] - 18世紀末に発明され、19世紀の中頃までの間まで盛んに用いられた炭酸ナトリウムの工業的製造法 * [[侯德榜法]] - 1930年代に中国の化学者 侯德榜が開発した製造法 * [[:en:Residual sodium carbonate index]] {{ナトリウムのオキソ酸塩}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:たんさんなとりうむ}} [[Category:炭酸塩]] [[Category:ナトリウムの化合物]]
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