炭酸脱水酵素のソースを表示
←
炭酸脱水酵素
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[Image:Carbonic anhydrase.png|thumb|炭酸脱水酵素<br />系統名 carbonate hydrolyase<br />[[EC番号]] 4.2.1.1<br />[[CAS登録番号]] 232-576-6]] '''炭酸脱水酵素'''(たんさんだっすいこうそ、Carbonic anhydrase、carbonate dehydratase; 略号: CA)あるいは'''炭酸デヒドラターゼ'''とは[[金属タンパク質|金属プロテイン]]酵素<ref>酵素中に1つ以上の金属原子を酵素活性中心に持つもの。[[w:en:metalloprotein|metalloenzymes]]</ref>に属する[[酵素]]で[[二酸化炭素]]と[[水]]を[[炭酸水素イオン]]と[[水素イオン]]とに迅速に変換する酵素である。この反応は[[触媒]]が存在しないときわめて遅い<ref>Badger MR, Price GD. 1994. The role of carbonic anhydrase in photosynthesis. Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol. 45:369–392</ref> 。炭酸脱水酵素はこの[[反応速度]]を非常に増大させる。反応速度はこの酵素の形態により異なり、10<sup>4</sup>から10<sup>6</sup>反応毎秒である.<ref>Lindskog S. 1997. [http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=9336012&query_hl=9&itool=pubmed_docsum Structure and mechanism of carbonic anhydrase]. PHARMACOLOGY & THERAPEUTICS. 74:1-20</ref>。大抵のCAは[[活性部位|活性中心]]<!--他言語版は出典にできません[[WP:TRANS]]<ref>[[w:en:active site]]</ref>-->に[[亜鉛]]イオンを含有する。 == 炭酸脱水酵素の構造と機能 == 自然界の炭酸脱水酵素は幾つかの形態が存在する<ref>酵素の分類命名は機能によってなされる為に、異なるアミノ酸配列のたんぱく質が同一酵素に区分される。</ref>。もっとも研究されているものが「α-炭酸脱水酵素」で動物の体内に存在する。亜鉛イオンは His94, His96そしてHis119である3つのヒスチジン残基のイミダソール環が配位している。 動物においてこの酵素の主たる機能は、二酸化炭素と炭酸水素イオンとを相互変換することで、血液や他の組織の酸-塩基平衡を維持し、組織から二酸化炭素を運び出す補助をする。 [[植物]]においては「β-炭酸脱水酵素」と呼ばれる形態の異なる酵素が含まれる。その酵素は進化的には起源を異にするが、同じ反応に関与し、活性中心には亜鉛イオンが存在する。植物において炭酸脱水酵素はCO<sub>2</sub>濃度の上昇を補助し、[[葉緑体]]中で[[リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ]]酵素の炭酸固定反応を増大させている。この反応により[[光合成]]ではCO<sub>2</sub>ガスを有機化合物の糖に固定しているが、CO<sub>2</sub>の炭素のみが利用され、炭酸や炭酸水素イオンでは利用されない。 2000年にはカドミウム含有炭酸脱水酵素<ref>[http://www-ssrl.slac.stanford.edu/research/highlights_archive/cd-ca.html cadmium containing carbonic anhydrase] (英語)</ref>が亜鉛が限定される海洋の[[珪藻]]から発見されている。大洋では亜鉛はその濃度は定常的に低い濃度であり、珪藻のような[[植物プランクトン]]生育の制限になりうる。そうした場合、炭酸脱水酵素は環境中で使用できる他の金属イオンを利用する。この発見以前は一般には[[カドミウム]]は生物学的な機能がない非常に毒性のある[[重金属]]であると考えられていた。[[2005年]]の時点では炭酸脱水酵素に結合する例だけがカドミウムが関与する生化学反応である。 炭酸脱水酵素は次の反応を触媒する。 : <chem>{CO2} + H2O ->[\mathit{Carbonic\ anhydrase}] {HCO3^-} + H^+</chem><ref>炭酸の{{pKa}}はおよそ6.36(実際の値は媒質に依存する)でありpH 7であり炭酸水素イオンのうちのわずかな部分がプロトン化しているだけである。HCO<sub>3</sub><sup>-</sup> + H<sup>+</sup> <math>\rightleftharpoons</math> H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> and H<sub>2</sub>CO<sub>3</sub> <math>\rightleftharpoons</math> CO<sub>2</sub> + H<sub>2</sub>Oの平衡の詳細は [[炭酸]]に詳しい。</ref>([[組織 (生物学)|組織]]中ではCO<sub>2</sub>濃度は高い) 炭酸脱水酵素の[[反応速度]]はすべての酵素の中でも早いもののひとつであり、通常、反応速度の足かせとなるのは基質(二酸化炭素)の[[拡散]]速度である。 逆反応は相対的に遅い(速度定数は15秒{{要出典|date=2019年3月|title=「15」という数字の根拠。また「速度定数」であるなら単位は「s-1」ではないのか?}}程度である)。炭酸飲料が栓をあけたときにカンやビンでは速やかにガスが抜けずに、口に入れると急にガスが抜けるのは、唾液中に炭酸脱水酵素が含まれるためである。 : <math>\rm HCO_3^- + H^+ \rightarrow H_2CO_3 \rightarrow CO_2 + H_2O</math> ([[肺]]や[[腎臓|腎]]の[[尿細管]]ではCO<sub>2</sub>濃度が低い。植物細胞ではこの反応が進行する) == 反応機構 == [[Image:Carbonic anhydrase 1CA2 active site.png|thumb|200px|ヒトのカルボニックアンヒドラーゼIIの活性中心付近のクローズアップ。3つのヒスチジン残基(ピンク色)と亜鉛(紫)に配位した[[水酸化物イオン]](赤と白)が見られる。[http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1CA2 PDB]より.]] 酵素の[[補欠分子族]]である[[亜鉛]]は3部位の[[ヒスチジン]]側鎖に配位している。4つ目の配位座は水分子により占められている。水素-酸素結合は分極を生じ、酸素はわずかに陰性を帯びそれにより弱められている。 4番目のヒスチジンが近づくと基質の水から[[水素イオン|プロトン]]を受け取る。この例は典型的な酸-塩基触媒モデルである。そして亜鉛から水酸化物イオンが解離する。 活性部位も二酸化炭素に特異的なくぼみを持ち、水酸化物イオンを導入するのに都合が良い。この電子過剰の水酸化物イオンが二酸化炭素に攻撃を加え、炭酸水素イオンが生成する。 == 炭酸脱水酵素ファミリー == [[Image:Carbonic anhydrase 1CA2.png|thumb|200px|ヒト カルボニックアンヒドラーゼIIのリボン図。中心の紫色は活性中心の[[亜鉛]]イオン[http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1CA2 PDB]より .]] 炭酸脱水酵素には少なくとも5つの独立したファミリー (α, β, γ, δそして ε)が存在する。3つのファミリーは.アミノ酸配列にほとんど相同性はなく、[[平行進化]]が顕著に現れた例と考えられている。 === α-CA === この炭酸脱水酵素は[[哺乳類]]から発見され、4つのサブグループに区分されている。 * [[細胞質]]性炭酸脱水酵素群 (CA-I, CA-II, CA-III, CA-VII and CA XIII) * [[ミトコンドリア]]性炭酸脱水酵素群(CA-VA and CA-VB) * 分泌型炭酸脱水酵素群 (CA-VI) * 膜結合型炭酸脱水酵素群 (CA-IV, CA-IX, CA-XII, CA-XIV and CA-XV) === β-CA === [[真正細菌]]と植物の[[葉緑体]]に存在する炭酸脱水酵素はβファミリーに属する。このファミリーは次に示す2種類の配列モチーフにより同定される。 * C-[SA]-D-S-R-[LIVM]-x-[AP] * [EQ]-[YF]-A-[LIVM]-x(2)-[LIVM]-x(4)-[LIVMF](3)-x-G-H-x(2)-C-G === γ-CA === γクラスファミリーの炭酸脱水酵素は[[メタン菌]](メタンを生産する[[古細菌]])より見出されている。 === δ-CA === δクラスの炭酸脱水酵素は[[珪藻]]より見出された。この区分は最近<ref name="Sawaya">Sawaya MR, Cannon GC, Heinhorst S, Tanaka S, Williams EB, Yeates TO, Kerfeld CA. 2006. [http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=14729686&query_hl=12&itool=pubmed_docsum The structure of beta-carbonic anhydrase from the carboxysomal shell reveals a distinct subclass with one active site for the price of two]. J Biol Chem. 281(11):7546-55</ref>のもので、独立であるか疑問ももたれている。 === ε-CA === εクラスの炭酸脱水酵素は化学合成無機栄養細菌やCSO-Carboxysome<ref>So AK, Espie GS, Williams EB, Shively JM, Heinhorst S, Cannon GC. 2004. [http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=14729686&dopt=Abstract A novel evolutionary lineage of carbonic anhydrase (epsilon class) is a component of the carboxysome shell]. J Bacteriol. 186(3):623-30.</ref> を持つ海洋の藍色細菌などの[[細菌]]にのみ見出される。 最近の3次元解析<ref name="Sawaya"/>によるとε-炭酸脱水酵素は、特に金属イオンサイト部位で、部分的にβ-炭酸脱水酵素と類似性をもつことが示唆されている。しかしこの二つのファミリーはかけ離れており、アミノ酸配列の点ではかなりかけ離れている。 == 出典 == {{脚注ヘルプ}} {{reflist}} == 関連項目 == * [[炭酸脱水酵素阻害薬]] == 外部リンク == * [http://www.rcsb.org/pdb/static.do?p=education_discussion/molecule_of_the_month/pdb49_1.html Carbonic Anhydrase] PDB Molecule of the Month(英語) {{呼吸生理学}} {{DEFAULTSORT:たんさんたつすいこうそ}} [[Category:酵素]] [[Category:生化学]] [[Category:分子生物学]] [[Category:EC 4.2.1]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:PKa
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:呼吸生理学
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:脚注ヘルプ
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:要出典
(
ソースを閲覧
)
炭酸脱水酵素
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報