無限小のソースを表示

[[数学]]における{{読み仮名_ruby不使用|'''無限小'''|むげんしょう|{{lang-en-short|infinitesimal}}}}は、測ることができないほど極めて小さい「もの」である。無限小に関して実証的に[[観察]]されることは、それらが[[定量的]]にいくら小さくなろうと、[[角度]]や[[傾き (数学)|傾き]]といったある種の性質はそのまま有効であることである<ref>http://plato.stanford.edu/entries/continuity/#1</ref>。
==歴史==
[[術語]] "''infinitesimal''" は、17世紀の造語 {{lang-la-short|''infinitesimus''}}（もともとは[[列 (数学)|列]]の「[[無限]][[助数詞|番目]]」の[[項]]を意味する言葉）に由来し、これを導入したのは恐らく[[1670年]]ごろ、[[ニコラス・メルカトル|メルカトル]]か[[ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ|ライプニッツ]]である<ref>*{{citation
 | last1 = Katz | first1 = Mikhail
 | author1-link = Mikhail Katz
 | last2 = Sherry | first2 = David
 | author2-link =
 | arxiv = 1205.0174
 | doi = 10.1007/s10670-012-9370-y
 | issue =
 | journal = [[Erkenntnis]]
 | pages =
 | title = Leibniz’s Infinitesimals: Their Fictionality, Their Modern Implementations, and Their Foes from Berkeley to Russell and Beyond
 | volume =
 | year = 2012}}.</ref>。無限小はライプニッツが{{仮リンク|連続の法則|en|law of continuity}}や{{仮リンク|同質性の超限法則|en|transcendental law of homogeneity}}などをもとに展開した無限小[[微分積分学|解析]]における基本的な材料である。よくある言い方では、無限小対象とは「可能な如何なる測度よりも小さいが[[零|0]]でない対象である」とか「如何なる適当な意味においても0と区別することができないほど極めて小さい」などと説明される。故に形容（動）詞的に「無限小」を用いるときには、それは「極めて小さい」という意味である。このような量が意味を持たせるために、通常は同じ文脈における他の無限小対象と比較をすること（例えば[[微分商]]）が求められる。無限個の無限小を足し合わせることで[[積分]]が与えられる。

[[アルキメデス]]は、自身の[[本|著書]]『[[方法 (アルキメデスの著書)|方法]]』において[[不可分の方法]]と呼ばれる手法を応分に用いて領域の[[面積]]や[[立体]]の[[体積]]を求めた<ref>Netz, Reviel; Saito, Ken; Tchernetska, Natalie: A new reading of Method Proposition 14: preliminary evidence from the Archimedes palimpsest. I. SCIAMVS 2 (2001), 9–29.</ref>。正式に出版された[[論文]]では、[[アルキメデス]]は同じ問題を[[取り尽くし法]]を用いて証明している。15世紀には[[ニコラウス・クザーヌス]]の業績として（17世紀には[[ヨハネス・ケプラー|ケプラー]]がより詳しく調べているが）、特に[[円 (数学)|円]]を[[無限]]個の辺を持つ多角形と見做して円の[[面積]]を計算する方法が見受けられる。[[16世紀]]における、任意の[[実数]]の[[十進法|十進表示]]に関する[[シモン・ステヴィン]]の業績によって、実連続体を考える下地はすでにでき上がっていた。[[ボナヴェントゥーラ・カヴァリエーリ|カヴァリエリ]]の不可分の方法は、過去の数学者たちの結果を拡張することに繋がった。この不可分の方法は[[幾何学|幾何学的]]な図形を{{仮リンク|余次元|en|codimension}} [[1]] の量に分解することと関係がある。[[ジョン・ウォリス]]の無限小は不可分とは異なり、図形をもとの図形と同じ次元の無限に細い構成要素に分解するものとして、積分法の一般手法の下地を作り上げた。面積の計算においてウォリスは無限小を "{{math|{{fraction|1|∞}}}}" と書いている。

[[ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ|ライプニッツ]]による無限小の利用は、{{仮リンク|連続の法則|en|law of continuity}}「[[有限]]な数に対して成り立つものは無限な数に対しても成り立ち、逆もまた然り」<ref group="*">有限/無限というのは個数に関して言うのではない（有限個/無限個ではない）ことに注意。ここでいう「有限」とは無限大でも無限小でもないという意味である。</ref>や{{仮リンク|同質性の超限法則|en|transcendental law of homogeneity}}（割り当て不能な量を含む式に対して、それを割り当て可能な量のみからなる式で置き換える具体的な指針）というような、経験則的な原理に基づくものであった。[[18世紀]]には[[レオンハルト・オイラー]]や[[ジョゼフ＝ルイ・ラグランジュ]]らの数学者たちによって無限小は日常的に使用されていた。[[オーギュスタン＝ルイ・コーシー]]は自身の著書 『[[解析教程 (コーシーの著書)|解析教程]]』で、無限小を「[[連続量]]」(continuity) とも[[ディラックのデルタ函数|ディラックのデルタ関数]]の前身的なものとも定義した。カントールとデデキントがステヴィンの連続体をより抽象的な対象として定義したのと同様に、{{仮リンク|パウル・デュ・ボア＝レーモン|en|Paul du Bois-Reymond}}は[[関数 (数学)|関数]]の[[微分|増大率]]に基づく「無限小で[[豊饒|豊饒化]]された連続体」(infinitesimal-enriched continuum) に関する一連の論文を著した。デュ・ボア＝レーモンの業績は、[[エミール・ボレル]]と[[トアルフ・スコーレム]]の両者に示唆を与えた。ボレルは無限小の増大率に関するコーシーの仕事とデュ・ボア＝レーモンの仕事を明示的に結び付けた。スコーレムは、1934年に最初の算術の超準モデルを発明した。連続の法則および無限小の数学的に厳密な定式化は、1961年に[[アブラハム・ロビンソン]]によって達成された（ロビンソンは1948年に{{仮リンク|エドウィン・ヒューイット|en|Edwin Hewitt}}が、および1955年に{{仮リンク|イェジー・ウォッシュ|en|Jerzy Łoś}}が成した先駆的研究に基づき[[超準解析]]を展開した）。ロビンソンの[[超実数]] (hyper&shy;reals) は無限小で豊饒化された連続体の厳密な定式化であり、{{仮リンク|移行原理|en|transfer principle}}がライプニッツの連続の法則の厳密な定式化である。また、{{仮リンク|標準部|en|standard part function}}は[[ピエール・ド・フェルマー|フェルマー]]の{{仮リンク|擬等式の方法|en|adequality}} (ad&shy;equality, pseudo&shy;equality) の定式化である。

[[ウラジーミル・アーノルド]]は1990年に以下のように書いている:
{{quotation| Nowadays, when teaching analysis, it is not very popular to talk about infinitesimal quantities. Consequently present-day students are not fully in command of this language. Nevertheless, it is still necessary to have command of it.<ref>Arnolʹd, V. I. Huygens and Barrow, Newton and Hooke. Pioneers in mathematical analysis and catastrophe theory from evolvents to quasicrystals. Translated from the Russian by Eric J. F. Primrose. Birkhäuser Verlag, Basel, 1990. p. 27</ref>（訳: 今日では、解析学の授業において無限小量について述べることはあまり一般的ではない。その結果、当世の学生はこの言葉づかいに全く習熟していない。にも拘らず、未だにそれを扱うことが必要である）}}

== 一階の性質 ==
[[実数]]の[[体系]]に無限大量および無限小量を加えた拡張を考えるとき、典型的には[[実数]]の持つ「基本」性質をできうる限り保存するものであって欲しいはずである。そうすれば、実数に関してよく知られた膨大な結果が、拡張した体系においてもそのまま使える保証が得られるからである。典型的には「基本」というのを、「[[元 (数学)|元]]に関する[[量化]]だけを行い、集合に対する量化は行わない」[[命題]]という意味にとる。この制限のもとで「[[任意]]の数 {{mvar|x}} について&mdash;」という主張は許容されるから、例えば、加法単位律「任意の数 {{mvar|x}} に対して {{math|''x'' + 0 {{=}} ''x''}} が成り立つ」という主張は有効な文である。これは複数の数を量化するのでもよいから、例えば「任意の二数 {{mvar|x, y}} について {{math|''xy'' {{=}}''yx''}} が成り立つ」も有効である。しかし「数からなる任意の[[集合]] {{mvar|S}} に対して&mdash;」という主張は拡張した体系に引き写すことはできない。このような量化に関する制限を伴う論理を[[一階述語論理|一階論理]]と呼ぶ。

無限小を含むように拡張した数体系は、集合に関する量化によって表される性質の全てにおいて実数と同じ結果を示すものであってはならない。目的の体系は非アルキメデス的であるが、[[アルキメデス性|アルキメデスの公理]]は集合に関する[[量化]]によって表されるからである。実数や点集合に関する任意の理論に無限小を加えた保存的拡大を得る一つの方法は、単に「無限小は 1/2 より小さい」「無限小は 1/3 より小さい」…(以下同様) といった主張からなる可算無限個の[[公理]]を付け加えることである。同様に、[[実数の連続性|完備性]]も目的の体系では期待できない。実数体は同型を除いて一意な完備[[順序体]]だからである。

実数の一階の性質と両立する性質を持つような非[[アルキメデスの性質|アルキメデス]]的数体系について、次の三つのレベルを区別することができる：
# [[順序体]]は[[一階述語論理|一階論理]]で述べられる実数体系の全ての通常の公理に従う。例えば[[交換法則|可換律]] <math display="inline">x+y=y+x</math> が成り立つ。一方、全ての性質を共有するわけではない。例えば、非零数の[[平方]]の和は非零であること（実体の公理）は言えるが、奇数次[[多項式]]が必ず根を持つことは言えない。
# [[実閉体]]は、通常公理として取られるかどうかに関わらず、順序体の基本的関係 {{math|+, ×, &le;}} を含むような主張について、実数体系の持つ全ての一階の性質を持つ。（これは実閉体の一階理論 RCF が[[不完全性定理|完全]]であるという事実に負う。）これは順序体の公理をすべて満足するという主張よりも強い条件である。よりはっきりいえば、「任意の奇数次多項式が根を持つ」というような一階の性質が追加で含まれる。この体系においては、例えば任意の数が[[立方根]]を持たねばならない。
# この体系では、いかなる関係（それらの関係が [[＋]]、[[×]]、[[≦]] で表される必要はない）を含む主張についても、実数体系の持つ全ての一階の性質を持つ。例えば、[[無限大]]の入力に対しても[[well-defined|矛盾なく定まる]]ような[[正弦函数|正弦関数]]があるのでなければならない。同じことはどんな実関数に対しても言える。<!-- 訳注：これは実数上の全ての（集合論的）関数・関係に対応する関数記号・述語記号を含む言語を考え、実数体系をその言語のモデルと見做したときに、実数体系の初等的拡大になっている、ということを述べている。 -->

上記の分類 1 に属する体系（これらレベルのうち弱い側の場合）は構成することは比較的容易だが、[[アイザック・ニュートン|ニュートン]]やライプニッツの精神に則って無限小を用いる[[古典的]]な[[解析学]]を完全に展開することはできない。例えば、[[超越函数|超越関数]]は無限大の[[極限]]過程の言葉で以て定義されるので、これは典型的には一階論理の中で定義できない。分類 2 や 3 に当てはまれば、解析的な色彩は濃くなるが、その扱いの構成的な性格が損なわれていく傾向があり、無限大や無限小の成す階層構造について何か具体的なことを言いづらくなってしまう。

== 無限小を含む数体系 ==
=== 形式級数体 ===
==== ローラン級数体 ====
前述の分類 1 の例として、有限個の負冪の項を持つ[[ローラン級数]]の体がある。例えば、定数項 {{math|1}} のみを持つローラン級数は実数の {{math|[[1]]}} と同一視される。また、一次項 {{mvar|x}} のみからなる級数をもっとも単純な無限小と看做して、それをもとに他の無限小が構成される。これに辞書式順序を入れることは、{{mvar|x}} のより高次の冪はより低次の冪と比べて「[[無視できる]]」(negligible) と考えることに等価である。{{仮リンク|デイヴィッド・トール|en|David O. Tall}}はこの数体系を the super&shy;reals と呼んだ<ref>{{cite web|url=http://www.jonhoyle.com/MAAseaway/Infinitesimals.html |title=Infinitesimals in Modern Mathematics |publisher=Jonhoyle.com |date= |accessdate=2011-03-11}}</ref><ref name="super" group="*">Tall の super&shy;real number と Dales & Woodin の super-real field を混同してはならない</ref>。テイラー級数にローラン級数を代入したものはやはりローラン級数だから、この体系は超越関数の計算にそれが[[解析的]]である限りにおいて用いることができる。この体系における無限小の全体は実数とは異なる一階の性質を持つ。例えば基本の無限小 {{mvar|x}} はこの体系において[[平方根]]を持たない。

==== レヴィ-チヴィタ体 ====
[[レヴィ-チヴィタ体]]はローラン級数体とよく似た体系だが、[[代数閉体]]を成す。例えば基本無限小 {{mvar|x}} が平方根を持つ。この体は極めて大規模な解析学を展開可能とするに十分豊かな体系だが、実数が[[浮動小数点数]]として表現できるというのと同じ意味で計算機に載せることができる<ref>Khodr Shamseddine, "Analysis on the Levi-Civia Field: A Brief Overview," http://www.uwec.edu/surepam/media/RS-Overview.pdf</ref>。

==== 超越級数体 ====
{{仮リンク|超越級数|en|transseries}}体はレヴィ-チヴィタ体よりも大きい<ref>G. A. Edgar, "Transseries for Beginners," http://www.math.ohio-state.edu/~edgar/preprints/trans_begin/</ref>。超越級数の例として:
: <math>e^\sqrt{\ln\ln x}+\ln\ln x+\sum_{j=0}^\infty e^x x^{-j}</math>
が挙げられる。ただし、この体における順序では {{mvar|x}} は「[[∞|無限大]]」と解釈されるようにする。

=== 超現実数体 ===
[[ジョン・ホートン・コンウェイ|コンウェイ]]の[[超現実数]]<ref>{{cite book |和書| first= D.E. | last=Knuth | translator=  好田順治 | title= 超現実数 &mdash;数学小説 | publisher= 海鳴社 | year= 1978}}または再訳本{{cite book |和書| title=至福の超現実数 | translator= 松浦俊輔 | publisher= 柏書房 | year= 2004}}</ref><ref group="*">「超現実数」という訳語は、[[シュールレアリスム|超現実主義 (sur&shy;real&shy;ism)]] のように、数学の分野外では sur&shy;real が「超現実」と訳されることがあることによるものであろうが、字義的に言えば「超-現実数」と区切られる（そして「現実数」=「実数」）。故に、その複素版 sur&shy;complex number の訳語として「超現複素数」が使われているのは、（通常の数学の語法では、実数上の構造に対して実数を複素数に取り換えて得られる構造は、名称においても「実→複素」と置き換えるのが普通なので、造語としてはある意味自然と言えなくもないが）字義的に見ればあまり適当とも言い難い。</ref> (sur&shy;real number)<ref group="*" name="prefix">sur&shy;real, hyper&shy;real, super&shy;real, … は「実数」を意味する real(s) に「[[超]]-」を意味する接頭辞 sur-, hyper-, super-, … を付けたものであるから、直訳すれば何れも「超実数」となるべき語だが、通常は超実数と言えばロビンソンの hyper&shy;reals を指す。これら「超」実数の指し示す数学的構造は論理的にまったく異なるものであって、訳語選択の問題は非常に紛らわしいが、超現実数 (sur&shy;real) および超実数 (hyper&shy;real) は既に定訳と考えてよいであろう。</ref>は前述の分類 2 に当たる。この体系は数の大きさの違いに関して可能な限り豊かであるように意図されているが、解析学を行うのに必ずしも適してはいない。[[対数|対数関数]]や[[指数関数]]など特定の超越関数は超現実数の上でも定義することができるが、ほとんどの関数（例えば[[正弦関数]]）は持ち込むことができない。個別に取った任意の超現実数の存在は、それが実数と直接的に対応するものであってさえも、[[アプリオリ]]には知ることができず、証明しなければならない。

=== 超実数体 ===
{{Main|超実数}}
無限小を扱う上でもっとも広く知られたやり方は、[[アブラハム・ロビンソン]]が1960年代に開発した[[超実数]] (hyper&shy;real number)<ref group="*" name="prefix" />であろう。超実数は前掲の分類 3 に該当し、実数に基づく古典的な解析学の全てをその上で展開できるよう意図して作られた。この「任意の関係を自然な方法でこの体系に引き写すことができる」という性質は{{仮リンク|移行原理|en|transfer principle}}と呼ばれ、1955年に{{仮リンク|イェジー・ウォシュ|en|Jerzy Łoś}}が証明した。例えば、[[超越関数]]である[[三角関数|正弦関数]] {{math|sin}} は超実数変数超実数値の自然な対応物 {{math|*sin}} を持つし、同様に自然数全体の成す集合 {{math|'''N'''}} も自然な対応物として、有限整数に加えて無限整数も含む {{math|*'''N'''}} を持つ。そして、"{{math|∀''n'' &isin; '''N''', sin(''n''{{π}}) {{=}} 0}}" のような命題は、超実数に関する命題 "{{math|∀''n'' &isin; *'''N''', *sin(''n''{{π}}) {{=}} 0}}" に引き写される。

=== 準超実数体 ===
{{harvtxt|Dales|Woodin|1996}} の[[準超実数]]<ref group="*" name="prefix" />の体系は超実数体の[[一般化]]である<ref>{{citation | first1=Harold G. | last1= Dales | first2= W. Hugh | last2= Woodin | title= Super-real Fields: Totally Ordered Fields with Additional Structure | publisher= Clarendon Press | year= 1996}}</ref><ref name="super" group="*"/>。

=== 二重数環 ===
{{Main|二重数}}
[[線型代数学]]において[[二重数]]は一つの「無限小」を添加して得られる実数体の拡大環であって、添加する新たな元 {{mvar|ε}} は[[冪零|複零]]、すなわち {{math|''ε''{{exp|2}} {{=}} 0}} を満たす。任意の二元数は、実数 {{mvar|a, b}} を用いて {{math|''z'' {{=}} ''a'' + ''bε''}} と一意的に表される。

二重数の一つの応用が[[自動微分]]である。これは {{mvar|n}}-次元線型空間の[[外積代数]]を用いれば、{{mvar|n}}-変数多項式に対するものへ一般化することができる。

=== 滑らかな無限小解析 ===
{{Main|滑らかな無限小解析}}
{{仮リンク|綜合微分幾何学|en|Synthetic differential geometry}}あるいは[[滑らかな無限小解析]]は[[圏論]]に起源を持つ。このやり方では、従来の数学において古典論理が用いられることから外れて、[[排中律]] (l.e.m) の一般適用を排除する（つまり、"{{math|&not;(''a'' &ne; ''b'')}}" が "{{math|''a'' {{=}} ''b''}}" を意味しない）。それにより、複零 (''nilsquare'') あるいは[[冪零]]無限小が定義可能になる（つまり、{{math|''x''{{exp|2}} {{=}} 0}} および {{math|''x'' &ne; 0}} が同時に成立する数 {{mvar|x}} が'''存在しないことはない'''）。背景となる論理が[[直観主義論理]]であるため、このような数体系に前掲の分類 1, 2, 3 をどう当てはめることができるかは直ちには明らかでない（まずはこの分類の直観主義論理版を知らねばならない）。

== 注釈 ==
{{reflist|group="*"}}
== 参考文献 ==
{{reflist}}

{{無限小}}
{{DEFAULTSORT:むけんしよう}}
[[Category:無限]]
[[Category:解析学]]
[[Category:超準解析]]
[[Category:数学に関する記事]]