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{{Infobox Polygon | name = 正無限角形 | image = regular apeirogon.svg | edges = ∞ | schläfli = {∞} | coxeter = {{CDD|node_1|infin|node}} | angle = 180° | dual = 自己双対 }} '''無限角形''' (むげんかくけい、むげんかっけい、infinite polygon、apeirogon) は、「無限個の[[辺]]と[[頂点]]を持つ[[多角形]]」とされる[[図形]]である。[[円の面積]]を多角形による近似で求める方法などから、正多角形の無限への[[極限]]を[[円 (数学)|円]]と類推されることもある<ref group="注">[https://miraino-manabi.mext.go.jp/sites/default/files/%E7%A6%8F%E4%BA%95%E7%9C%8C%E8%B6%8A%E5%89%8D%E5%B8%82%E6%AD%A6%E7%94%9F%E8%A5%BF%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%EF%BC%88%E6%AD%A3%E5%A4%9A%E8%A7%92%E5%BD%A2%E3%82%92%E3%80%81%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8B%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86%EF%BC%89_1.pdf]などに見られる</ref>が、[[幾何学]]においては、[[無限遠点|無限遠]]まで等間隔に並んだ無限個の頂点とそれらを結ぶ無限個の[[線分]]といった描像を持つことが多い。 以下においてもapeirogonの訳語としての無限角形について記すが、[[深谷賢治]]『双曲幾何』では理想境界 (ideal boundary) 上の頂点を1つ以上持っている図形 ([[:en:Ideal_polyhedron|ideal polyhedron]]) を無限多角形と呼んでいる。<ref>{{Harvnb|深谷|2004|p=110}}</ref> == 定義 == === 初等的定義 === 正多角形は平面上の[[等長写像|合同変換]]に関連付けることができる。原点でない適当な点 {{Math|'''A'''<sub>0</sub>}} に対して、原点を中心とした <math display="inline">\tfrac{360}{p}</math> [[度 (角度)|度]]の回転 ({{Mvar|p}} は3以上の整数とする) を繰り返したとき、{{Math|'''A'''<sub>0</sub>}} の[[像 (数学)|像]]は離散的な {{Mvar|p}} 個の点の集まり {{Math|'''A'''<sub>0</sub>, '''A'''<sub>1</sub>, ..., '''A'''<sub>''p''-1</sub>}} となって、さらにそれらの点は正{{Mvar|p}}角形の頂点をなすように存在している。従って、平面上の回転変換、特に [[回転対称|{{Mvar|p}} 回対称]]の回転はそれぞれの正多角形に対応付けられることがわかる。 平面上の合同変換と図形を関連付けるこの考え方は、自然に正多角形の一般化を与える。平面の半回転、[[鏡映]]あるいは[[反転幾何学|反転]](いずれも2回対称である)は[[二角形]]と関連付けられる。また、<math display="inline">(360\times\tfrac{m}{n})</math>度の回転は[[星型多角形|星形]]と関連付けられる。これらの例と同様に、平面上の[[平行移動|並進]]、すなわち平面全体の平行移動に関連付けられる図形が無限角形である。<ref>{{Cite book|和書 |title=正多胞体 |date=2022-07-25 |publisher=丸善出版 |page=47 |author=H.S.M.コクセター |author-link=ハロルド・スコット・マクドナルド・コクセター |ref={{Harvid|Coxeter|2022}} |series=数学クラシックス |translator=一松信 監訳、岡田 好一、日野 雅之、宮崎 興二 |ASIN=B0B874ZZNY |isbn=9784621307267}}</ref> 平面全体の平行移動に対して、平面上の適当な点 {{Math|'''A'''<sub>0</sub>}} の像は、一直線上に並んだ等間隔な点の並びとなって現れる<ref group="注">先の例と同様、ある平行移動を1つ固定し、その反復または逆操作の反復による像を考えているため、点 {{Math|'''A'''<sub>0</sub>}} の像は離散的かつ等間隔に並ぶこととなる。</ref>。[[ハロルド・スコット・マクドナルド・コクセター|コクセター]]の定義によるこの図形を特に'''正無限角形'''(apeirogon)という。<ref group="注">日本語版『正多胞体』ではapeirogonを「正無限角形」と訳している {{Harv|Coxeter|2022}}。</ref> === 双曲幾何 === <div>[[ファイル:Order-3 apeirogonal tiling one cell horocycle.png|サムネイル|ホロサイクルに内接する無限角形]]</div> ユークリッド平面においては3種類しか存在しなかった正多角形の単一な[[タイル張り]]は、双曲平面においては無数に存在する (具体的に、任意の整数 {{Math|''p'' ≧ 3}} に対して、双曲正{{Mvar|p}}角形のみで張られるタイル張りが少なくとも1つ存在する<ref>{{Harvnb|深谷|2004|p=133|loc=定理 4.34}}</ref>)。その極限的なケースとして、[[シュレーフリ記号]] {{Math|{{(}}∞, ''q''{{)}}}} で表されるタイリング({{Mvar|q}} は各頂点に集まる図形あるいは辺の数を表す)が考えられる。このときそれぞれの図形は双曲平面の{{日本語版にない記事リンク|ホロサイクル|en|horocycle}}に内接した無限個の頂点と辺を持つ図形であり、すなわち無限角形 (apeirogon) である<ref>{{Cite book|洋書 |edition=Unabridged republication |title=The beauty of geometry: twelve essays |publisher=Dover publ |date=1999 |location=Mineola (N.Y.) |isbn=978-0-486-40919-1 |first=Harold Scott Macdonald |last=Coxeter |page=201 |author-link=ハロルド・スコット・マクドナルド・コクセター |lccn=99035678}}</ref>。 == 脚注 == === 注釈 === <references group="注" /> === 出典 === <references /> # {{Cite book|和書 |title=双曲幾何 |date=2004-09-07 |publisher=岩波書店 |last=深谷 |first=賢治 |author-link=深谷賢治 |isbn=9784000068826 |ref={{Harvid|深谷|2004}}}} == 関連項目 == * {{仮リンク|無限角形 (小説)|en|Apeirogon (novel)|label=}} … コラム・マッキャン{{Enlink|Colum McCann}}による小説。邦題『無限角形 1001の砂漠の断章』 {{ウィキポータルリンク|数学}} {{多角形}} {{DEFAULTSORT:むけんかくけい}} [[Category:多角形]] [[Category:数学に関する記事]] {{Geometry-stub}}
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