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{{Expand English|Thermal_radiation|date=2018年9月17日 (月) 09:20 (UTC)}} [[ファイル:Livermore Centennial Light Bulb.jpg|サムネイル|[[白熱電球]]は、熱放射を応用した照明器具である。]] '''熱放射'''(ねつほうしゃ、{{lang-en-short|thermal radiation}})とは、[[気体]]、[[液体]]または[[固体]]を構成する[[原子]]や[[分子]]から、[[温度]]に依存する[[電磁波]]が放出されていることをいう<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=熱放射 {{!}} ウシオ電機|url=https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_na/thermal_radiation.html|website=ウシオ電機株式会社 ホームページ|accessdate=2020-09-04|language=ja}}</ref>。熱放射の源は、[[熱運動]]である<ref name=":0" />。放射特性は物質の種類と[[温度]]で決まり<ref>{{Cite Kotobank |word=熱放射 |encyclopedia=[[デジタル大辞泉]] |accessdate=2020-09-03}}</ref>、[[振動数]]の次元において広い連続[[スペクトル]]をもつ<ref name="日本大百科全書">{{Cite Kotobank |word=熱放射 |encyclopedia=[[日本大百科全書]] |accessdate=2020-09-01}}</ref>。熱放射は、[[伝熱]]の一種である。'''熱輻射'''(ねつふくしゃ)、'''温度放射'''、'''温度輻射'''ともいう<ref>{{Cite Kotobank |word=熱放射 |encyclopedia=[[マイペディア]] |accessdate=2020-09-01}}</ref>。[[室温]]における熱放射の主成分は、[[赤外線]]である<ref name="日本大百科全書" />。 == 理論 == 熱放射の基礎理論は'''[[プランクの法則]]'''である。[[白熱電球]]は、電流が少ない場合は弱く赤っぽい光を出すが、電流が多くなると強く白っぽい光を出す。その理由はプランクの法則で説明できる。プランクの法則は、[[黒体]]という仮想的な物体について、熱放射のスペクトルと温度の関係を説明している。[[黒体]]が発する熱放射を[[黒体放射]]という。同じ温度での実際の物体の熱放射は黒体放射よりも弱いが<ref name="化学辞典">{{Cite Kotobank |word=熱放射 |encyclopedia=化学辞典 第2版 |accessdate=2020-09-01}}</ref>、基本的な性質は同じである<ref name=日本大百科全書/>。実際の物体が出す熱放射と黒体放射の比を'''射出率'''または'''[[放射率]]'''εという。 === 派生的な法則 === 以下の法則は、全てプランクの法則から導出される。 ; [[ウィーンの変位則]] : 黒体放射において[[エネルギー密度]]が最大の波長と[[熱力学温度]]が[[反比例]]することを示す法則。つまり温度が高いほど波長の短い電磁波を多量に出す<ref name=日本大百科全書/>。プランクの法則で説明されるスペクトル曲線の最大値を数学的に求めることで導出される。この法則により、ピーク波長から温度を求める事が非接触でできる。 : 室温では主に赤外線を放射し、[[木炭|炭火]]や[[ストーブ]]などは赤外線に加えて赤い可視光を放射し、白熱電球は更に白っぽく発光し、[[太陽]]は[[紫外線]]も放射している。 ; [[シュテファン=ボルツマンの法則]] : 黒体放射の全ての振動数にわたる[[エネルギー]]の総量が熱力学温度の4乗に[[比例]]することを示す法則。プランクの法則で説明されるスペクトル曲線を[[積分]]することで導出される。 ; [[レイリー・ジーンズの法則]] : 黒体放射のピークに対応する波長よりもはるかに長い波長において、単位波長あたりの放射量が熱力学温度に(近似的に)比例するという法則。プランクの法則の近似として導出される。 == 放射伝熱 == {{関連記事|伝熱#熱放射}} '''輻射伝熱'''ともいう<ref>{{Cite Kotobank |word=放射伝熱 |encyclopedia=[[ブリタニカ国際大百科事典]] 小項目事典 |accessdate=2020-09-01}}</ref>。物体は外から当たった電磁波を[[反射 (物理学)|反射]]・[[透過]]・[[吸光|吸収]]し、外へ向かって電磁波を放出する<ref name=日本大百科全書/>。全ての物体が電磁波を出し、それを相互に吸収することによって、差し引きでエネルギーが移動する。物体同士が離れていても、また、熱を媒介する物質がない[[真空]]でも熱が伝わる<ref name="日本大百科全書" /><ref name=化学辞典/>。[[気温]]が同じでも[[日向]]と[[日陰]]で[[体感温度]]が異なるのは、輻射伝熱によるものである。 === 面の間で運ばれる熱量 === [[熱力学温度]]''T''<sub>s</sub> 、表面積''A''<sub>2</sub> で放射率ε<sub>2</sub> の物体が、周囲の壁面(表面積''A''<sub>1</sub> 、放射率ε<sub>1</sub> 、熱力学温度''T''<sub>a</sub>)に熱放射によって単位時間に放出する[[熱量]]''P'' は下の式になる。 :<math>P=\frac{\sigma}{\frac{1}{\varepsilon_2}+\frac{A_2}{A_1}(1/\varepsilon_1-1)}A_2(T_s^4-T_a^4)</math> ::σ:[[シュテファン=ボルツマン定数]] ''A''<sub>2</sub> << ''A''<sub>1</sub> の時、すなわち遠くへ熱が広がっていく場合は :<math>P=\sigma\varepsilon_2 A_2(T_s^4-T_a^4)</math> となる。熱放射される熱量は、シュテファン=ボルツマン定数が小さい値なので{{要検証|date=2013年5月17日 (金) 02:01 (UTC)}}、温度が低い時は小さいが、熱力学温度の4乗に比例するので、高温伝熱では[[熱伝導]]、[[対流]]以上に重要<ref name=化学辞典/>である。 壁面がより一般的な位置関係をとる場合は、[[形態係数]]''F''<sub>1→2</sub> を用いて次のように表される。 :<math>P=F_{1\rightarrow2}\sigma\varepsilon_2 A_2(T_s^4-T_a^4)</math> == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} <references /> == 関連項目 == *{{仮リンク|佐久間-服部方程式|en|Sakuma-Hattori equation}} *[[キルヒホッフの法則 (放射エネルギー)]] *[[色温度]] *[[放射温度計]]<!--工学・工業的利用のセクションが欲しいですね--> *[[宇宙マイクロ波背景放射]] *[[熱力学]] *[[量子物理学]] **[[光量子]] {{Physics-stub}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ねつほうしや}} [[Category:熱放射|*]] [[Category:熱力学]] [[Category:電磁波]] [[Category:伝熱]] [[Category:量子力学]] [[Category:物理化学の現象]]
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