熱浸透率のソースを表示

{{出典の明記|date=2012年9月26日 (水) 03:52 (UTC)}}
{{物理量| M = 1| T = -5/2| Θ = -1| SI = J/(m{{sup|2}} s{{sup|1/2}} K)}}
'''熱浸透率'''（ねつしんとうりつ、{{lang-en-short|Thermal effusivity}}）とは、互いに温度が異なる物質が接しているときの[[伝熱]]を計算するときに使われる[[物性値]]である。単位は[[SI単位]]では J/(m{{sup|2}} s{{sup|1/2}} K) である。たとえ[[熱伝導率]]及び体積熱容量が異なっていても、2つの物質の熱浸透率が等しいときは、熱の[[拡散]]は[[境界#物理|境界]]面が存在しないのと同様に振る舞う。これは、[[電気信号]]の伝播における[[インピーダンスマッチング]]（反射が起こらない）の現象と同じである。

使用例としては、[[熱可塑性樹脂|樹脂成形]]において、高温の樹脂が冷却された型で成形されるときの型の表面温度を推定する時などに使われる。

== 定義 ==
熱浸透率''b'' は以下のように求める：
:<math>b = \sqrt{k\rho C}</math>
ここで、
:''k'' ：[[熱伝導率]]（W m<sup>-1</sup>K<sup>-1</sup>）
:&rho;：[[密度]]（kg m<sup>-3</sup>）
:''C'' ：[[比熱容量]]（J kg<sup>-1</sup>K<sup>-1</sup>）
である。

== 例 ==
温度が異なる2つの物体が[[熱接触]]しているとき、接触面の温度''T''{{sub|m}} は次式で与えられる：
: <math>T_\mathrm{m} = T_1 + (T_2-T_1)\frac{b_2}{b_2+b_1}</math> 
ここで、''T''{{sub|1}} , ''T''{{sub|2}} はそれぞれの物体の温度、''b''{{sub|1}} , ''b''{{sub|2}} はそれぞれの物体の熱浸透率である。あるいは、温度を初期温度差''T''{{sub|2}} - ''T''{{sub|1}} で[[無次元化]]し、
:<math>\Delta\theta_1 = \frac{T_\mathrm{m}-T_1}{T_2-T_1},\quad\Delta\theta_2 = \frac{T_2-T_\mathrm{m}}{T_2-T_1}</math>
とすると、
:<math>\frac{\Delta\theta_1}{\Delta\theta_2} = \frac{b_2}{b_1}</math>
が成り立つ<ref>{{Cite|author= 岡垣理|year= 1960|title= 平板法による熱浸透率の測定について|url= https://hdl.handle.net/2115/40662}}</ref>。

もし2つの物体の熱浸透率が等しい（''b''{{sub|1}} = ''b''{{sub|2}}）ならば、''T''{{sub|m}} = (''T''{{sub|1}} + ''T''{{sub|2}} ) / 2 となり、境界面が存在しない場合と同じ温度分布となる。

== 脚注 ==
<references />
== 関連項目 ==
* [[熱拡散率]] - 特定の分野で熱浸透率のことを熱拡散率と呼ぶこともある{{要出典|date=2012年9月26日 (水) 03:52 (UTC)}}が、この呼び方は誤解を避けるために使用しないことが望ましい。
* [[熱容量]]

{{デフォルトソート:ねつしんとうりつ}}
[[category:熱]]
[[Category:熱伝導]]