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[[宇宙論]]における[[完全流体]]の'''状態方程式'''(じょうたいほうていしき)は、エネルギー密度 <math>\! \rho</math> に対する圧力 <math>\! p</math> の比に等しい[[無次元数]] <math>\! w</math> で特徴づけられ、次式で与えられる。 :<math>\! w=p/\rho</math> これは、[[熱力学]]的な[[状態方程式]]と[[理想気体]]の法則とも緊密に関係する。 == 概要 == === 方程式 === {{仮リンク|完全気体|en|perfect gas}}の状態方程式は以下のように書くことができる。 :<math>\! p = \rho_m RT = \rho_m C^2</math> ここで、<math>\! \rho_m</math> は物質の密度、<math>\! R</math> は特殊気体定数、<math>\! T</math> は温度、<math>\! C=\sqrt{RT}</math> は特徴的な分子の{{仮リンク|熱力学的速度|en|Thermal velocity}}である。”冷たい”気体に対しては <math>\! c</math> を光速として、<math>\! C<<c</math> となるので、 :<math>w = \frac{p}{\rho} = \frac{\rho_mC^2}{\rho_mc^2} = \frac{C^2}{c^2}\approx 0</math> すなわち、 <math>\! \rho = \rho_mc^2</math> となる。 === FLRW 方程式 と状態方程式 === 状態方程式を、完全流体で満たされた等方的な宇宙の進化を説明する[[フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量]]に適用する。<math>\! a</math> が[[膨張因子]]である場合は、 :<math>\rho\propto a^{-3(1+w)}.</math> を満たす。流体が[[平坦性問題|平坦な宇宙]]で支配的な物質である場合は、 :<math>a\propto t^{\frac{2}{3(1+w)}},</math> である。ここで、<math>\! t</math> は[[固有時]]である。 一般に、加速のフリードマン方程式は、 :<math>3\frac{\ddot{a}}{a} = \Lambda - 4 \pi G (\rho + 3p)</math> ここで、<math>\! \Lambda</math> は[[宇宙定数]]、<math>\! G</math> は[[万有引力定数]]、および<math>\ddot{a}</math> は[[膨張因子]]の固有時による2階微分である。 (有効といえるような)エネルギー密度と圧力を定義すると、 :<math>\rho^\prime \equiv \rho + \frac{\Lambda}{8 \pi G}</math> :<math>p^\prime \equiv p - \frac{\Lambda}{8 \pi G}</math> また、 :<math> p^\prime = w^\prime\rho^\prime</math> と置けば、加速を表す方程式は、 :<math>\frac{\ddot a}{a}=-\frac{4}{3}\pi G\left(\rho^\prime + 3p^\prime\right) = -\frac{4}{3}\pi G(1+3w^\prime)\rho^\prime</math> のように書くことができる。 == 応用 == === 非相対論的な物質 === 冷たい宇宙の塵のような非相対論的な通常の物質の状態方程式は、<math>\! w=0</math> で表される。これは <math>\! V</math> を体積として <math>\rho\propto a^{-3}=V^{-1}</math> のように希釈されることを意味する。このことは、非相対論的な通常の物質が膨張する体積によりエネルギー密度が[[赤方偏移]]することを示す。 === 超相対論的な物質 === [[宇宙背景放射]]や非常に初期の宇宙での物質のような超相対論的な物質では、<math>\! w=1/3</math> となり、これは <math>\rho\propto a^{-4}</math> のように希釈される。すなわち、膨張する宇宙において、エネルギー密度は体積の膨張よりも速やかに減少する。このことは、宇宙背景放射が運動量を持ち、[[ド・ブロイの仮説]]による赤方偏移した波長をもつことによる。 === 宇宙の膨張の加速 === [[宇宙のインフレーション|宇宙の膨張]]と[[宇宙の加速|加速膨張宇宙]]は[[ダークエネルギー]]についての状態方程式により表すことができる。最も単純なのは、[[宇宙定数]]の状態方程式で <math>\! w = -1</math> の場合である。この場合、[[スケール因子 (宇宙論)|スケール因子]]に対する上記の式は有効でなく、<math>a\propto e^{Ht}</math> となる。ここで、<math>H</math> はハッブル定数である。もっと一般的には、<math>\! w<-1/3</math> のどのような状態方程式でも宇宙の膨張は加速している。実際に宇宙の加速が観測されている<ref>Hogan, Jenny. "Welcome to the Dark Side." Nature 448.7151 (2007): 240-245. https://www.nature.com/articles/448240a</ref>。観測によれば、宇宙定数の状態方程式の値は、 -1 に近い。 仮想上の[[ファントムエネルギー]]は <math>\! w<-1</math> の状態方程式を持つと考えられ、これは[[ビッグリップ]]を引き起こす要因となる。しかし現在知られているデータをもってしても、<math>\! w<-1 </math> を持つファントムと、<math>\! w\ge-1 </math> を持つ非ファントムとを区別することはまだ不可能である。 === 流体 === 膨張する宇宙では、より大きな値の状態方程式の流体は、より小さい状態方程式のそれよりもすみやかに消失する。これは[[平坦性問題|平坦な宇宙]]と[[ビッグバン]]の[[モノポール]]の問題に帰結する。すなわち[[曲率]]は <math>\! w=-1/3</math> を、モノポールは <math>\! w=0</math> を持つ。そして、それらがビッグバン初期の時点で存在したならば、それらは現在も観測されるはずだが、これは現在未解決である。これらの問題は <math>\! w\approx -1</math> を持つ[[宇宙のインフレーション|インフレーション宇宙論]]により解決される。ダークエネルギーの状態方程式を計測することは[[観測的宇宙論]]の最大の仕事の1つである。<math>\! w</math> を正確に測定することで、宇宙定数が <math>\! w\ne -1</math> を持つ[[クインテッセンス (宇宙論)|クインテッセンス]]と区別できるようになると期待されている。 === スカラー・モデリング === 一種の完全流体の状態方程式を[[スカラー場]] <math>\! \phi</math> と見なし、 :<math>{w=\frac{\frac{1}{2}\dot{\phi}^2-V(\phi)}{\frac{1}{2}\dot{\phi}^2+V(\phi)},}</math> ここで、<math>\! \dot{\phi}</math> は スカラー場の時間微分であり、<math>\! V(\phi)</math> はポテンシャルエネルギーである。自由な <math>\! (V=0)</math> スカラー領域は <math>\! w=1</math>、運動エネルギーが消失したものは宇宙定数に相当し、すなわち <math>\! w=-1</math> である。その間の状態方程式は、いずれも''Phantom Divide Line'' (PDL) <ref>A. Vikman,``Can dark energy evolve to the phantom?,'' Phys. Rev. D '''71''', 023515 (2005), http://www.slac.stanford.edu/spires/find/hep/www?rawcmd=bb+astro-ph%2F0407107&FORMAT=WWW&SEQUENCE=</ref>として知られる <math>\! w=-1</math> の障壁をまたがらないようにすることができ、宇宙論の多くの現象について有用なスカラー場モデルになっている。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} <references/> {{DEFAULTSORT:しようたいほうていしき}} [[Category:宇宙論]] [[Category:物理学の方程式]] [[Category:天文学に関する記事]]
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