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{{出典の明記|date=2011年6月}} ある物質の'''生成熱'''(せいせいねつ)とは、安定な単体の生成熱をゼロ基準として、その物質を構成する単体から1 molの化合物を合成する反応の伴う[[反応熱]]の負の値(正負逆の値)である。一般的には定圧下の生成熱として生成[[エンタルピー]]変化Δ''H''<sub>f</sub>で記される。 [[標準状態]](298.15 [[ケルビン|K]], 10<sup>5</sup> [[パスカル (単位)|Pa]])における生成熱を'''標準生成熱'''または'''標準生成エンタルピー'''といい、Δ<sub>f</sub>''H''<sup><s>O</s></sup>と記される。[[気体]]については圧力10<sup>5</sup> Paの仮想的な[[理想気体]]の状態、[[水溶液]]中の[[イオン (化学)|イオン]]については、無限希釈の状態である仮想的な1 mol kg<sup>−1</sup>の[[理想溶液]]の状態とする。なお水溶液中のイオンの生成エンタルピーは[[陽イオン]]および[[陰イオン]]の合計として測定され、単独イオンの測定は不可能であるため、[[水素イオン]]の標準生成エンタルピー変化を基準にとり0とする。 :<chem> {Na(s)} + \frac{1}{2} O_2(g) + \frac{1}{2} H_2(g) <=> NaOH(s)</chem>, <math> \Delta_{\mathrm{f}} H^\circ = -425.609 ~ \mbox{kJ mol}^{-1}</math> :<chem> {Na(s)} <=> Na^+(aq)</chem>, <math> \Delta_{\mathrm{f}} H^\circ = -240.12 ~ \mbox{kJ mol}^{-1}</math> 生成熱などの物質の[[内部エネルギー]]は[[状態量]]なので、生成する経路に依存しない。よって、生成熱は物質がどのような経路で生成されたかには依存せず、物質とその状態([[気体]]であるか[[固体]]であるか、および温度)毎に一つの値をとる。よって、多くの物質の標準生成熱は化学便覧等のハンドブックなどに分子毎に記載され、調べることが出来る。また、化学便覧に記載されていないような複雑な化合物の場合には加成性則や分子軌道から計算で推測することが出来る。 == 参考文献 == * D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, ''J. Phys. Chem''. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982). == 外部リンク == * [http://webbook.nist.gov/chemistry/ NIST Chemistry WebBook(英語)]--多くの物質の標準生成熱を調べる事が出来るデータベース {{DEFAULTSORT:せいせいねつ}} [[Category:物理化学]] [[Category:熱化学]] [[Category:熱力学]] [[de:Enthalpie#Standardbildungsenthalpie]]
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