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{{For|実数値関数の真性特異点|不連続性の分類}} [[File:Essential singularity.png|right|220px|thumb|真性特異点 ''z''=0 を中心とした関数 exp(1/''z'') の図。色調は[[偏角]]を表し、輝度は[[絶対値]]を表す。この図から、異なる方向から真性特異点に近付くと異なる挙動をすることが分かる(一方極の場合は、どの方向から近付いても一様に白である)。]] [[File:Modell des Graphen von 6w=eˆ(1-6z) -Schilling XIV, 6 - 312- (2).jpg|thumb|複素関数 6w=exp(1/(6z)) の真性特異点を表すモデル]] [[数学]]の[[複素解析]]の分野において、ある関数の'''真性特異点'''(しんせいとくいてん、{{Lang-en-short|essential singularity}})とは、その近くで関数が極端な挙動を取るような「悪い」[[特異点]]のことを言う。 真性特異点が分類されるカテゴリーは、「残り物」あるいは「特に取り扱いづらい」特異点の集団である。すなわち定義によると、ある方法で取り扱うことの出来る二つの特異点のカテゴリーである[[可除特異点]]と[[極 (複素解析)|極]]に分類されないものが、真性特異点である。 == 定義 == [[複素平面]] '''C''' のある[[開集合|開部分集合]] ''U'' を考える。''a'' を ''U'' の元とし、<math>f\colon U \setminus \{a\} \to \mathbb{C}</math> を[[正則関数]]とする。点 ''a'' がその関数 ''f'' の真性特異点であるとは、[[可除特異点]]および[[極 (複素解析)|極]]のいずれでもないことを言う。 例えば、関数 ''f''(''z'') = ''e''<sup>1/''z''</sup> に対して ''z'' = 0 は真性特異点である。 == 性質と特徴づけ == ''a'' を複素数とし、''f''(''z'') は ''a'' で定義されないが複素平面内のある領域 ''U'' において[[解析関数|解析的]]であるとする。また、''a'' のすべての[[開集合|開]][[近傍 (位相空間論)|近傍]]と ''U'' の交わりは空でないとする。 :<math>\lim_{z \to a}f(z)</math> および <math>\lim_{z \to a}\frac{1}{f(z)}</math> のいずれも存在するなら、''a'' は ''f'' および 1/''f'' の[[可除特異点]]である。 :<math>\lim_{z \to a}f(z)</math> は存在するが <math>\lim_{z \to a}\frac{1}{f(z)}</math> が存在しないなら、''a'' は ''f'' の[[零点]]であり、1/''f'' の[[極 (複素解析)|極]]である。 :<math>\lim_{z \to a}f(z)</math> は存在しないが <math>\lim_{z \to a}\frac{1}{f(z)}</math> は存在するなら、''a'' は ''f'' の極であり、1/''f'' の零点である。 :<math>\lim_{z \to a}f(z)</math> および <math>\lim_{z \to a}\frac{1}{f(z)}</math> のいずれも存在しないなら、''a'' は ''f'' および 1/''f'' の真性特異点である。 その他の真性特異点の特徴として、その点における ''f'' の[[ローラン級数]]の負の次数の項が無限個存在する(すなわち、そのローラン級数の[[ローラン展開|主要部]]が無限和)というものがある。それに関連する真性特異点の定義として、ある ''a'' に対して、<math>f(z)(z-a)^n</math> がどんな整数 ''n'' > 0 に対しても微分可能でないなら、''a'' は ''f'' (''z'') の真性特異点である、というものがある<ref>{{cite web|last=Weisstein|first=Eric W.|title=Essential Singularity|url=http://mathworld.wolfram.com/EssentialSingularity.html|publisher=MathWorld, Wolfram|accessdate=5 August 2014}}</ref>。 真性特異点の近くでの[[正則関数]]の挙動は、[[カゾラーティ・ワイエルシュトラスの定理]]と[[ピカールの定理|ピカールの大定理]]によって記述される。後者の定理は、''a'' が関数 ''f'' の真性特異点 であれば、''a'' のすべての近傍において、関数 ''f'' は高々 1 点を除いてすべての複素数値を無限回取る、というものである。 == 参考文献 == {{reflist}} {{refbegin}} *Lars V. Ahlfors; ''Complex Analysis'', McGraw-Hill, 1979 *Rajendra Kumar Jain, S. R. K. Iyengar; ''Advanced Engineering Mathematics''. Page 920. Alpha Science International, Limited, 2004. ISBN 1-84265-185-4 {{refend}} == 外部リンク == * '' [http://demonstrations.wolfram.com/AnEssentialSingularity/ An Essential Singularity]'' by [[スティーブン・ウルフラム|Stephen Wolfram]], [[Wolframデモンストレーションプロジェクト|Wolfram Demonstrations Project]]. * [http://planetmath.org/encyclopedia/EssentialSingularity.html Essential Singularity on Planet Math] {{DEFAULTSORT:しんせいとくいてん}} [[Category:複素解析]] [[Category:数学に関する記事]]
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