硫化カルシウムのソースを表示

{{Infobox_無機化合物
|画像=[[Image:Calcium-sulfide-3D-balls.png|120px]]
|IUPAC名=硫化カルシウム
|別名=
|組成式=CaS
|式量=72.14
|形状=白色固体
|結晶構造=立方晶系（[[面心立方格子構造]]）<br />[[格子定数]]：''a'' = 5.6836 &Aring;
|CAS登録番号=20548-54-3
|密度=2.8
|相=固体 (15 ℃)
|水への溶解度=0.015
|温度=10
|融点=2,400
|融点注=
|沸点=
|沸点注=
|出典=
}}

'''硫化カルシウム'''（りゅうかカルシウム、英：Calcium sulfide、[[化学式]]：'''CaS'''）は[[カルシウム]]の[[硫化物]]である。
白色であり、岩塩のように立方体の結晶を作る。
硫化カルシウムは排ガスの脱硫処理で生成する[[石膏]]をリサイクルするプロセスでの生成物として研究されて来た。
他の多くの硫化物イオンを含む塩のように、硫化カルシウムは[[硫化水素]]の臭気を持つ。
これは塩の加水分解により硫化水素が発生することによる。
冷水に[[難溶性]]。

== 生成法 ==
硫化カルシウムは、より一般的なカルシウム化合物である[[硫酸カルシウム]]の[[還元#金属精錬における還元|炭素還元反応]]、つまり、硫酸カルシウムと炭素の混合物を、空気を絶って900℃に熱することにより生成する。
: <chem>CaSO4\ + 2C -> CaS\ + 2CO2</chem>

硫化カルシウムは硫酸カルシウムとさらに以下のとおり反応する<ref>{{Cite web |url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/mukimate2000/14/329/14_329_214/_pdf/-char/ja |title=硫酸カルシウムの還元熱分解による硫化カルシウム生成特性 |access-date=2024/11/06}}</ref>。
: <chem>3CaSO4\ + CaS -> 4 CaO\ + 4 SO2</chem>
この反応は，主に廃石膏をリサイクルして[[酸化カルシウム|生石灰]]を得るために用いられる．

== 反応性 ==
硫化カルシウムは湿気があるとその水分とさまざまな比率で反応し、水硫化カルシウム Ca(SH)2、[[水酸化カルシウム]] <chem>Ca(OH)2</chem>、<chem>Ca(SH)(OH)</chem> の混合物を生成する。
: <chem>CaS\ + H2O -> Ca(SH)(OH)</chem>
: <chem>2 CaS\ + 2 H2O -> Ca(SH)2\ + Ca(OH)2</chem>
: <chem>CaS\ + 2 H2O -> Ca(OH)2\ + H2S</chem>
Ca(SH)(OH)はさらに水と反応して水酸化カルシウムと[[硫化水素]]を生じる。硫化水素は腐った卵のような不快な臭いの原因物質である。
: <chem>Ca(SH)(OH)\ + H2O -> Ca(OH)2\ + H2S</chem>

水酸化カルシウムの[[飽和]]溶液は単体硫黄と反応して[[石灰硫黄合剤]]を生成する。これは[[殺虫剤]]として使われてきた。活性を持つ成分はおそらく硫化カルシウムではなく[[五硫化カルシウム]]である<ref>Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>

== 関連項目 ==
*[[硫化物]]
*[[多硫化カルシウム]]
*[[ルブラン法]]

{{カルシウムの化合物}}
{{DEFAULTSORT:りゆうかかるしうむ}}
[[Category:無機化合物]]
[[Category:カルシウムの化合物]]
[[Category:硫化物]]