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{{Infobox_無機化合物 |画像=[[Image:Aluminium sulfate.jpg|200px|結晶]] |IUPAC名=硫酸アルミニウム |別名=アラム、硫酸ばんど<ref name="JIS K 1423">{{Cite jis|K|1423|name=硫酸アルミニウム(硫酸ばんど)}}</ref>、礬土など |組成式=Al<sub>2</sub>S<sub>3</sub>O<sub>12</sub>, Al<sub>2</sub>(SO<sub>4</sub>)<sub>3</sub> |式量=342.14 |形状=無色結晶 |結晶構造= |CAS登録番号=[10043-01-3] |密度=2.71 |相=固体 |水への溶解度=87 |温度=25 |融点=770 |融点注=(分解) |沸点= |沸点注= |出典=[https://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.display?p_lang=ja&p_card_id=1191&p_version=2 ICSC] }} '''硫酸アルミニウム'''(りゅうさんアルミニウム、Aluminium sulfate)は[[アルミニウム]]の[[硫酸塩]]で、化学式 Al<sub>2</sub>(SO<sub>4</sub>)<sub>3</sub>·16H<sub>2</sub>O で表される[[無機化合物]]。 別名で'''硫酸ばんど'''<ref name="JIS K 1423"/>(硫酸礬土)ともいう。礬土は[[酸化アルミニウム]]を意味する慣用語であり<ref>{{Cite journal|和書|title=黎明期の化学用語|author=中原勝儼|journal=化学と教育|volume=37|issue=5|pages=492-497|publisher=日本化学会|year=1989|doi=10.20665/kakyoshi.37.5_492}}</ref>、[[常用漢字]]外などの文字を片仮名表記する学術用語の慣習<ref>{{Cite journal|和書|title=学術用語の標準化と「常用漢字表」の運用|author=青戸邦夫|journal=ドクメンテーション研究|volume=33|issue=8|pages=369-376|publisher=情報科学技術協会|year=1983|doi=10.18919/dokumen.33.8_369}}</ref>にならい'''硫酸バンド'''とも表記されるが、これは英語のbandと誤解されることもある<ref>{{Cite journal|和書|title=下水道よもやま話: 111.<専門用語>|author=川本和昭|url=https://www.jswa.go.jp/tech/archives/jswaAC/result.html?itemkey=1202400616|journal=JS技術開発情報メール|issue=125|publisher=日本下水道事業団技術戦略部|date=2012-04-09}}</ref>。 == 概要 == [[比重]]1.96の無色の針状[[結晶]]。熱すると泡をだして[[結晶水]]を失い無水塩 Al<sub>2</sub>(SO<sub>4</sub>)<sub>3</sub> (比重2.71)となる。[[水溶液|水に可溶]]で、特に無水塩は[[潮解]]性が強い。[[工業]]的には[[ボーキサイト]]、[[粘土]]などを[[硫酸]]で処理してから[[不純物]]を除いて作る。[[鉄]][[イオン (化学)|イオン]]を含まない高[[純度]]品は精製[[水酸化アルミニウム]]を硫酸に溶解させて製造する。 水溶液から[[結晶]]化する際−19–95 °Cで16[[水和物]]が得られるが、他にも27、18、10、6水和物も知られている。 天然には無水塩の{{仮リンク|ミロセビッチ石|en|Millosevichite}}、17水和物の{{仮リンク|アルノーゲン|en|Alunogen}}が発見されているが、共に[[火山]]の[[噴気孔 (地質学)|噴気孔]]や、自然発火した[[石炭]]ガスの噴気孔から生成する。 == 合成・製造 == [[水酸化アルミニウム]]と[[硫酸]]の反応で16水和物が得られる。 : <chem>{2Al(OH)3} + {3H2SO4} + 10H2O -> Al2(SO4)3 \cdot 16H2O</chem> 硫酸アルミニウム(14 %固形換算値)の[[2016年|2016]]([[平成]]28)年度日本国内生産量は {{val|573680|u=t}}、工業消費量は {{val|92723|u=t}}<ref>[https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/08_seidou.html#menu5 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編] - [[経済産業省]](最終更新日:2017年10月17日)2017年10月25日閲覧</ref>。 == 用途 == 水の浄化剤([[凝集]]剤)、[[食品添加物]]<ref>硫酸アルミニウムカリウム(カリウムミョウバン)や硫酸アルミニウムアンモニウムとして。[https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/aluminium/youto.html 硫酸アルミニウムカリウムと硫酸アルミニウムアンモニウムの用途の解説] - [[厚生労働省]](更新日不明)2017年10月25日閲覧</ref>、[[皮革#なめし|皮なめし]]剤、[[媒染剤]]、[[レーキ顔料]]の製造、[[製紙用薬品|製紙用の定着剤]]([[製紙用薬品#抄紙工程用薬品|歩留向上剤]])や[[製紙用薬品#工程障害抑制用薬品|ピッチコントロール剤]]、医薬([[収斂剤]])などに広く用いられているほか、化学泡[[消火器]]、[[コンクリート]]の硬化促進剤や殺[[ナメクジ]]剤などにも使用される。 製紙用薬品として重要であるが、硫酸アルミニウムを使用した[[紙]]には硫酸根が残り、これによって紙の酸性度が高まるため[[酸性紙]]と呼ばれ、数十年で[[劣化]]しやすく、長期[[保存]]上の問題が生じることがあるほか、[[塗工紙]]を[[リサイクル]]して原料とした場合、表面に塗工されている[[炭酸カルシウム]]と反応して[[硫酸カルシウム]]が生じ、装置に[[水垢|スケール]]と呼ばれる[[石膏]]状の付着物を生じさせる問題もある。 == 脚注 == <references /> == 参考文献 == * 水町 邦彦、「硫酸アルミニウム」、『[[世界大百科事典]]』、CD-ROM版、1998年。 == 関連項目 == * [[消火器]] - 化学泡消火器に用いられる * [[発泡剤]] * [[酸性紙]] - 硫酸アルミニウムを定着剤として製造した[[紙]] * [[カリウムミョウバン]] - 硫酸アルミニウムと[[硫酸カリウム]]との[[複塩]]で、[[ミョウバン]]の1つ。 {{アルミニウムの化合物}} {{Chem-stub}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:りゆうさんあるみにうむ}} [[Category:アルミニウムの化合物]] [[Category:硫酸塩]] [[Category:パルプ・紙産業]]
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