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{{chembox | Watchedfields = changed | verifiedrevid = 443637235 | ImageFile = Barium-sulfate-2D.png | ImageSize = 225px | ImageName = Chemical structure of barium sulfate | ImageFileL2 = Barite-unit-cell-3D-vdW.png | ImageSizeL2 = 120px | ImageNameL2 = 3D model of barium sulfate | ImageFileR2 = Bariumsulfatpulver.png | ImageSizeR2 = 120px | IUPACName = | OtherNames = | Section1 = {{Chembox Identifiers | Abbreviations = | UNII_Ref = {{fdacite|correct|FDA}} | UNII = 25BB7EKE2E | InChIKey = TZCXTZWJZNENPQ-NUQVWONBAD | StdInChI_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChI = 1S/Ba.H2O4S/c;1-5(2,3)4/h;(H2,1,2,3,4)/q+2;/p-2 | StdInChIKey_Ref = {{stdinchicite|correct|chemspider}} | StdInChIKey = TZCXTZWJZNENPQ-UHFFFAOYSA-L | CASNo = 7727-43-7 | CASNo_Ref = {{cascite|correct|CAS}} | ChemSpiderID_Ref = {{chemspidercite|correct|chemspider}} | ChemSpiderID=22823 | EINECS = | PubChem = 24414 | SMILES = [Ba+2].[O-]S([O-])(=O)=O | InChI = 1/Ba.H2O4S/c;1-5(2,3)4/h;(H2,1,2,3,4)/q+2;/p-2 | RTECS = CR060000 | MeSHName = | ChEBI_Ref = {{ebicite|correct|EBI}} | ChEBI = | KEGG_Ref = {{keggcite|correct|kegg}} | KEGG = | ATCCode_prefix = V08 | ATCCode_suffix = BA01 | ATC_Supplemental =}} | Section2 = {{Chembox Properties | Formula = BaSO<sub>4</sub> | MolarMass = 233.39 g/mol | Appearance = 白色の結晶 | Odor = なし | Density = 4.5 g/cm<sup>3</sup> | MeltingPt = 1345 {{℃}} | Melting_notes = | BoilingPt = 1600 {{℃}} (分解) | Boiling_notes = | Solubility = 0.0002448 g/100 mL (20 {{℃}})<br> 0.000285 g/100 mL (30 {{℃}}) | SolubilityProduct = 1.0842 × 10<sup>-10</sup> (25 {{℃}}) | SolubleOther = [[アルコール]]に溶けない<ref>{{cite book | title = CRC Handbook of Chemistry and Physics | publisher = CRC Press | date = 2004,85th Edition | pages = 4-45 | isbn = 0-8493-0485-7}}</ref>、濃[[硫酸]]に溶ける | Solvent = | pKa = | pKb = | RefractIndex = 1.64 }} | Section4 = {{Chembox Thermochemistry | DeltaHf = -1465 kJ·mol<sup>-1</sup><ref name="名前なし-1">{{cite book| author = Zumdahl, Steven S.|title =Chemical Principles 6th Ed.| publisher = Houghton Mifflin Company| year = 2009| isbn = 061894690X}}</ref> | Entropy = 132 J·mol<sup>-1</sup>·K<sup>-1</sup><ref name="名前なし-1"/> }} | Section5 = {{Chembox Pharmacology | AdminRoutes = | Bioavail = 無視できる | Metabolism = | HalfLife = | ProteinBound = | Excretion = | Legal_status = | Legal_US = | Legal_UK = | Legal_AU = | Legal_CA = | PregCat = | PregCat_AU = | PregCat_US = }} | Section7 = {{Chembox Hazards | EUClass = not listed | EUIndex = | MainHazards = | NFPA-H = 0 | NFPA-F = 0 | NFPA-R = 0 | NFPA-O = | RPhrases = | SPhrases = | RSPhrases = | FlashPt = | Autoignition = | ExploLimits = | PEL = }} }} '''硫酸バリウム'''(りゅうさんバリウム、{{Lang-en-short|Barium sulfate}})は組成式 '''{{chem|BaSO|4}}''' で表される、[[バリウム]][[イオン (化学)|イオン]]と[[硫酸イオン]]からなる[[イオン結晶]]性の化合物。天然には[[重晶石]] (バライト, barite/ heavy spar) と呼ばれる[[鉱物]]として大[[鉱床]]を形成して存在し、各種のバリウム製品の原料として使用されている。日本で使用される[[重晶石]]のほとんどが中国から輸入されたものである。 純粋なものは無色の結晶であるが、一般的には[[鉄]]、[[マンガン]]、[[ストロンチウム]]、[[カルシウム]]などの不純物を含み、黄褐色または黒灰色を呈し、半透明な鉱物である。[[鉛]]、[[ラジウム]]を含む[[北投石]]が知られる。 化学反応による合成品は、化学的に安定した性質を応用して[[塗料]]、[[プラスチック]]、[[蓄電池]]等に広く利用されているほか、一般的には[[消化管造影検査]]に於ける'''[[X線撮影|X線]][[造影剤]]'''としての医療用途が広く知られており、造影剤としてはしばしば単に「'''バリウム'''」と略称・通称されることも多い。 ==性質== におい・味はない。白色粉末または無色の板状あるいは柱状晶。水には極めて難溶であり、溶解度は 18 ℃ で 0.22 mg/100 mL、100℃で 0.40 mg/100 mL である。 酸、アルカリにもほとんど溶けないが、[[塩酸]]と煮沸すると一部溶解する。また濃硫酸には熱時酸性塩 Ba(HSO<sub>4</sub>)<sub>2</sub> を生じて溶ける。こうした硫酸バリウムの難溶性は、バリウム塩廃棄物中に含まれているバリウムの[[固定 (組織学)|固定]]に役立っている。 ===中和による沈殿=== 例として[[水酸化バリウム]]と硫酸による[[酸と塩基|中和]]を示す。 : <chem>Ba(OH)2 + H2SO4 -> BaSO4 v + 2H2O</chem> 中和すると硫酸バリウムが白い[[沈殿]]物として生成する。 ==安全性== バリウム化合物はその大半がバリウム[[イオン (化学)|イオン]]の毒性に由来して[[劇物]]の指定を受けているが、硫酸バリウムは例外的に化学的に非常に安定しており、バリウムイオンが溶出する恐れがないことから劇物指定からは除外されている。 経口摂取する造影剤に於いても、[[胃液]]や[[腸液]]には全く溶解せず[[消化器|消化管]]から吸収されないので、バリウムイオンに起因する毒性はないとされる。しかしながら[[厚生労働省]]の発表によると、医療用の硫酸バリウム製剤には副作用の疑いがあり、稀に薬物過敏症による[[ショック症状]]を引き起こしたり、また、その高比重の特性から、大腸憩室や便秘などで消化管の同一箇所に留まった場合に[[胃腸穿孔]]を引き起こすなどの重篤な症状を呈することもあり、死亡例も報告されている。 == 精製法 == === 工業的精製法 === 重晶石から得られる硫酸バリウムをオイルコークスで加熱し、炭素熱還元によって[[硫化バリウム]]が生成される。 : <chem>BaSO4 + 4C -> BaS + 4CO</chem> こうして得られた硫化バリウムと硫酸ナトリウムを反応させることにより、高純度の硫酸バリウムを得ることができる。 : <chem>BaS + Na2SO4 -> BaSO4 + Na2S</chem> === 実験室的精製法 === 実験室では、硫酸バリウムはバリウムイオンを含む化合物と硫酸イオンを含む化合物を反応させることにより生成される。 ==用途== 硫酸バリウムは重晶石を粉砕して製造されるバライト粉と、硫化バリウムと硫酸ナトリウムとの[[複分解]]によって製造される沈降性硫酸バリウムに大別される<ref name="tokkyo"/>。 バライト粉は[[石油産業]]において重要であり、新しい[[油井]]やガス井を採掘するための{{仮リンク|掘穿泥水|en|Drilling fluid}}における[[加重剤]]として用いられる<ref name="CRC">{{citation| author = C. R. Hammond |title = The Elements, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition| publisher =CRC press| year = 2000| isbn = 0849304814}}</ref>。 沈降性硫酸バリウムの英語表記である「blanc fixe」は「永久の白」を意味するフランス語に由来しており、白色塗料として利用される<ref name="Ullman9"/>。硫酸バリウムおよび[[硫酸亜鉛]]からなる白色[[顔料]]である[[リトポン]]は良好な隠蔽力を有しており、[[硫化物]]に曝されても黒変しない「永久の白」である<ref>{{cite book| page = 102| url = https://books.google.co.jp/books?id=uEJHsZWyO-EC&redir_esc=y&hl=ja| title= Medicinal applications of coordination chemistry| author = Jones, Chris J. and Thornback, John | publisher =Royal Society of Chemistry| year = 2007| isbn =0-85404-596-1}}</ref>。また、沈降性硫酸バリウムはゴルフボールなど様々なゴム製品の充填剤にも用いられる<ref name="tokkyo">{{Cite web|和書|url=http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/golf_ball/page033.htm|title=硫酸バリウム|publisher=[[特許庁]]|accessdate=2012-04-02}}</ref>。 硫酸バリウムのナノ粒子はポリマーの物性を改良することができ、例えばエポキシ樹脂などに用いられる<ref name="Ullman9">[[#Ullman2007|Ullman 2007]], p. 9.</ref>。 硫酸バリウムはまた、X線を透過しないという性質を利用して、[[X線写真|レントゲン]]や[[消化管造影検査]]の[[造影剤]]としても利用される({{仮リンク|バリウムがゆ|en|Barium meal}}、{{仮リンク|バリウム浣腸|en|Lower gastrointestinal series}})<ref name="CRC"/>。医療用の造影剤としての年間推計使用者数は2004年度で約1,750万人である<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/11/h1124-2.html|title=医薬品・医療機器等安全性情報219号|year=2005|month=11|publisher=厚生労働省医薬食品局|accessdate=2023-10-21}}</ref>。 ===日本薬局方硫酸バリウム=== [[File:Smallbowel.jpg|thumb|right|バリウムで[[消化管造影検査|消化管造影]]された小腸]] * [[造影剤]] - [[X線]]をよく吸収するため、内服することで[[消化管]]の形状をX線で撮影できるようにする。 * [[化粧品]] * [[医薬品]] * [[食品用容器充填剤]] ===沈降性硫酸バリウム=== * [[塗料]] * [[印刷インキ]] * [[顔料]]([[リトポン]]など) * [[ゴム]] * [[プラスチック]] * [[製紙]] * [[蓄電池]] ====簸性(ひせい)硫酸バリウム==== 重晶石を粉砕後、[[水簸]]や[[ジグ (選鉱)|ジグ]]によって洗浄・[[選鉱]]して製造。'''バライト'''、'''バライト粉'''と呼ばれる事も多い。 * [[塗料]] * [[ブレーキライニング]] * [[ゴム]] * [[プラスチック]] * [[硝子]] * [[放射線防護]] * [[油井]]における泥水調整剤(硫酸バリウムの比重を利用して、掘削時の泥を地上に排出させる) ※ 簸性とは、ふるいにかけて粒子を揃えているとの意味。 ===その他=== 硫酸バリウムは水に対して極めて難溶な物質であるため、[[硫酸塩]]の含まれる水溶液中に[[塩化バリウム]]を加えることで硫酸バリウムの沈殿を生成させて硫酸塩の[[定量分析]]に利用される<ref>[[日本工業規格]] [https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrDisuseJISStandardList?show&jisStdNo=K0400-41-40 日本工業標準審査会 廃止規格検索 JIS K0400-41-40]</ref>。 最大級の[[単細胞生物]]である[[クセノフィオフォラ]]の細胞質は、granellareと呼ばれる硫酸バリウムの結晶から成る構造内に収まっている。 ==出典== {{Reflist}} == 関連項目 == * [[砂漠のバラ]] - 石膏や硫酸バリウムがバラ形の結晶になった石。 * [[重晶石]](鉱物) * [[消化管造影検査]] == 参考文献 == *{{cite book|author=Kresse, Robert; Baudis, Ulrich; Jäger, Paul; Riechers, H. Hermann; Wagner, Heinz; Winkler, Jocher; Wolf, Hans Uwe|chapter=Barium and Barium Compounds|editor=Ullman, Franz|title=Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry|year=2007|publisher=Wiley-VCH|doi=10.1002/14356007.a03_325.pub2|ref=Ullman2007}} <!-- == 外部リンク == --> {{バリウムの化合物}} {{造影剤}} {{authority control}} {{DEFAULTSORT:りゆうさんはりうむ}} [[Category:バリウムの化合物]] [[Category:硫酸塩]] [[Category:医薬品]] [[Category:造影剤]] [[Category:無機顔料]] [[Category:体質顔料]]
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