磁気抵抗のソースを表示

{{出典の明記|date=2022年12月27日 (火) 10:35 (UTC)}}
{{物理量
| 名称 = 
| 英語 = magnetic reluctance 
| 画像 =[[ファイル:Toroid electronic.jpg|150px]]<br />トロイダルコイル
| 記号 =<math>\mathcal R_m</math>
| 次元 =[[質量|M]] {{sup-|1}} [[長さ|L]] {{sup-|2}} [[時間|T]] {{sup|2}} [[電流|I]] {{sup|2}}
| 階 =スカラ
| SI =A/Wb
| CGS =
| MTS =
| FPS =
| MKSG =
| CGSG =
| FPSG =
| プランク =
| 原子 =
}}
'''磁気抵抗'''（じきていこう、{{lang-en-short|magnetic reluctance, magnetic resistance}}）は、[[磁気回路]]における[[磁束]]の流れにくさを表す度合いで、[[起磁力]]を[[磁束]]で割った値で表される。'''リラクタンス'''（reluctance）と呼ばれることも多いが、[[学術用語集]]（[[物理学]]編・[[計測工学]]編・[[地震学]]編）では「磁気抵抗」となっている。

磁気抵抗は、[[電気回路]]における[[電流]]の流れにくさを表す[[電気抵抗]]（electrical resistance）に対応するもの（[[アナロジー]]）である。

まぎらわしいが、[[磁気抵抗効果]]（magnetoresistance）とはまったく別のものである。

リラクタンス（reluctance）の概念は[[1888年]]に[[オリヴァー・ヘヴィサイド]]（Oliver Heaviside）によって導入された。これは[[ジェームズ・プレスコット・ジュール|ジェームズ・ジュール]]（James Joule）によって磁気抵抗（magnetic resistance）として最初に言及されていたものであった。

起磁力は、{{仮リンク|ロバート・ホルフォード・マクドウォール・ボサンケット|en|Robert Holford Macdowall Bosanquet}}が命名し、磁束の式は[[ヘンリー・ローランド]]（H.A.Rowland）が[[オームの法則]]の類推から導いたものである。

== 概要 ==
磁気抵抗（リラクタンス）の値 <math>\mathcal R_m</math> は、起磁力を <math>\mathcal F_m</math>、磁束を <math>\Phi</math> とすると、その比で定義される。[[単位]]は、[[国際単位系]]（SI）では[[アンペア回数|アンペア]]毎[[ウェーバ]] [A/Wb] である。

:<math>\mathcal R_m = \frac{\mathcal F_m}{\Phi}</math>　[A/Wb]

これは、電気抵抗 <math>R</math> が[[起電力]] <math>\mathcal E</math> と電流 <math>I</math> の比

: <math>R = \frac{\mathcal E}{I}</math>　[Ω]

で表されること（単位は[[オーム]]）に対応している。起磁力（MMF）の式として表せば、

:<math>\mathcal F_m = \Phi \mathcal R_m</math>　[A]

となり、これは[[ホプキンソンの法則]]（[[:en:Magnetic circuit#Hopkinson's law: the magnetic analogy to Ohm's law|Hopkinson's law]]）とも呼ばれる。

起磁力 <math>\mathcal F_m</math> は、例えば[[電磁石]]では鉄心に巻いてある[[コイル]]の巻き回数（[[:en:Winding number|winding number]]） <math>N</math> と、そこに流れる電流 <math>I</math> の積 <math>NI</math> で示される。これより、次の式が成り立つ。

:<math>\mathcal R_m = \frac{N I}{\Phi}</math>　[A/Wb]

[[電磁気学]]によれば、[[マクスウェルの方程式]]における「磁束保存の式」が記述するところに従って、磁束は常に[[閉曲線]]を描く。しかしながら、その閉曲線の[[経路]]は周囲の[[物質]]の磁気抵抗に依存することになり、経路の周囲では磁気抵抗は最低となる。[[空気]]中や[[真空]]中における磁気抵抗は高く、[[軟鉄]]のように容易に[[磁化]]される物質の磁気抵抗は低い。磁気抵抗の低い[[素材]]において、磁束の集中は一時的に強い[[磁極]]を形成し（[[一時磁石]]）、その素材をより高い磁束の領域へと引き寄せる[[力 (物理学)|力]]を引き起こす。

磁気回路が一様（断面積と透磁率が一定）である部分において、磁気抵抗は以下の式で算出される。

:<math>\mathcal R_m = \frac{l}{\mu A} = \frac{l}{\mu_0 \mu_r A}</math>　[A/Wb]

ここで、<math>l</math> は磁気回路の長さ、<math>A</math> は断面積、<math>\mu</math> は[[透磁率]]（<math>\mu_0 = 4 \pi \times 10^{-7}</math> は真空の透磁率、 <math>\mu_r</math> は回路の素材の比透磁率）

磁気抵抗（リラクタンス）の逆数は[[パーミアンス]]（[[:en:Permeance|permeance]]）と呼ばれ、次のように表される（単位は[[ヘンリー (単位)|ヘンリー]]）。

:<math>\mathcal{P} = \frac{1}{\mathcal R_m }</math>　[H]

== 関連項目 ==
*[[電気抵抗]]
**[[オーム]]
*[[インダクタンス]]
**[[ヘンリー (単位)]]

{{Physics-stub}}

{{DEFAULTSORT:しきていこう}}
[[Category:物理量]]
[[Category:電磁気学]]
[[Category:磁気]]