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稠密に定義された作用素
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[[数学]]の、特に[[作用素論]]の分野における'''稠密に定義された作用素'''(ちゅうみつにていぎされたさようそ、{{Lang-en|''densely defined operator''}})とは、部分的に定義されたある種の[[関数 (数学)|関数]]のことで、[[位相空間論|位相]]的な意味では「ほとんど至る所」定義された[[線形作用素]]のことである。稠密に定義された作用素は、[[関数解析学]]の分野において、[[アプリオリ|先天的]]に「意味を持つ」ような対象よりもより広いクラスへと応用されるような作用素として登場する。 ==定義== ある[[位相ベクトル空間]] ''X'' から別の位相ベクトル空間 ''Y'' への線形作用素 ''T'' が'''稠密に定義されている'''とは、''T'' の[[定義域]]が ''X'' の[[稠密集合|稠密部分集合]]であり、[[値域]]が ''Y'' に含まれていることを言う。 ==例== * 単位区間 [0, 1] 上で定義される[[実数|実数値]][[連続関数]]からなる空間 ''C''<sup>0</sup>([0, 1]; '''R''') を考える。''C''<sup>1</sup>([0, 1]; '''R''') を[[滑らかな関数|連続的微分可能]]な関数からなるその部分空間とする。[[上限ノルム]] ||·||<sub>∞</sub> を空間 ''C''<sup>0</sup>([0, 1]; '''R''') に備えることで、その空間は実[[バナッハ空間]]となる。D を[[微分作用素]] ::<math>(\mathrm{D} u)(x) = u'(x) \, </math> :としたとき、これは ''C''<sup>0</sup>([0, 1]; '''R''') からそれ自身への稠密に定義された作用素で、その定義域は稠密な部分空間 ''C''<sup>1</sup>([0, 1]; '''R''') である。そのような作用素 D は[[非有界作用素]]の例であることにも注意されたい。実際 ::<math>u_n (x) = e^{- n x} \, </math> :に対して ::<math>\frac{\| \mathrm{D} u_n \|_{\infty}}{\| u_n \|_\infty} = n </math> :が成立するため、D は非有界作用素である。この非有界性は、作用素 D を何らかの連続的な方法で ''C''<sup>0</sup>([0, 1]; '''R''') へと拡張しようとする際に、困難をもたらす。 * 一方、{{仮リンク|ペイリー-ウィナー積分|en|Paley-Wiener integral}}は稠密に定義された作用素の連続的な拡張の例である。任意の{{仮リンク|抽象的ウィナー空間|en|abstract Wiener space}} ''i'' : ''H'' → ''E'' とその[[共役]] ''j'' = ''i''<sup>∗</sup> : ''E''<sup>∗</sup> → ''H'' において、''j''(''E''<sup>∗</sup>) から ''L''<sup>2</sup>(''E'', ''γ''; '''R''') への自然な[[連続線形作用素]](実際それは'''包含'''(inclusion)で[[等長写像|等長]])が存在し、''j''(''f'') ∈ ''j''(''E''<sup>∗</sup>) ⊆ ''H'' は ''L''<sup>2</sup>(''E'', ''γ''; '''R''') における ''f'' の[[同値類]]{{enlink|equivalence class}} [''f''] へと向かう。''j''(''E''<sup>∗</sup>) が ''H'' において稠密であることを示すことは難しくない。上述のような包含は連続であるため、''j''(''E''<sup>∗</sup>) → ''L''<sup>2</sup>(''E'', ''γ''; '''R''') の ''H'' 全体への[[連続線型拡張]] ''I'' : ''H'' → ''L''<sup>2</sup>(''E'', ''γ''; '''R''') が唯一つ存在する。この拡張がペイリー-ウィナー写像である。 ==参考文献== * {{cite book | last = Renardy | first = Michael | coauthors = Rogers, Robert C. | title = An introduction to partial differential equations | series = Texts in Applied Mathematics 13 | edition = Second edition | publisher = Springer-Verlag | location = New York | year = 2004 | pages = xiv+434 | isbn = 0-387-00444-0 | mr = 2028503 }} {{DEFAULTSORT:ちゆうみつにていきされたさようそ}} [[Category:作用素論]] [[Category:関数解析学]] [[Category:定義]] [[Category:数学に関する記事]]
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