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{{出典の明記|date=2015年9月}} '''種数'''(しゅすう、{{lang-en-short|genus}}; ジーナス)は、[[数学]]用語で、分野によって似通っているがいくらか異なる意味を持つ。 == 位相幾何学 == === 向き付け可能閉曲面 === 連結な[[向き付け可能性|向き付け可能]][[曲面|閉曲面]]Sの'''種数'''とは、その切断によって生じる[[多様体]]が連結のままとなるような単純な閉[[曲線]]に沿った切断の最大数を表す[[整数]]である。種数はその閉曲面の[[ハンドル (数学)|ハンドル]]の数と等しい。これとは別に[[オイラー標数]] χ を使って定義することもでき、種数を ''g'' としたとき、閉曲面では χ = 2 − 2''g'' が成り立つ。''b'' 個の境界成分を持つ曲面では、この式は χ = 2 − 2''g'' − ''b'' となる。 またこのときSの[[ベッチ数]]は2gであるから次が成り立つ; : <math>H_1(S,\mathbb{Z}) = \mathbb Z^{2g}</math> 例えば、 * [[球面]] '''''S'''''<sup>'''2'''</sup>、円盤、環形はいずれも種数は0である。 * [[トーラス]]の種数は1である。これは例えば取っ手のあるマグカップの表面に相当する。これに関連して「位相幾何学者とはドーナッツとマグカップを区別できない者である」という[[数学的なジョーク|ジョーク]]がある。 <gallery caption="向き付け閉曲面の種数" widths="100px" heights="100px" perrow="6"> ファイル:Sphere-wireframe.png|種数 0 ファイル:Torus illustration.png|種数 1 ファイル:Double torus illustration.png|種数 2 ファイル:Triple torus illustration.png|種数 3 </gallery> === 向き付け不可能閉曲面 === 連結な[[向き付け可能性|向き付け不可能]][[曲面|閉曲面]]の'''種数'''は、[[球面]]に付けられた[[クロスキャップ]]の数を表す正の[[整数]]である。これとは別に[[オイラー標数]] χ を使って定義することもでき、向き付け不可能種数を ''k'' としたとき ''χ = 2 − k'' が成り立つ。 例えば、 * [[射影平面]]の向き付け不可能種数は1である。 * [[クラインの壷]]の向き付け不可能種数は2である。 === 結び目 === [[結び目理論|結び目]] ''K'' の'''種数'''は、''K'' についての全ての[[ザイフェルト曲面]]の最小種数として定義される。ある結び目のザイフェルト曲面は境界のある[[多様体]]であり、その境界が結び目であり、すなわち[[単位円]]と同相である。そのような曲面の種数は、単位円盤をその境界に接着することで得られる二多様体の種数と定義される。 === ハンドル体 === 3次元[[ハンドル体]]の'''種数'''は、切断の結果生じる多様体が連結のままとなるよう埋め込まれた円盤に沿ってなされる切断の最大数を表す整数である。これは、そのハンドル体のハンドル数に等しい。 例えば、 * [[球]]の種数は0である。 * トーラス体 <math>D^2\times S^1</math> の種数は1である。 === グラフ理論 === [[グラフ理論|グラフ]]を ''n'' 個のハンドルのついた球面(種数 ''n'' の向き付け可能閉曲面)上で辺同士が交差することなく描けるとき、最小の ''n'' をグラフの'''種数'''と呼ぶ。したがって、[[平面グラフ]]は単純な球面上に交差することなく描けるので、種数は0である。 グラフを ''n'' 個のクロスキャップのついた球面(種数 ''n'' の向き付け不可能閉曲面)上で辺同士が交差することなく描けるとき、最小の''n''をグラフの'''向き付け不可能種数'''と呼ぶ。 [[位相幾何学的グラフ理論]]においては、[[群 (数学)|群]]の種数のいくつかの定義がある。Arthur T. White は次のような概念を提唱した。すなわち群の種数 <math>G</math> は、<math>G</math> の任意の(連結かつ無向の)[[ケイリーグラフ]]の種数のうち最小のものである。 グラフの種数を求める問題は[[NP完全問題]]である (Thomassen 1989)。 == 代数幾何学 == 任意の射影[[スキーム]] ''X'' の'''種数'''には、2つの相互に関連する定義、[[小平次元#脚注|算術種数]]と[[小平次元#脚注|幾何種数]]がある。''X''が[[複素数]]領域における[[代数曲線]]で[[特異点]]を持たない場合、これらの定義は一致し、''X''の[[リーマン面]]に適用した位相幾何学的定義とも一致する。[[楕円曲線]]の代数幾何学的定義は、「与えられた点を通る種数 1 の非特異曲線」である。 == 関連項目 == * [[群 (数学)|群]] {{DEFAULTSORT:しゆすう}} [[Category:位相幾何学]] [[Category:曲面]] [[Category:代数的位相幾何学]] [[Category:代数幾何学]] [[Category:位相幾何学的グラフ理論]] [[Category:グラフ不変量]] [[Category:数学に関する記事]]
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