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{{redirect|ʃ|[[国際音声記号]]における/ʃ/|無声後部歯茎摩擦音|ラテン文字のエッシュ|[[ʃ]]|Sの書き方|長いs}} {{記号文字|∫}} '''積分記号'''(せきぶんきごう、{{lang-en|''Integral symbol''}})は、アルファベット s を縦方向に長くした記号であり、[[積分]]を表す[[演算 (数学)|演算子]]である。s は和を意味する。 正式な名前は定められていないが、本稿では習慣上呼ばれている「積分記号」とする(他の呼び方については「呼び方」を参照のこと。)。 == 概要 == 積分記号はドイツの数学者の[[ゴットフリート・ライプニッツ]]によって[[17世紀]]末に発表された。[[長いs]](ſ)を変形させた記号である。s はラテン語 summa 由来とされ<ref name=ファインマン/>、これは英語の sum、日本語の和に相当する。この語源は[[総和|総和記号 Σ]] と同様である。 この記号はSの形を上下に伸ばした形を書く場合と、斜めに寝かせたものとがある。 [[定積分]]の場合は、積分記号の右下に下端を書き、右上に上端を書く(下に下端、上に上端を書くこともある)。あるいは、積分記号の右下に積分領域を書く。 * 使用例(関数<math>\ f(x) </math>の[[不定積分]]<math>\ F(x) </math>、集合<math>\ D </math>上での<math>\ f(x) </math>の積分<math>\ I </math>) <math>F(x) = \int f(x)dx , \quad I = \int_D f(x)dx</math> == 呼び方 == 「積分記号」や単に'''インテグラル'''('''Integral''')と呼ばれる。 数式を口頭で伝える場合や数学の授業で本記号を示す場合は「インテグラル」と発音することが多い。単に「積分する」と説明することもある。以下の例では「インテグラル エックス二乗 ディーエックス」や「エックスの二乗をエックスで積分する」などと口述する。; *<math>\int x^2 dx</math> === 著名な本や有名人が呼称に関して言及している例 === * [[リチャード・P・ファインマン]]は[[ファインマン物理学]]の中で、本記号が「積分」の記号とされ「和」の記号であることが忘れられていることについて「残念」「どうもあまり感心しない」と記している<ref name=ファインマン>ファインマン物理学 力学 8-4</ref>。 * 『マセマ出版社』の初学者向け参考書では「インテグラルと読む」と説明している<ref>微分積分を教えられる本 P98、大学基礎数学キャンパスゼミ P110</ref>。 == 類似する記号 == [[ファイル:Shiseido logo.svg|サムネイル|[[資生堂]]のロゴ。Sの字体が積分記号に類似している。]] * [[無声後部歯茎摩擦音]](ʃ) - 舌を後部歯茎に接近させて調音される無声の摩擦音を示す記号。 * [[f字孔]] - ヴァイオリンなどの弦楽器に開けられたサウンドホールの形状。fの横棒は非常に小さいため積分記号に見える。楽器によっては横棒が省略され積分記号と変わらないものもある。 * 積分記号に類似した字体のS - [[資生堂]]のロゴなど。 == 二重積分記号 == {{記号文字|∬}} [[二重積分]]に用いられる記号で、積分記号を2つ並べた記号である。 * 使用例(集合<math>\ D </math>上での関数<math>\ f(x,y) </math>の積分<math>\ V </math>) <math>V = \iint_D f(x,y)dxdy</math> == 閉路積分記号 == {{記号文字|∮}} [[線積分|周回積分]]に用いられる記号で、積分記号の中央に丸を書く。 * 使用例([[グリーンの定理]]) <math>\oint_{\partial D} \left(Pdx + Qdy \right) = \iint_D \left( \frac{\partial Q}{\partial x} - \frac{\partial P}{\partial y} \right)dxdy </math> == 他言語での活字体 == 他の言語においては、積分記号の形状は英語の書物においてよく見られるものと若干異なっている。 <gallery> ファイル:American integral.gif|英語の数学書においては、積分記号は右傾している ファイル:German integral.gif|ドイツにおける記号は直状となっている ファイル:Russian integral.gif|ロシアにおける積分記号は左傾している(ドイツ式記号もしばしばロシアの書物に見られる) ファイル:Suken sekibun.svg|数研出版の出版物・プリント制作ソフトの積分記号,下端と上端が揃うため見た目が綺麗である。 </gallery> 他の相違点は定積分における上下端の位置である。英語の書物においては、上下端は積分記号の右に位置する: <math> \int_0^T f(t)\;dt </math> 一方、ドイツやロシアの書物においては、上下端は積分記号の上下に位置し、記述にはより多くのスペースを要することとなる: <math> \int\limits_0^T f(t)\;\mathrm{d}t </math> == 符号位置 == {| class="wikitable" style="text-align:center;" !記号!![[Unicode]]!![[JIS X 0213]]!![[文字参照]]!!名称 {{CharCode|8747|222B|1-2-73|積分記号|int}} {{CharCode|8748|222C|1-2-74|二重積分記号}} {{CharCode|8750|222E|1-13-83|周回積分記号}} |} == 出典 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[積分]] * [[プライム]] {{デフォルトソート:せきふんきこう}} [[Category:数学記号]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:積分法]]
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