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{{出典の明記|date=2012年10月18日 (木) 01:03 (UTC)}} '''空気動力学径'''(くうきどうりきがくけい、{{lang-en-short|aerodynamic diameter}})とは[[空気]]などの[[粘性]]をもつ[[流体]]中にある、[[粉粒体]]の[[粒子]]の大きさ([[粒径]])を表す量の一つである。不規則な形をした粒子の直径を測ることは一般には難しいため、その粒子と[[終末沈降速度]]が等しい密度 1 g/cm<sup>3</sup> の球の直径を空気動力学径とよび、粒子の大きさとして代用する。つまり、空気動力学径とは対象とする粒子と空気中で同じ挙動を示す仮想的な水滴の直径である。 == 数式 == 空気動力学径''d<sub>ae</sub>'' は次式で表される<ref>{{cite|和書 |editor=日本エアロゾル学会 |author=高橋幹二 |title=エアロゾル学の基礎 |publisher=森北出版 |year=2003 |isbn=4-627-67251-9 |page=25}}</ref>。 : <math>d_{ae} = \sqrt{\frac{6}{\pi}\frac{\rho_p}{\rho_0}\frac{\alpha_e}{K_R}}d_e</math> ただし * ρ<sub>p</sub> :粒子の密度 * ρ<sub>0</sub> = 1 g/cm<sup>3</sup> * α<sub>e</sub> :体積形状係数、粒子の体積 / (粒子の大きさ)<sup>3</sup> * ''K<sub>R</sub>'' :抵抗形状係数、球形粒子を基準とした流体抗力の大きさの比 * ''d<sub>e</sub>'' :粒子の大きさ === 導出 === 密度ρ<sub>0</sub> の球形粒子に対しては、[[ストークスの式]]より直径''d'' と[[終端速度]]''v'' およびそのときの抗力''F'' (重力とつりあう)の大きさには次の関係がある。 :<math>\begin{align}& v = \frac{\rho_0 d^2 g}{18\mu}, \\ & F = 3\pi\mu d v = \frac{\pi}{6}\rho_0 d^3 g\end{align}</math> 一方、密度ρ<sub>p</sub> 、体積''V<sub>e</sub>'' の一般の形状の粒子に対して、適当な方法で大きさ''d<sub>e</sub>'' を定め、体積形状係数α<sub>e</sub> を :<math> \alpha_e = V_e/d_e^3</math> と定める。この粒子が同じ終端速度''v'' で動くときの流体抗力を''F<sub>e</sub>'' とし、抵抗形状係数''K<sub>R</sub>'' を :<math>F_e = K_R \cdot 3\pi\mu d_e v = K_R \frac{\pi}{6}\rho_0 d_e d^2 g</math> から定める。粒子にはたらく重力 :<math>F_{ge} = \rho_p(\alpha_e d_e^3)g</math> と抗力''F<sub>e</sub>'' がつりあうから :<math>K_R \frac{\pi}{6}\rho_0 d_e d^2 g = \rho_p(\alpha_e d_e^3)g</math> が成り立ち、これを''d'' について解くことで与式が得られる。 == ストークス径 == 基準密度ρ<sub>0</sub> に粒子の密度ρ<sub>p</sub> を用いたもの、すなわち水滴の代わりに粒子の元々の密度をもつ球形粒子を考えたものを'''ストークス径'''と言う。 : <math>d_\mathrm{Stokes} = \sqrt{\frac{6}{\pi}\frac{\alpha_e}{K_R}}d_e</math> == 例 == 単粒子径''d''<sub>1</sub> の粒子の凝集体については、その個数を''n'' とすると、 :<math>d_{ae} = \begin{cases}0.901\left(\frac{\rho_p}{\rho_0}\right)^\frac{1}{2}n^\frac{1}{3}d_1 & (n\le 8)\\ 1.07\left(\frac{\rho_p}{\rho_0}\right)^\frac{1}{2}n^\frac{1}{6}d_1 & (9 \le n \le 23)\end{cases}</math> 針状の[[アスベスト]]については :<math>d_{ae} = 2.19d\left(\frac{l}{d}\right)^\alpha</math> * ''d'' :直径 * ''l'' :長さ * α:0.116から0.171の値 という[[実験式]]がある。 == 参考文献 == {{reflist}} {{physics-stub}} {{DEFAULTSORT:くうきとうりきかくけい}} [[Category:流体力学]] [[Category:粉粒体]] [[en:Aerosol#Aerodynamic diameter]]
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