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'''空関数'''(くうかんすう、{{lang-en-short|empty function}})、あるいは'''空写像'''とは、[[数学]]における[[関数 (数学)|関数]]([[写像]])の一種で、定義域が[[空集合]]の関数をいう。任意の[[集合]] <math>A</math> について、<math>A</math> を[[終域]]とする空関数 :<math>\emptyset_A \colon \empty \to A</math> は必ずちょうど1つ存在する。 空関数の[[グラフ (関数)|グラフ]](あるいは空関数そのもの)は、[[直積集合]] <math>\emptyset \times A</math> の[[部分集合]]である。<math>\emptyset \times A</math> は空なので、その部分集合も空集合 <math>\emptyset</math> である。ここで定義域 <math>\emptyset</math> に属する全ての <math>x</math> に対して、<math>(x, y) \in \emptyset</math> となるような <math>y \in A</math> が一意に定まるので、 <math>\emptyset</math> は空関数の[[グラフ (関数)|グラフ]](あるいは空関数そのもの)である。実際には「定義域にはどんな <math>x</math> も存在しない」ので、これは[[空虚な真]]の一例である。 集合 ''I'' から集合 ''A'' への写像(関数)全体を ''A<sup>I</sup>'' 、その元を (''a<sub>i</sub>'') と書くとき、空写像(空関数)は ''I'' = ∅ = 0 における ''A''<sup>''I''</sup> = ''A''<sup>0</sup> の元なので、これを ( ) と書くことがある。このとき ''A''<sup>0</sup> = {( )} となる。 空関数が[[定数関数]]の定義に含まれるかどうかを気にすることは少なく、その場その場で便利なように定義することが多い。しかし場合によっては空関数を定数関数の一種と考えない方がよく、値域を用いた定義が望ましい場合もある。これは、[[1]]を[[素数]]に含めないとか、空の[[位相空間]]を[[連結空間]]に含めないとか、[[自明群|自明]][[群 (数学)|群]]を[[単純群]]に含めないといったことと同列の考え方である。 空関数は[[単射]]であり、とくに終域 ''A'' も空集合のときは[[全単射]]である。 任意の集合 ''A'' について唯一の空関数が存在するということは、空集合が[[集合の圏]]の[[始対象]] (initial object) であることを意味する。 値域を空集合とする空関数を考えることにより、[[基数]]あるいは[[順序数]]の冪の意味で {{math|0<sup>0</sup> {{=}} 1}} を示すことが出来る。詳細は[[0の0乗#集合論による導出]]を参照。 == 参考文献 == * Herrlich, Horst and Strecker, George E.; ''Category Theory'', Allen and Bacon, Inc. Boston (1973). {{Settheory-stub}} {{DEFAULTSORT:くうかんすう}} [[Category:集合論]] [[Category:関数]] [[Category:関数の種類]] [[Category:数学に関する記事]]
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