立体活字のソースを表示

{{出典の明記|date=2012年10月4日 (木) 07:43 (UTC)}}
'''立体活字'''（りったいかつじ、{{lang-en-short|upright type}}、'''立体'''）とは、傾かずに垂直に正立した[[書体]]のことを指す。直立体<ref>[https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/SI_9th_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88_r.pdf#page=34] p.117、5.3 単位の名称、冒頭に「単位の名称は、通常、直立体で表記し、」とある。　国際単位系（SI）第9版（2019）日本語版] [[産業技術総合研究所]]、計量標準総合センター、2020年4月</ref>、正体などとも呼ばれる。傾いた書体である[[イタリック体]]および[[斜体]]と対比される。

[[ローマン体]]（＝[[セリフ (文字)|セリフ]]を持つ書体）と名称が混同されることも多い。

== 字形 ==
下記の上段に'''立体'''、下段にイタリック体を示す（文意は[[パングラム]]）。
[[画像:TeTeX roman italic.png|400px|center|ローマン体とイタリック体による "The five boxing wizards jump quickly." の例]]

==用法==
=== 強調 ===
'''立体'''で書かれた文中での強調したい箇所は、'''[[イタリック体]]'''にするのであるが（[[イタリック体#用法]]）、逆に[[イタリック体]]で書かれた文中での強調したい箇所は、'''立体'''にする。

=== 単位記号 ===
[[単位記号]]および[[SI接頭語]]は、その前後の文章で使われている活字書体にかかわらず、必ず'''立体'''で表記しなければならない<ref>[https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/SI_9th/pdf/SI_9th_日本語版_r.pdf] {{Cite book |和書 |author=BIPM|authorlink=BIPM |date=2020-03 | translator = [[産業技術総合研究所]] 計量標準総合センター|title=国際単位系（SI）第9版（2019）日本語版 |publisher=産業技術総合研究所 計量標準総合センター |page=116 |id=|isbn= |ref=国際単位系（SI）第9版（2019） |quote= }}　「単位記号は、その前後の文章で使われている活字書体にかかわらず、直立体（upright type）で表記される。」</ref>。単位記号・SI接頭語が、「Ω」、「µ」のようなギリシャ文字となっている場合も同じである。

かつては日本の中学・高校の教科書ではリットルの表記にイタリック体や筆記体のエル（''l''、ℓ）が用いられているものがあったが、2006年以降は、立体・大文字で表記されている。詳しくは[[リットル#ℓ から L へ]]を参照。

これに対して、[[量]]記号の表記には、イタリック体が用いられる。

===生物学分野===
[[生物学]]における[[学名]]のうち、[[属 (分類学)|属]]名以下（[[種名]]・種小名など）は、地の文と区別するためにイタリック体で表記し、それ以外（[[科 (分類学)|科]]以上の階級）は'''立体'''を用いる<ref>横川浩治「[http://www.kanpira.com/iriomote_museum/scientific_name.htm 生物の名前と分類]」</ref>。

===自然科学・工学分野===
表記の定まった[[関数 (数学)|関数]]記号（[[対数|log]], [[三角関数|sin]], [[指数関数|exp]] など）、[[数学定数]]（[[円周率]] {{pi}}、[[虚数単位]] {{math|i}} など）など、内容が変化しないシンボル記号は'''立体'''で表記することが[[国際標準化機構]]（ISO）、[[日本産業規格]]（JIS）、[[日本物理学会]]などによって定められている<ref>[http://www.iso.org/iso/home/store/catalogue_tc/catalogue_detail.htm?csnumber=31887 ISO 80000-2:2009] Quantities and units −- Part 2: Mathematical signs and symbols to be used in the natural sciences and technology、[[国際標準化機構]]、2009年。</ref><ref>[http://kikakurui.com/z8/Z8201-1981-01.html JIS Z 8201]（数学記号）、[[日本工業規格]]、1981。</ref><ref name="jps">[http://www.jps.or.jp/books/files/toukou-kitei.pdf 日本物理学会誌投稿規定]、[[日本物理学会]]、2002年。</ref>。

: 例：　<math>f(x) = \mathrm{e}^{\mathrm{i}x} = \cos x + \mathrm{i} \sin x \,,\quad A^\mathrm{T}.</math>

しかし、[[日本]]の数学分野における慣例では、[[円周率]] {{mvar|{{pi}}}}, [[虚数単位]] {{mvar|i}}, [[ネイピア数|自然対数の底]] {{mvar|e}}, [[微分法|微分作用素]] {{mvar|d}} をはじめ多くの記号がしばしばイタリック体で表記される。

: 例：　<math>f(x) = e^{ix} = \cos x + i \sin x .</math>

また[[ギリシャ文字]]の[[大文字]]は、'''立体'''が用いられ、小文字はイタリック体が用いられることが多い（例： <math>\Theta_i</math>）。

なお[[ベクトル]]変数・[[行列]]変数・[[テンソル]]変数の表記については下記の様々なスタイルが見られ、イタリック体を採用せず'''立体'''とするものがある。
*<math>\boldsymbol{y} = A \boldsymbol{x}</math> （ベクトルは[[太字]]化）
*<math>\boldsymbol{y} = \mathsf{A} \boldsymbol{x}</math> （ベクトルは[[太字]]化、行列・テンソルは[[サンセリフ]]'''立体'''）<ref name="jps"/>
*<math>\mathbf{y} = \mathbf{Ax}</math> （ベクトル・行列・テンソルは、太字'''立体'''）<ref>このスタイルは英語圏に多く見られる。</ref>
*<math>\vec{y} = A \vec{x} </math> （ベクトルは矢印を加えて示す）

=== 括弧 ===
[[スタイルガイド]] ''[[The Chicago Manual of Style]] 15th edition'' は、括弧のフォントは中身ではなく周辺のテキストに合わせるべきだとしている（6.6節）。イタリック体の文字を'''立体'''の括弧で囲む際に文字が重なってしまう場合には、小さい[[空白文字]]を挿入すればよい。

== 脚注 ==
<references />

{{タイポグラフィ用語}}

{{Grammatology-stub}}
{{デフォルトソート:りつたいかつし}}
[[Category:書体]]
[[Category:タイポグラフィ]]