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立方体倍積問題
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[[ファイル:Cube and doubled cube.svg|thumb|300px|単位立方体 (辺の長さ = 1) と体積が2倍の立方体 (辺の長さ = <math>\sqrt[3]{2}</math> = 1.2599210498948732... {{OEIS2C|A002580}}).]] '''立方体倍積問題'''(りっぽうたいばいせきもんだい)は、[[定規とコンパスによる作図#不可能な作図|三大作図問題]]の1つである。古代エジプト人、ギリシア人、インド人にも知られていた<ref>{{cite journal | last1 = Guilbeau | first1 = Lucye | year = 1930 | title = The History of the Solution of the Cubic Equation | journal = Mathematics News Letter | volume = 5 | issue = 4| pages = 8–12 | doi=10.2307/3027812| jstor = 3027812 }}</ref>。 立方体倍積問題とは、一辺の長さがs、体積がV= s<sup>3</sup>のある[[立方体]]に対し、体積が2V、つまり一辺の長さが<math>s\cdot\sqrt[3]{2}</math>の立方体を与える問題である。この問題は、<math>\sqrt[3]{2}</math> ≈ 1.25992105が[[定規とコンパスによる作図#作図可能数|作図可能数]]ではないため、定規とコンパスだけでは作図が不可能であることが証明されている<ref name="Wantzel1837" />。 == 歴史 == [[アポローン]]によってもたらされた疾病を鎮める方法を知るために[[デルフォイの神託]]を求めた[[デロス島]]の市民の故事から<ref name="Zhmud">[https://books.google.co.jp/books?id=oX28qf7LKdoC&pg=PA84&redir_esc=y&hl=ja L. Zhmud ''The origin of the history of science in classical antiquity'', p.84], quoting Plutarch and Theon of Smyrna</ref>、「'''デロス島の問題'''」(Delian problem)とも呼ばれる。[[プルタルコス]]によると<ref> Plutarch, De E apud Delphos 386.E.4</ref>、島内の政治問題の解決法を探していたデロス市民が、デルフォイの神託を求めたとされている。神託は、立方体の形状をしたアポローンの祭壇の大きさを2倍にせよと告げた。デロス市民は、この答えを奇妙に感じ、[[プラトン]]に相談した。プラトンはこの神託を、与えられた立方体の体積を2倍する数学的問題と解釈し、アポローンがデロス市民に幾何学や数学を勉強させることで、その熱情を鎮めようとしていると説明した<ref>[[Plutarch]], De genio Socratis 579.B</ref>。 プルタルコスによると、プラトンは[[エウドクソス]]、[[アルキタス]]、[[メナイクモス]]にこの問題を出題した。メナイクモスは、機械的手段でこの問題を解いたが、プラトンから、純粋に数学的な方法で解決していないと非難された (Plut., Quaestiones convivales VIII.ii, 718ef)。これが、紀元前350年代の『[[シシュポス]]』の中で、この問題が未解決問題として引用された原因かもしれない<ref>Carl Werner Müller, ''Die Kurzdialoge der Appendix Platonica'', Munich: Wilhelm Fink, 1975, pp. 105-106</ref>。 この問題の解決の模索の大きな進歩は、[[キオスのヒポクラテス]]が、この問題は、ある[[線分]]と2倍の長さの別の線分の2つの[[比例中項]]を求める問題と等価であると発見したことだった<ref name="Heath">T.L. Heath ''A history of Greek mathematics'', Vol. 1</ref><ref>''Greek Mathematical Works, Volume I: Thales to Euclid.'' Translated by Ivor Thomas. Loeb Classical Library 335. Cambridge, MA: Harvard University Press, 1939. (Eutocius([[アスカロンのエウトキオス]]), ''Commentary on Archimedes' Sphere and Cylinder''([[アルキメデス]]『[[球と円柱について]]』註解) ii, Archim. ed. Heiberg iii. 88. 4-90. 13)</ref>。近代風に言うと、長さaと2aの与えられた線分において、立方体の複製は次を満たす長さrとsの線分を見つけることと等価である。 :<math>a:r=r:s=s:2a.\ </math> == 解決 == 1837年に、[[ピエール・ヴァンツェル]]により、[[2の立方根]]は作図可能数ではない、すなわち定規とコンパスによる作図は不可能であることが証明された<ref name="Wantzel1837">{{citation|last=Wantzel|first=P M L|authorlink=ピエール・ヴァンツェル|title=Recherches sur les moyens de reconnaître si un problème de Géométrie peut se résoudre avec la règle et le compas.|journal=Journal de Mathématiques Pures et Appliquées|date=1837|volume=2|series=1|pages=366–372|url=http://www.numdam.org/item/JMPA_1837_1_2__366_0/|id={{EuDML|234865}}}}</ref>。 メナイクモスによる解法は、2つの[[円錐曲線]]の交点を用いるものだった。さらに複雑な解法としては、[[シッソイド]]、[[コンコイド]]、[[フィロー線|Philo line]]を用いたものがある。アルキタスは、紀元前4世紀に、回転体の3つの面の交点としてこの問題を解いた。 [[折り紙]]によっても、2の立方根を作ることができる。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{reflist|2}} == 関連項目 == * [[円積問題]]、[[角の三等分問題]] - 本問題とともに[[定規とコンパスによる作図#不可能な作図|三大作図問題]]として知られる。 ==外部リンク== * {{Kotobank|立方体倍積問題|2=大辞林 第三版}} * {{Kotobank|立方根|2=ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典}} * {{MathWorld|title=Cube Duplication|urlname=CubeDuplication}} * [http://www-history.mcs.st-and.ac.uk/HistTopics/Doubling_the_cube.html Doubling the cube]. J. J. O'Connor and E. F. Robertson in the MacTutor History of Mathematics archive. * [http://mathforum.org/dr.math/faq/davies/cubedbl.htm To Double a Cube – The Solution of Archytas]. Excerpted with permission from A History of Greek Mathematics by Sir Thomas Heath. * [http://www.cut-the-knot.org/Curriculum/Geometry/Delian.shtml Delian Problem Solved. Or Is It?] at cut-the-knot. {{Normdaten}} {{代数的数}} {{DEFAULTSORT:りつほうたいはいせきもんたい}} [[Category:数学に関する記事]] [[Category:図形]] [[Category:代数学]] [[Category:デロス島]]
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