等号のソースを表示

{{簡易区別|[[ダブルハイフン|ダブルハイフン「゠」]]あるいは[[下駄記号|下駄記号「〓」]]}}
{{Redirect|<nowiki>=</nowiki>|[[エド・シーラン]]のアルバム|%3D (エド・シーランのアルバム)}}
{{Redirectlist|≒|近似的に等しいこと|近似|[[BLUE ENCOUNT]]のアルバム|≒ (アルバム)|[[むらたたいち]]の4コマ漫画作品|≒-ニア・イコール-}}
{{Redirect|≠|本来は『[[画像:Not90d.png]]』と表記する[[cali≠gari]]のアルバム|≠ (cali≠gariのアルバム)}}
{{記号文字|＝}}
'''等号'''（とうごう）は、「=」の形をした[[数学記号]]である。「'''イコール'''」と読むことが多い。

等号の左右が[[等価]]であることを表し、等号で結ばれた[[数式]]を「[[等式]]」と呼ぶ。

1557年に[[ウェールズ]]の[[数学者]][[ロバート・レコード]]によって発明された<ref>{{Cite book |和書 |author=イアン・スチュアート |authorlink=イアン・スチュアート (数学者) |year=2010 |title=数学の魔法の宝箱 |publisher=ソフトバンク クリエイティブ |page=19 |isbn=978-4-7973-5982-4}}</ref><ref>{{Cite book|和書 | author=矢野健太郎 | title=数学質問箱なぜだろう？そこが知りたい！ | year=1979 | date=1979-12-20 | page=40 | publisher=[[講談社]] |isbn = }}</ref>。レコードは、この記号"="を使った理由を「2本の平行線ほど等しいものは存在しないから」としている<ref>{{Cite |和書 | author = 黒木哲徳 | title = なっとくする数学記号 | date = 2021 | pages = 103 | publisher = 講談社 | isbn = 9784065225509 | series = ブルーバックス | ref = harv }}</ref>。

== 歴史 ==
等号の「=」は国際的に認知された記号であるが、最初に使用したのは、[[ウェールズ]]の[[数学者]][[ロバート・レコード]]である。1557年、著書『[[知恵の砥石]]』において「…に等しい」という言葉を何度も使うことを避けるために2本の平行線を使った<ref>『世界を変えた17の方程式』イアン・スチュアート著</ref><ref name="nichibun">[https://www.nichibun-g.co.jp/library/sansu_shoho/sansu_shoho10.pdf 計算記号の歴史]  日本文教出版、2019年6月28日閲覧。</ref>。2本の平行線ほど等しいものは存在しないという理由による<ref name="nichibun" />。そのときの字形は現在よりもとても長いものであった。

{{Double image stack|center|First Equation Ever.png|First Equation Ever.svg|200|最初の使用。|現代の使用。}}
その当時、他に伝統的に使用されていた等号としては、「‖」や「æ」、「œ」がある。

== 自然言語中の読み方 ==
数式「A = B」と表記したとき、日本語では「AイコールB」または「AはBに等しい」と読む。英語では“{{lang|en|A is equal to B}}”または“{{lang|en|A equals B}}”と読む<ref>[http://www.ide.titech.ac.jp/~yylab/ja/wp-content/uploads/2018/09/mathEnglish.pdf 英語による数学表現]</ref>。後述の区切り文字として使われる場合は記号自体は発音されないことが多い。

== 関連記号 ==
=== 恒等 ===
{{記号文字|≡}}
{{main|合同記号}}

常に等号が成り立つ[[恒等式]]を、[[方程式]]と明確に区別したいとき「≡」が使われる。ただし「=」を使っても間違いではない。

 {{math|A ≡ B}} （{{math|A}} と {{math|B}} は恒等的に等しい）

「=」と「≡」の違いは次の例でわかりやすい。

 {{math|''x'' + 1 {{=}} 0}} （方程式）
 {{math|''x'' + 1 ≡ 1 + ''x''}} （恒等式）

また、[[定義]]を通常の等式と区別したいときも「≡」が使われる。ただし「=」を使っても間違いではない。

 {{math|A ≡ B}} （{{math|A}} を {{math|B}} と定義する）

{{See2|この他の定義の表し方については[[#定義]]を}}

=== 等号否定 ===
{{see also|否定}}
{{記号文字|≠}}
「≠」は等号の否定を表し'''等号否定'''と呼ばれる。この符号は ≠ の左右が等価でないことを示す。

 {{math|A ≠ B}} （{{math|A}} と {{math|B}} は等しくない）

これと「{{math|A {{=}} B}} でない」は全く同じ意味である。

=== ほぼ等しい ===
{{see also|近似}}
{{記号文字|∼ ≃ ≈ ≒}}
「&#x223C;」「&#x2243;」「&#x2248;」「&#x2252;」などは「ほぼ等しい」「おおよそ等しい」「近似的に等しい」「約(およそ)」などを表し、[[近似式]]や[[近似値]]などに使われる。

それぞれの記号は用途によって使い分けられるが、記号ごとの意味の対応は明確ではなく、厳密な定義は著者に委ねられている。

 {{math|A ≒ B}} （{{math|A}} は {{math|B}} にほぼ等しい）

日本などの東アジアの一部地域では「2 項がほぼ等しい」という意味で「≒」が用いられるが、その他の地域や数学などの専門的な文献においては「&#x2243;」を用いることが多い。また、数学的な意味以外でも、日本語の文章では「ほとんど同じ」という意図で使用されることもある。

=== 定義 ===
{{see also|定義}}
{{記号文字|≔ ≕ ≝ ≜}}
ある記号 {{mvar|A}} が意味するものを、ある記号 {{mvar|B}} が意味するものと同じであると定義するには「{{coloneqq}}」を用いて
 {{math|''A'' {{coloneqq}} ''B''}}（{{mvar|A}} を {{mvar|B}} によって定義する）
と書く。

この他にも、「＝」の上に小さく "def"<ref group="注">define,definitionの略である。</ref> や "△"<ref group="注">define,definitionの頭文字のDに対応するギリシャ文字Δ（デルタ）に由来する。</ref> などを書いた記号が用いられることもある。
 {{math|''A'' {{overset|def|{{=}}}} ''B''}}
 {{math|''A'' {{overset|&Delta;|{{=}}}} ''B''}}
「{{eqqcolon}}」については、「{{math|''A'' {{coloneqq}} ''B''}}」と同じ意味で
 {{math|''B'' {{eqqcolon}} ''A''}}
と書くこともある。

つまりは「コロン“：”のある側の内容を、無い側の内容（こちらはその文脈において既に定義されているものに限る）で定義する」という使い方をする。

例えば、 <math>a,\;b \in \mathbb{R}</math> に対する区間 {{math|{{closed-open|''a'', ''b''}}}} や、和 <math>\textstyle\sum\limits_{i=1}^5a_i</math> を定義するときに
 <math>[a,\;b):=\{x\in\mathbb{R}\mid a\leqq x<b\}</math>
 <math>\textstyle\sum\limits_{i=1}^5a_i:=a_1+a_2+a_3+a_4+a_5</math>
または
 <math>\{x\in\mathbb{R}\mid a\leqq x<b\}=:[a,\;b)</math>
 <math>\textstyle a_1+a_2+a_3+a_4+a_5=:\sum\limits_{i=1}^5a_i</math>

と書いたりする。

シグマ記号 {{math|{{sum}}}} の下の {{math|''i'' {{=}} 1}} での等号は、単に等しいことを意味している。

== 特殊な使い方 ==
=== 数学 ===
* 図形については、「=」は[[長さ]]、[[面積]]、[[体積]]が等しいことを意味する。「△ABC = △DEF」は2つの[[三角形]]の面積が等しいということである。2つの図形が同一である、つまり[[図形の合同|合同]]であることを示すには「≡」を使う。
* [[総和]]記号や[[総乗]]記号では、<math>\sum_{i=0}^{10} x_i</math> のように書くが、等号は第1項での ''i'' の値を表す。

=== プログラミング言語 ===
[[C言語]]およびその影響を直接あるいは間接的に受けた[[プログラミング言語]]（[[C++]]、[[Java]]、[[Perl]]など）では、<code>=</code> は右辺の値を左辺の[[変数 (プログラミング)|変数]]へ代入することを表す'''代入演算子''' {{en|(assignment operator)}} である。一方、数学での「=」に当たる等価演算子（多くの場合、[[不等号|比較演算子]]の一種とされる）は <code>=</code> を 2 つ続けた <code>==</code> （ダブルイコール）である。これは、C言語では代入が[[文 (プログラミング)|文]]ではなく[[式 (プログラミング)|式]]であるため、代入演算子と等価演算子が同一の記号であっては文脈によって判断することができないからである。

<code>=</code> を代入に使うのは [[FORTRAN]] が起源とされる。FORTRAN は文字・記号の種類を非常に少なく設計しており、なおかつプログラムでは頻繁に使われる代入を簡単に表せるようにするため、このような言語仕様になった。なお、C系言語とは異なり、FORTRAN の等価演算子は <code>==</code> ではなく <code>.EQ.</code> である。

これらの言語に対し、[[Pascal]]などでは、数学での用法と同じく、等価演算子は <code>=</code> である。[[ALGOL]]、Pascalや[[PL/SQL]]などの代入演算子は <code>:=</code>（コロンイコール）であり、[[APL]]などの代入演算子は「←」である。[[抽象アルゴリズム]]の記述では数学での「{{=}}」の意味と矛盾しないこれらの記法のほうが好まれる。

[[BASIC]]では、同一の演算子記号「<code>=</code>」が文脈によって等価演算子か代入演算子か判断される。BASICでは代入が[[式 (プログラミング)|式]]ではなく[[文 (プログラミング)|文]]であるため、同一の記号でも文脈によって判断できる。

「≠」にあたる不等価演算子には、<code>!=</code>（等価演算子に「==」を使う言語の多く）、<code><nowiki><></nowiki></code>（等価演算子に「=」を使う言語の多く）、<code>/=</code>、<code>^=</code> などが使われる。

C言語およびその影響を受けた言語では、通常の代入演算子以外に、加算代入演算子 <code>+=</code>、減算代入演算子 <code>-=</code>、乗算代入演算子<code>*=</code>、除算代入演算子 <code>/=</code> などを備える。例えば <code>a</code> が変数のとき、<code>a += 5;</code> は <code>a = a + 5;</code>（<code>a</code> の値を、元の値に 5 を加えた値で置き換える）と同じである（[[糖衣構文]]）。

異なる意味合いの比較に、別の演算子を用意している言語もある。たとえば Perl では <code>==</code> と <code>!=</code> は数値としての比較、<code>eq</code> と <code>ne</code> は[[文字列]]としての比較をする演算子である。

=== 人名 ===
[[ハールーン・アッ＝ラシード]] (Hārūn al-Rashīd) のように名前の読みが[[リエゾン]]したり、{{日本語版にない記事リンク|複合姓|en|compound surname}}の[[姓]]など、[[ハイフン]]を使う場合、「⹀」（[[ダブルハイフン]]）を使用するのが正しい{{要出典|date=2019年4月}}。この区切り文字は発音はされない。ただし[[日本語]]では「＝」を用いる事もある。

=== 組織名 ===
*[[=LOVE]]（イコールラブ）- アイドルグループの名称。=LOVEの姉妹グループに[[≠ME]]（ノットイコールミー）、[[≒JOY]]（ニアリーイコールジョイ）がある
*[[Juice=Juice]]（ジュースジュース）- アイドルグループの名称。間の記号は公式にダブルハイフンではなく、等号を使っている。また、口述する時に本記号の発音はしない（「ジュースジュース」と発音する）。

== 符号位置 ==
{{main|JIS X 0213非漢字一覧}}
{| class="wikitable" style="text-align:center;"
! 記号 !! [[Unicode]] !! [[JIS X 0213]] !! [[文字参照]] !! 名称
{{CharCode|61|003D|1-1-65|等号<br />EQUALS SIGN}}
{{CharCode|65309|FF1D|1-1-65|等号（全角）<br />FULLWIDTH EQUALS SIGN}}
{{CharCode|8800|2260|1-1-66|等号否定<br />NOT EQUAL TO|ne}}<ref name=unicode-charts>{{Cite web |url=https://www.unicode.org/charts/PDF/U2200.pdf |title=2200 Mathematical Operators 22FF|format=PDF |work=[[Unicode]].org |accessdate=2017-06-26}}</ref>
{{CharCode|8801|2261|1-2-65|常に等しい/合同<br />IDENTICAL TO|equiv}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8802|2262|1-2-75|合同否定<br />NOT IDENTICAL TO}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|126|7E|1-2-18|[[チルダ|チルド]]<br />TILDE}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8764|223C|-|チルド作用素<br />TILDE OPERATOR|sim}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8785|2251|-|幾何学的に等しい<br />GEOMETRICALLY EQUAL TO}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8786|2252|1-2-66|ほとんど等しい<br />APPROXIMATELY EQUAL TO OR THE IMAGE OF}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8787|2253|-|ほとんど等しい<br />IMAGE OF OR APPROXIMATELY EQUAL TO}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8771|2243|1-2-76|漸進的に等しい、ホモトープ<br />ASYMPTOTICALLY EQUAL TO}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8776|2248|1-2-78|近似的に等しい、同相<br />ALMOST EQUAL TO|asymp}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8788|2254|-|コロン等号<br />COLON EQUALS}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8789|2255|-|等号コロン<br />EQUALS COLON}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8797|225D|-|等号（定義）<br />EQUAL TO BY DEFINITION}}<ref name=unicode-charts />
{{CharCode|8796|225C|-|デルタ等号<br />DELTA EQUAL TO}}<ref name=unicode-charts />
|}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[合同記号]]
* [[演算 (数学)|演算子]]
* [[ダブルハイフン]]
* [[近似]]
* [[不等号]]
* [[引両紋]]
*[[等式]]

{{デフォルトソート:とうこう}}
[[Category:同値 (数学)|*]]
[[Category:約物]]
[[Category:数学記号]]