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{{出典の明記| date = 2022年8月}} '''等角航路'''(とうかくこうろ)とは、[[地球]]上の2点間を結ぶ[[航路]]のうち、進行方向が[[経線]]となす[[角度]]が常に一定となるものをいう。'''航程線'''とも呼ばれる。 [[Image:Loxodrome.png|right|thumb|地球上での等角航路]] == 概要 == 地球上の2点を航路で結ぶことを考えた場合、[[地形]]や[[海流]]などの外的要因がなければ、最短[[距離]]を結ぶ'''[[大圏コース|大圏航路]]'''が、[[燃料]]や所要[[時間]]を節約する上で最も望ましい。 大圏航路を進むには、現在位置に応じて常に進行方向の方位を修正する必要がある。[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]などの方法で正確な現在位置を知ることのできる現代では、大圏航路を利用することに問題は少ない。 しかしそのような物のなかった時代に、沿岸を離れて目印のない大洋を渡る航路を進むには、大圏航路は非常に困難であった。[[天測航法|天文航法]]をする際には、[[天体観測]]によって[[緯度]]を測定することはできても、[[経度]]を測定することはできなかったためである。 これに対し等角航路は、現在どの地点まで進んでいるかを考慮する必要がなく、常に一定の方位を維持すればよい。[[方位磁針|羅針盤]]により方位は容易にわかるため、[[大航海時代]]に広く利用された。 同じ発想で球面上の等角スパイラルと考えて求める事が出来る。等角航路上の点(緯度<math>\varphi</math>, 経度<math>\lambda</math>)が、定点である極{{mvar|P}} の方向に対して常に角{{mvar|β}} をとる時、{{mvar|β}} が90度の倍数の時は緯線または経線である。{{mvar|β}} が90度の倍数でない時、<math>k = \tan \beta (\ne 0)</math> とすると、微小変化は :<math>k\,\mathrm{d}\varphi = \cos \varphi\,\mathrm{d}\lambda</math> つまり <math>\frac{\mathrm{d}\lambda}{\mathrm{d}\varphi} = \frac{k}{\cos \varphi}</math> この式は[[メルカトル図法]]における赤道と緯線の間の距離を求める式と定数倍の違いだけであり、赤道との交点を <math>\lambda_0\operatorname{gd}^{-1}\varphi + \lambda_0</math> である。(<math>\operatorname{gd}^{-1}</math> は[[グーデルマン関数]]の逆関数。) == 地図と等角航路 == [[地図]]の[[投影法 (地図)|投影法]]のうち、任意の地点で[[角度]]が保存される図法を[[正角図法]]と呼ぶ。[[メルカトル図法]]はその代表的な例である。 正軸法のメルカトル図法の地図上では任意の二点間の等角航路が直線で表されるため、海図として広く使用されてきた。 メルカトル図法で描かれた世界地図を目にすることは多い。この地図上では、等角航路が直線となるのに対し、大圏航路は[[極地]]に近づくように湾曲した[[曲線]]として描かれる。 たとえば、[[東京]]から[[サンフランシスコ]]へ向かう場合、緯度はほぼ等しい(東京が北緯35度41分、サンフランシスコが北緯37度46分)ので、等角航路は緯線に沿ってほぼ東に向かう直線となる。これに対し[[大圏航路]]は、地図上では東京から[[北東]]に向かい、次第に東に向きを変えながら北緯50度近辺、[[アリューシャン諸島]]まで北上し、その後は[[南東]]へと向きを変える曲線となる。 しかしこの2つのコースを地球儀上に移し替えてみると、大圏航路がほぼ直線的な最短コースであるのに対し、等角航路が実際には南に湾曲した曲線であることがわかる。 航路を結ぶ2点が同じ経度にあり南北方向に進む場合、あるいは2点が共に[[赤道]]上で東西方向に進む場合のみ、等角航路は大圏航路と重なり最短距離となる。 メルカトル図法の他に、図法の中心点からの等角航路が正しく示される図法として [[航程方位図法]] が1935年に考案された。等角航路が直線になるのは図法の中心点からのみではあるものの、等角航路の長さも正しく、地球全体を表示しても有限で収まる。 == 関連項目 == *[[大圏コース]] == 脚注 == <references/> {{Geo-term-stub}} {{デフォルトソート:とうかくこうろ}} [[Category:地図]] [[Category:航空経路]] [[Category:航路]]
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