紅茶の違いのわかる婦人のソースを表示
←
紅茶の違いのわかる婦人
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
[[File:Nice Cup of Tea.jpg|thumb|実験では、試飲者が紅茶を入れた後にミルクが入れられたのが分かるかどうかが問われた。]] [[File:Youngronaldfisher2.JPG|thumb|right|220px|ロナルド・フィッシャー(1913年)]] [[統計学]]における[[実験計画法]]において、'''紅茶の違いのわかる婦人'''(こうちゃのちがいがわかるふじん、{{lang-en|lady tasting tea}})は、[[ロナルド・フィッシャー]]によって考案され、彼の著書『{{仮リンク|実験計画法 (フィッシャー)|en|The Design of Experiments|label=実験計画法}}』(1935年)の中で報告された{{仮リンク|無作為化実験|en|Randomized experiment}}である{{sfn|Fisher|1971|loc=II. The Principles of Experimentation, Illustrated by a Psycho-physical Experiment}}。本実験は[[帰無仮説]](「実験の過程で、証明あるいは実証されることが決してないが、反証される可能性がある」仮説{{sfn|Fisher|1971|loc=Chapter II. The Principles of Experimentation, Illustrated by a Psycho-physical Experiment, Section 8. The Null Hypothesis}}<ref name="oed">OED quote: '''1935''' R. A. Fisher, ''[[The Design of Experiments]]'' ii. 19</ref>)の概念をフィッシャーが初めて説明したものである。 問題になっている婦人({{仮リンク|ミュリエル・ブリストル|en|Muriel Bristol}})は、{{仮リンク|イギリスにおける紅茶|en|Tea in the United Kingdom|label=カップに紅茶とミルクのどちらを先に入れたか}}を飲んでみて見分けることが出来る、と主張したとされる。フィッシャーは彼女に、半数は紅茶を先、半数はミルクを先に入れて、ランダムに並べた8杯の[[ミルクティー]]を与えることを提案した。すると、彼女が偶然のみによって特定の正答数を得る確率が何であるかを問うことができた。 フィッシャーの解説は長さは10ページ未満であり、用語、計算、および実験計画に関するその簡潔さと完全性で注目に値する<ref name=newman>{{Cite book |first=Sir Ronald A. |last=Fisher |author-link=ロナルド・フィッシャー |chapter=Mathematics of a Lady Tasting Tea |orig-year=''[[実験計画法 (フィッシャー)|The Design of Experiments]]'' (1935) |year=1956 |title=The World of Mathematics, volume 3 |editor=James Roy Newman |chapter-url=https://books.google.com/books?id=oKZwtLQTmNAC&dq=%22mathematics+of+a+lady+tasting+tea%22&pg=PA1512 |publisher=Courier Dover Publications |isbn=978-0-486-41151-4 }}</ref>。この例はフィッシャーの人生で起きたある出来事を大まかに基にしている。使われた検定は[[フィッシャーの正確確率検定]]であった。 == 実験 == 本実験は、被験者にランダムに並べられた8杯の紅茶(4杯はミルクを注いた後に紅茶を注ぎ、4杯は紅茶を注いだ後にミルクを注ぐ)を与える。被験者はどちらか一方の方法で入れられた4つの杯を選ぶことを務め、好きなだけ直接それぞれのカップを比較してもよい。実験で用いられた手法は被験者に対して完全に開示されている。 [[帰無仮説]]は、被験者が紅茶を区別する能力を持たない、というものである。[[ネイマン・ピアソンの補題]]と異なり、フィッシャーのアプローチでは、対立仮説は存在しなかった{{sfn|Fisher|1971|loc=Chapter II. The Principles of Experimentation, Illustrated by a Psycho-physical Experiment, Section 8. The Null Hypothesis}}。 検定統計量は、任意の方法によって入れられた4つのカップの選択に成功した数の単純な総数である。帰無仮説が真であると仮定した時の、可能性のある成功数の分布は、組合せの数を使って計算することができる。[[組合せ (数学)|組合せ]]の式を使うと、 :<math>\binom{8}{4} = \frac{8!}{4!(8-4)!} = 70</math> 個の可能な組合せが存在する。 {| class="wikitabe" |+ 帰無仮説を仮定した時の紅茶のテイスティング分布 ! scope="col" | 成功数 ! scope="col" | 選択の組合せ ! scope="col" | 組合せの数 |- | 0 || oooo || 1 × 1 = 1 |- | 1 || ooox, ooxo, oxoo, xooo || 4 × 4 = 16 |- | 2 || ooxx, oxox, oxxo, xoxo, xxoo, xoox || 6 × 6 = 36 |- | 3 || oxxx, xoxx, xxox, xxxo || 4 × 4 = 16 |- | 4 || xxxx || 1 × 1 = 1 |- ! colspan="2" scope="row" | 合計 | 70 |} この表の1列目で与えられているあり得る成功数の頻度は以下のように導かれる。成功数0は、明らかに1組の選択肢しか存在しない(すなわち、4つ全て間違ったカップを選択する)。成功1、失敗3では、正しい4つのカップから1つを選択するやり方は組合せの式から<math>\binom 41 =4</math>通りとなる。それとは独立に、誤ったカップから3つを選択するやり方は<math>\binom 43 = 4</math>通りであり、これらを掛け合わせると、4×4 = 16通りのカップの選び方が存在することになる。その他のあり得る成功数の頻度も同様に計算される。したがって、成功数は[[超幾何分布]]にしたがって分布する。具体的には、成功数と等しい確率変数<math>X</math> について、<math>X \sim \operatorname{Hypergeometric}(N=8,K=4,n=4)</math>と書くことができる。この式において、<math>N</math>は母集団のサイズ(紅茶のカップの総数)、<math>K</math>は母集団中の成功状態の数(どちらかの種類の4つのカップ)、<math>n</math>は取り出す数(カップ4つ)である。''2''個の利用可能な選択肢から''k''個を選択する組合せの分布は[[パスカルの三角形]]の''k''段目中の整数をそれぞれ二乗したものに対応する。この場合、8つの利用可能なティーカップから4つのティーカップが選択されるため<math>k = 4</math>である。 2種類の入れ方をした紅茶を区別する能力がないという帰無仮説を棄却するための棄却域は、伝統的な確率基準である <5%に基づくと、4つのカップとも正しい選択を行った単一の場合となる。これば、帰無仮説の下で、4つ正解する確率が70分の1(≈1.4% < 5%)であるのに対して、4つの中で少なくとも3つ正解する確率が (16+1)/70 (≈24.3% > 5%) となるためである。 したがって、婦人が8つ全てのカップを正しく分類した時かつその時に限りフィッシャーは帰無仮説を棄却しても構わない(1.4%の有意水準で婦人の能力を有効に認めることができる)。フィッシャーは後に、より多くの試行と繰り返し試験の利点について議論した。 ==脚注== {{脚注ヘルプ}} === 出典 === {{reflist}} === 参考文献 === {{refbegin}} * {{cite book |title=The Design of Experiments |edition=9th |last=Fisher |first=Ronald A. |author-link=ロナルド・フィッシャー |orig-year=1935 |year=1971 |publisher=Macmillan |isbn=0-02-844690-9 }} * {{cite journal |doi=10.2307/2287648 |title=Randomization Analysis of Experimental Data: The Fisher Randomization Test |first=D. |last=Basu |author-link=Debabrata Basu |journal=Journal of the American Statistical Association |volume=75 |issue=371 |year=1980a |pages=575–582 |jstor = 2287648 }} * [[Debabrata Basu|Basu, D.]] (1980b). "The Fisher Randomization Test", reprinted with a new preface in ''Statistical Information and Likelihood : A Collection of Critical Essays by Dr. D. Basu'' ; [[Jayanta Kumar Ghosh|J. K. Ghosh]], editor. Springer 1988. * {{cite book| author=Kempthorne, Oscar|author-link=Oscar Kempthorne|chapter=Intervention experiments, randomization and inference |title=Current Issues in Statistical Inference – Essays in Honor of D. Basu |chapter-url=http://projecteuclid.org/euclid.lnms/1215458836 |editor=Malay Ghosh and Pramod K. Pathak|pages=13–31 |publisher=IMS |location=Hayward, CA. |doi=10.1214/lnms/1215458836|series=Institute of Mathematical Statistics Lecture Notes - Monograph Series|year=1992|isbn=0-940600-24-2}} * Salsburg, D. (2002) ''[[The Lady Tasting Tea|The Lady Tasting Tea: How Statistics Revolutionized Science in the Twentieth Century]]'', W.H. Freeman / Owl Book. {{ISBN2|0-8050-7134-2}} {{refend}} == 関連項目 == * {{仮リンク|統計学を拓いた異才たち|en|The Lady Tasting Tea}}(原題: The Lady Tasting Tea) == 推薦文献 == * {{cite journal|和書|journal=ファルマシア| title=続・数式なしの統計のお話 第1回 ミルクティ論争と検定|author=酒井弘憲|year=2015 |volume=51 |issue=6 |pages=566-567|doi=10.14894/faruawpsj.51.6_566}} {{DEFAULTSORT:こうちやのちかいのわかるふしん}} [[Category:実験計画法]] [[Category:統計的仮説検定]] [[Category:科学実験]]
このページで使用されているテンプレート:
テンプレート:Cite book
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Cite journal
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:ISBN2
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Lang-en
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Refbegin
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Refend
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Reflist
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:Sfn
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:仮リンク
(
ソースを閲覧
)
テンプレート:脚注ヘルプ
(
ソースを閲覧
)
紅茶の違いのわかる婦人
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報