組合せ範疇文法のソースを表示

'''組合せ範疇文法'''（くみあわせはんちゅうぶんぽう、{{lang-en-short|combinatory categorial grammar|links=no}}、CCG、'''組み合わせ範疇文法'''とも）とは、[[形式主義 (言語学)|形式主義]]言語学の統語論の理論である。[[語彙化文法]]{{Efn2|近年の文法理論では多い、文法を[[句構造規則]]としてではなく、辞書に書き込むべきとする文法である。}}の一種であり<ref name="toji2010"/>、統語構造や意味情報が予め辞書（{{lang-en-short|lexicon|links=no}}）に記述されていると<ref name="tmta2023"/>。古典的[[範疇文法]]に関数合成規則を取り入れたものである<ref name="tkhs2023"/><ref name="nnmy2014"/>。

その仕組は、範疇（カテゴリ）に対して繰り返し関数を適応することによって文を構築するものである<ref name="nnmy2014"/>。また、意味論において統語構造に対応する[[ラムダ計算|ラムダ関数]]を適応し、意味表現を導出している<ref name="nnmy2014"/>。この文法を適用することで、等位接続構造をうまく説明できる<ref name="toji2010"/><ref name="tkhs2023"/>。

その弱生成能力は、[[文脈自由文法]]と[[文脈依存文法]]の中間に位置し、自然言語の文法記述に適しているとされている<ref name="tkhs2023"/>。近年では、[[自然言語処理]]において、CCGが応用された漸進的な意味解析なども行われている<ref name="kato2014"/>。

== 歴史 ==
[[カジミエシュ・アイドゥキエヴィチ]]、{{link-en|イェホシュア・バル＝ヒレル|Yehoshua Bar-Hillel}}らの[[範疇文法|古典的範疇文法]]に遡り、{{link-en|マーク・スティードマン|Mark Steedman}}や{{link-en|アンナ・サボルチ|Anna Szabolcsi}}によって発展した。

== 形式 ==
基本的にカテゴリが以下のものである<ref name="nnmy2014"/>。
;原始カテゴリ（atomic category）
:<math>N</math>（名詞）・<math>S</math>（文）
;複合カテゴリ（complex category）
:他のカテゴリから合成される。<math>X</math>、<math>Y</math>をカテゴリとすると、<math>X/Y</math>や<math>X\setminus Y</math>。

== 参考文献 ==
* {{cite book|author=Mark Steedman|title=Surface Structure and Interpretation|year=1996}}
* {{cite book|author=Mark Steedman|title=The Syntactic Process|publisher=The MIT press|year=2001}}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{Reflist|refs=
<ref name="tkhs2023">{{Cite journal|和書|author1=高橋直人|author2=一杉裕志|author3=竹内泉|title=組合せ範疇文法によるドイツ語文の原因・結果関係の意味表示|journal=言語処理学会 第29回年次大会 発表論文集|year=2023|month=3}}</ref>
<ref name="nnmy2014">{{Citation|和書|author=二宮崇|chapter=組合せ範疇文法(CCG) (1)|title=平成25年度 人工知能特論II料|series=愛媛大学 講義資料|year=2013|month=3|url=http://aiweb.cs.ehime-u.ac.jp/~ninomiya/ai2/ai2-4.pdf}}</ref>
<ref name="kato2014">{{Cite journal|和書|author1=加藤芳秀|author2=松原茂樹|title=組合せ範疇文法に基づく漸進的な意味解析|journal=言語処理学会 第20回年次大会 発表論文集|year=2014|month=3}}</ref>
<ref name="toji2010">{{Cite book|和書|author=戸次大介|year=2010
|series=日本語研究叢書（フロンティアシリーズ） 24
|chapter=第2章 組合せ範疇文法（CCG）
|title=日本語文法の形式理論：活用体系・統語構造・意味合成
|publisher=くろしお出版|
}}</ref>
<ref name="tmta2023">{{Cite journal|和書|author1=富田朝|author2=谷中瞳|author3=戸次大介|title=言語学的に妥当なCCGツリーバンク構築の試み|journal=2023年度 人工知能学会全国大会（第37回）論文集|year=2023}}</ref>
}}
=== 注 ===
{{Notelist2}}

{{DEFAULTSORT:くみあわせはんちゅうぶんぽう}}
[[カテゴリ:自然言語処理]]
[[カテゴリ:形式言語]]
[[カテゴリ:コンビネータ論理]]
[[カテゴリ:文法フレームワーク]]