結晶光学のソースを表示
←
結晶光学
ナビゲーションに移動
検索に移動
あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:
この操作は、次のグループに属する利用者のみが実行できます:
登録利用者
。
このページのソースの閲覧やコピーができます。
'''結晶光学'''は、[[等方的と異方的|異方性]]媒質、つまり[[光]]が伝搬する方向により異なる振る舞いをする媒質([[結晶]]など)における光の挙動を記述する[[光学]]の分野である。屈折率は組成と結晶構造の両方に依存し、[[グラッドストーン・デールの式]]を用いて計算することができる。多くの場合、結晶は初めから異方性であり、一部の媒質([[液晶]]など)では外部電圧を印加することで異方性を起こすことができる。 == 等方性媒質 == [[ガラス]]など一般的に透明の媒質は[[等方性媒質|等方性]]である。これは光が媒質内をどの方向に動いても同じように振る舞うことを意味する。[[誘電体]]における[[マクスウェルの方程式|マクスウェル方程式]]の点からいうと、次に示す[[電束密度|電気変位場]]'''D'''と[[電場]]'''E'''の関係が与えられる。 : <math> \mathbf{D} = \varepsilon_0 \mathbf{E} + \mathbf{P} </math> ここでε<sub>0</sub>は自由空間の[[誘電率]]であり、'''P'''は電気[[分極電荷密度|分極]](媒質に存在する[[電気双極子]]モーメントに対応する[[ベクトル場]])である。物理的には、分極場は光の電場に対する媒質の応答とみなすことができる。 === 電気感受率 === [[等方性媒質|等方性]]および[[線型性|線形]]媒質では、この分極場'''P'''は電場'''E'''に比例し、これと平行である。 : <math> \mathbf{P} = \chi \varepsilon_0 \mathbf{E} </math> ここでχは媒質の''[[電気感受率]]である。よって'''''D'''と'''E'''の関係は : <math> \mathbf{D} = \varepsilon_0 \mathbf{E} + \chi \varepsilon_0 \mathbf{E} = \varepsilon_0 (1 + \chi) \mathbf{E} = \varepsilon \mathbf{E} </math> ここで : <math> \varepsilon = \varepsilon_0 (1 + \chi) </math> は媒質の[[比誘電率]]である。非磁性媒質では[[屈折率]]''n''と次式の関係がある。 : <math> n = \sqrt{ 1 + \chi} </math> == 異方性媒質 == 結晶などの異方性媒質では、分極場'''P'''は必ず光の電場'''E'''と平行ではない。これは物理的には、結晶の物理的構造に関連する特定の好む方向を持つ電場により媒質で起こる双極子と考えることができる。これは次のように書くことができる。 : <math> \mathbf{P} = \varepsilon_0 \boldsymbol{\chi} \mathbf{E} .</math> ここで '''χ''' は前のような値ではなく、ランク2の[[テンソル]]、電気感受性テンソルである。3次元の成分では <math>\begin{pmatrix} P_x \\ P_y \\ P_z \end{pmatrix} = \varepsilon_0 \begin{pmatrix} \chi_{xx} & \chi_{xy} & \chi_{xz} \\ \chi_{yx} & \chi_{yy} & \chi_{yz} \\ \chi_{zx} & \chi_{zy} & \chi_{zz} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} E_x \\ E_y \\ E_z \end{pmatrix} </math> もしくは総和規約を用いて : <math> P_i = \varepsilon_0 \sum_{j\in\{x,y,z\}}\chi_{ij} E_j \quad.</math> と書かれる。'''χ'''はテンソルなので'''P'''は必ずしも'''E'''と共線(colinear)ではない。 非磁性で透明な材料では、χ<sub>''ij''</sub> = χ<sub>''ji、''</sub>つまり'''χ'''テンソルは実[[対称テンソル|対称]]である<ref>Amnon Yariv, Pochi Yeh. (2006). Photonics optical electronics in modern communications (6th ed.). Oxford University Press. pp. 30-31.</ref>。よって、[[スペクトル定理]]に従い、座標軸の適切なセットを選びχ<sub>xx</sub>, χ<sub>yy</sub>, χ<sub>zz</sub>以外のテンソルの全成分を0にすることにより、テンソルを対角化することができる。これにより次の関係が与えられる。 : <math> P_x = \varepsilon_0 \chi_{xx} E_x</math> : <math> P_y = \varepsilon_0 \chi_{yy} E_y</math> : <math> P_z = \varepsilon_0 \chi_{zz} E_z</math> この場合、方向x, y, zは媒質の主軸として知られている。'''χ'''テンソルの値が実数である(屈折率が全ての方向で実数である場合に対応する)場合、これらの軸は直交することに留意。 よって'''D'''と'''E'''はテンソルにより関連付けられる。 : <math> \mathbf{D} = \varepsilon_0 \mathbf{E} + \mathbf{P} = \varepsilon_0 \mathbf{E} + \varepsilon_0 \boldsymbol{\chi} \mathbf{E} = \varepsilon_0 (I + \boldsymbol{\chi}) \mathbf{E} = \varepsilon_0 \boldsymbol{\varepsilon} \mathbf{E} .</math> ここで'''ε'''は比誘電率テンソルもしくは誘電率テンソルとして知られるものである。結果として媒質の[[屈折率]]もテンソルである必要がある。x軸に平行になるように[[偏光]]されたz主軸に沿って伝搬する光波を考える。波は感受性χ<sub>xx</sub>と誘電率ε<sub>xx</sub>をうける。よって屈折率は次のようになる。 : <math>n_{xx} = (1 + \chi_{xx})^{1/2} = (\varepsilon_{xx})^{1/2} .</math> y方向に偏光した波の場合 : <math>n_{yy} = (1 + \chi_{yy})^{1/2} = (\varepsilon_{yy})^{1/2} .</math> よって、これらの波は2つの異なる屈折率を感じ異なる速度で進む。この現象は[[複屈折]]として知られる現象であり、[[方解石]]や[[石英]]など普通の結晶で起こる。 χ<sub>xx</sub> = χ<sub>yy</sub> ≠ χ<sub>zz</sub>であるとき、この結晶は'''一軸性'''である([[光学軸|結晶の光学軸]]参照)。χ<sub>xx</sub> ≠ χ<sub>yy</sub> かつ χ<sub>xx</sub> ≠ χ<sub>zz</sub> であるとき、結晶は'''二軸性'''である。一軸結晶は2つの屈折率、x,y方向に偏光した光に対する「通常」屈折率(''n''<sub>o</sub>)とz方向に偏光した「異常」屈折率(''n''<sub>e</sub>)を示す。一軸結晶は、n<sub>e</sub> > n<sub>o</sub>のとき「正」であり、n<sub>e</sub> < n<sub>o</sub> のとき「負」である。軸に対してある角度で偏光された光は、異なる偏光成分に対しては異なる位相速度を受け、1つの屈折率では説明することができない。多くの場合これは[[屈折率楕円体]](index ellipsoid)として表される。 == 他の効果 == 外部電場が印加されると、[[電気光学効果]]などの[[非線形光学]]現象により、電場の強度に比例(最低次に)して媒質の誘電率テンソルが変動する。これにより媒質の主軸が回転し、媒質を通る光の振る舞いが変化する。この効果を利用して光変調器を作ることができる。 [[磁場]]に反応して、複素エルミートである誘電率テンソルを持つことのできる材料もある。これはジャイロ磁気効果もしくは[[磁気光学効果]]と呼ばれる。この場合、[[結晶構造|主軸]]は楕円偏光に対応する複素数の値をとるベクトルであり、時間反転対称性が破れることがある。例えば、これは[[光アイソレータ]]の設計に利用することができる。 エルミートではない誘電率テンソルは、特定の周波数において利得もしくは吸収を持つ材料に対応する複素固有値を生じさせる。 == 脚注 == <references /> == 外部リンク == * [http://gerdbreitenbach.de/crystal/crystal.html A virtual polarization microscope] {{デフォルトソート:けつしようこうかく}} [[Category:光学]] [[Category:結晶学]] [[Category:物性物理学]]
結晶光学
に戻る。
ナビゲーション メニュー
個人用ツール
ログイン
名前空間
ページ
議論
日本語
表示
閲覧
ソースを閲覧
履歴表示
その他
検索
案内
メインページ
最近の更新
おまかせ表示
MediaWiki についてのヘルプ
特別ページ
ツール
リンク元
関連ページの更新状況
ページ情報