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[[File:Orthogonal projection.svg|frame|right|直線 ''m'' への上への[[直交射影]]は平面上の[[線型作用素]]。これは自己準同型であるが[[自己同型]]ではない一例である。]] [[数学]]における'''自己準同型'''(じこじゅんどうけい、{{Lang-en-short|endomorphism}})とは、ある[[数学的対象]]からそれ自身への[[射 (圏論)|射]](あるいは[[準同型]])のことを言う。例えば、ある[[ベクトル空間]] ''V'' の自己準同型は、[[線型写像]] ƒ: ''V'' → ''V'' であり、ある[[群 (数学)|群]] ''G'' の自己準同型は、[[群準同型]] ƒ: ''G'' → ''G'' である。一般に、任意の[[圏論|圏]]に対して自己準同型を議論することが可能である。[[集合の圏]]において、自己準同型はある集合 ''S'' からそれ自身への函数である。 任意の圏において、''X'' の任意の二つの自己準同型写像の[[写像の合成|合成]]は再び ''X'' の自己準同型である。''X'' のすべての自己準同型の集合は[[モノイド]]を構成し、それは End(''X'') と表記される(あるいは、圏 ''C'' を強調するために End<sub>''C''</sub>(''X'') と表記される)。 == 自己同型 == {{main|自己同型}} ''X'' の[[逆写像|可逆]]な自己準同型は、[[自己同型]]と呼ばれる。すべての自己同型の集合は、[[群 (数学)|群]]構造を備える End(''X'') の[[部分集合]]であり、''X'' の自己同型群と呼ばれ、Aut(''X'') と表記される。次の図で、矢印は包含関係を表す: {| border="0" |- | align="center" width="42%" | [[自己同型]] | align="center" width="16%" | <math>\Rightarrow</math> | align="center" width="42%" | [[同型]] |- | align="center" | <math>\Downarrow</math> | | align="center" | <math>\Downarrow</math> |- | align="center" | 自己準同型 | align="center" | <math>\Rightarrow</math> | align="center" | [[準同型]] |} == 自己準同型環 == {{main|自己準同型環}} ある[[アーベル群]] ''A'' の自己準同型写像は、次のルールに従って足し合わされる:(ƒ + ''g'')(''a'') = ƒ(''a'') + ''g''(''a'')。この加法の下で、アーベル群の自己準同型写像は[[環 (数学)|環]]([[自己準同型環]])を構成する。例えば、'''Z'''<sup>''n''</sup> の自己準同型写像の集合は、成分が整数であるような全ての ''n'' × ''n'' 行列からなる環である。ベクトル空間あるいは[[環上の加群]]の自己準同型写像もまた、[[前加法圏]]内の任意の対象の自己準同型写像と同様に、環を構成する。非アーベル群の自己準同型写像は、{{仮リンク|近環|en|near-ring}}として知られる代数的構造を生成する。乗法単位元をもつすべての環は、その[[正則表現 (数学)|正則加群]]の自己準同型環であり、したがってあるアーベル群の自己準同型環の部分環である<ref>Jacobson (2009), p. 162, Theorem 3.2.</ref>。しかし、どんなアーベル群の自己準同型環でもないような環も存在する。 == 作用素論 == 特に[[ベクトル空間]]のような任意の{{仮リンク|具象圏|en|concrete category}}において、自己準同型はある集合からそれ自身への写像であり、その集合上の[[単項演算|単項演算子]]として解釈されることもある。それは元に対して[[群作用|作用]]し、元の軌道の概念の定義を許すものである。 手近な圏に対して定義される追加構造([[トポロジー]]、[[距離函数|距離]]など)に依存して、そのような作用素は[[連続写像|連続性]]や[[有界函数|有界性]]などの性質を持つこともある。その点に関する詳細は[[作用素論]]に関係する記事を参照されたい。 == 自己函数 == '''自己函数'''({{lang-en-short|endofunction}})とは、その[[定義域]]が[[余域]]と等しい[[函数]]のことを言う。[[準同型]]な自己函数は、自己準同型である。 ''S'' を任意の集合とする。''S'' 上の自己函数の中に、''S'' と、各 <math>x\in S</math> に関連する与えられた定数 <math>c\in S</math> の[[置換 (数学)|置換]]が存在する。''S'' のすべての置換は、その定義域と等しい余域を持ち、それは可逆な[[双射]]である。''S'' が 1 より多い元を持つなら、''S'' 上の定数函数は、その定義域の真部分集合であるような余域を持ち、双射ではない(また可逆でもない)。各自然数 ''n'' に対する ''n''/2 の床函数に対応する函数は、余域と定義が等しいが、可逆ではない。 有限の自己函数は、有向{{仮リンク|擬森|en|pseudoforest}}と等しい。大きさ ''n'' の集合に対し、その集合上には ''n''<sup>''n''</sup> 個の自己函数が存在する。 特定の双射自己函数は、[[対合]]、すなわちその逆と一致する函数である。 == 関連項目 == * [[リー代数の随伴表現|随伴自己準同型]] * [[フロベニウス自己準同型]] == 注釈 == <references /> == 参考文献 == * {{Citation| last=Jacobson| first=Nathan| author-link=:en:Nathan Jacobson| year=2009| title=Basic algebra| edition=2nd| volume = 1 | series= | publisher=Dover| isbn = 978-0-486-47189-1}} == 外部リンク == * {{SpringerEOM|title=Endomorphism|urlname=Endomorphism}} * {{planetmath reference|id=7462|title=Endomorphism}} {{DEFAULTSORT:しこしゆんとうけい}} [[Category:射]] [[Category:数学に関する記事]]
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