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{{Otheruses|ヘリックス(3次元曲線)|スパイラル(2次元曲線)|渦巻|その他}} {{出典の明記| date = 2021年9月}} <!--[[File:060322 helix.svg|thumb|螺旋]]--> [[File:Helix.svg|thumb|螺旋([[右手の法則|右手回り]])]] [[File:Shells01.jpg|thumb|[[巻き貝]]類の多くは螺線構造をもっている]] '''螺旋'''(らせん、{{lang-la-short|helice}}, {{lang-en-short|helix}})とは、[[3次元曲線]]の一種で、回転しながら回転面に垂直成分のある方向へ移動(上昇または下降)する曲線である。'''螺線'''(らせん)とも。英語の helix はギリシャ語の ἕλιξ が語源で、ラテン語の helice(ヘリケー)を経由して英語に導入された。「螺」は「ラ」「にし」と読み、[[タニシ]](田螺)や[[サザエ]](栄螺)のような[[巻き貝]]の[[貝殻]]を意味する。 2次元曲線の[[渦巻]]も螺旋・螺線と呼ぶことがある。渦巻と区別するために、3次元曲線の螺旋を'''弦巻線'''または'''蔓巻線'''(つるまきせん)と呼ぶことがある。 日本の数学界では、慣用的に螺旋を弦巻線、螺線を渦巻線の意味で使っている<ref>[[岩波書店]]『[[岩波数学辞典]]』第4版</ref>。 <!-- 螺旋を現実の構造物、螺線を数学的図形とすることもある<ref>[[岩波書店]]『[[広辞苑]]』第4版の記述を要約</ref>。(螺線ワイヤーのように構造物にも螺線は使われるので、一般的ではない) --> 以下では弦巻線(ヘリックス)について述べる。 == 数学的表現 == [[媒介変数]] <math>\theta \,</math> を使って次のように表せる。<math>\, a b >0</math>では[[右手の法則|右手回り]]を表す。 :<math>x = a \cos \theta \,</math> :<math>y = a \sin \theta \,</math> :<math>z = b \theta \,</math> [[円筒座標]]を使えば、もっと単純に表せる。 :<math>r = a \,</math> :<math>z = b \theta \,</math> 上記の設定の場合、[[曲率]] <math>\kappa</math> 及び[[捩率]] <math>\tau</math> はそれぞれ :<math> \begin{align} \kappa &= {a \over a^2+b^2}\\ \tau &= {b \over a^2+b^2} \end{align} </math> となる。 == 渦巻と螺旋 == [[File:Lighthouse glasgow spiral staircase.jpg|thumb|螺旋を平面に投影すると渦巻となる。]] 日本では螺旋をヘリックスではなくスパイラルと捉えていることが多く、日常的にも定着している。 ヘリックスとスパイラルの混同は英語でも見られる。例えば、螺旋階段の英語表記は「helix staircase」だけでなく「spiral staircase」もある。 また、螺旋を平面に投影すると、渦巻の一種の双曲螺旋となる。 {| class="wikitable" width="60%" |+渦巻と螺旋との比較 ! width="*"| ! width="40%"| 渦巻 ! width="40%"| 螺旋(弦巻線) |- ! [[英語]] | [[:en:Spiral|spiral]] | [[:en:Helix|helix]] |- ! [[ラテン語]] | [[:la:Spiralis|spira]] | [[:la:Helice|helice]] |- ! 次元 | [[曲線#定義|2次元曲線]] | [[曲線#定義|3次元曲線]] |- ! 例 | [[蚊取り線香]]([[代数螺旋|一様螺線]])、[[アンモナイト]]の殻([[対数螺旋|対数螺線]])、ロールケーキ | [[アサガオ]]の[[つる植物|つる]]、[[ばね|コイルばね]]([[常螺旋]])、[[デオキシリボ核酸|DNA]]([[二重螺旋]])、[[ねじ]]山 |} なお、各種の[[代数螺旋]]や[[対数螺旋]]も英語ではスパイラルと呼ばれている。 * 代数螺旋 - 代数的な式で表される螺旋を[[代数螺旋]]という(以下参照)<ref name="hokkaido">{{Cite web|和書|title=いろいろな曲線の確認|accessdate=2022-12-10|url=http://izumi-math.jp/S_Yoshida/matome/sc_iroironakyokusen.pdf|publisher=北海道算数数学教育会高等学校部会研究部}}</ref>。 ** アルキメデスの螺旋(Archimedes' spiral) ** 放物螺旋(Parabolic spiral) ** 双曲螺旋(hyperbolic spiral) ** リチュース螺旋 * 対数螺旋(logarithmic spiral) - 等角螺旋(equiangular spiral)やベルヌーイの螺旋ともいう<ref name="hokkaido" />。特に黄金比に関連するものを黄金螺旋(golden spiral)という<ref name="hokkaido" />。 == 螺旋の例 == ===一覧=== *[[ねじ]]の山と溝 *[[つる植物]]のつる *[[螺旋階段]] *[[ソレノイド]] *[[コイル]] *[[コイルばね]] *[[ドリル (工具)#ツイストドリル|ドリル]] *螺旋状の分子 **[[デオキシリボ核酸|DNA分子]] **[[アミロース]]分子([[でんぷん]]の一種) **[[タンパク質]]の[[Αヘリックス|{{Lang|el|α}}ヘリックス]]構造 *[[スクリュー]]や[[プロペラ]]の軌跡 *[[サインポール|三色ねじり棒]]([[理容店]]のサイン) *[[銃]]および[[砲]]における、回転により[[弾道]]を安定させ直進性を図るための[[ライフリング]](溝) ===ギャラリー=== <gallery> Mokuneji.JPG|ねじ DirkvdM natural spiral.jpg|[[つる植物]]のつる Cremona, torrazzo interno 02 scala a chiocciola.JPG|[[クレモナ]]塔の[[螺旋階段]] Coil spring.JPG|コイルばね Starch helix.jpg|アミロース Barber's_signboard.jpg|理容店のサイン 105mm_tank_gun_Rifling.jpg|[[ロイヤル・オードナンス L7]] 105mm[[戦車砲]]のカットモデル。ライフリングが観察できる </gallery> == 象徴としての螺旋 == 螺旋は、運動性や生命力を感じさせる面があるので、芸術作品などにおいては、様々な意味を込めた[[象徴]]、[[シンボル]]として用いられることも多く、作品のタイトルとなっている例も多い。{{main|[[螺旋 (曖昧さ回避)]] }} また、基本的には繰り返しの構造でありながら、同じ位置をたどらず、例えば無限に上昇する構造を[[歴史]]や[[生命]]になぞらえる例もある。 なお、無限上昇の[[カノン (音楽)|カノン]]は別名を螺旋カノンと言い、一つの旋律が繰り返す際に少しだけ音程を高くして始まるようになっており、繰り返すにつれてどんどん音程があがってゆくものである。バッハの「[[音楽の捧げもの]]」にその例がある。実際には1オクターブ上がったところで終了させるか、そこで元の音に戻って終了させる。 もちろん実際に無限に上昇するのは不可能であるが、同時発音数が非常に多いか、同じ音量の多数の倍音を含む音色を合成できる[[シンセサイザー]]などを使い、旋律の音程があがるにつれて1オクターブ下に新しく旋律を追加しつつ、[[聴覚]]における可聴域と[[最小可聴値]]を考慮して十分に広い範囲で旋律を演奏すれば、無限上昇を実感できる。 これを使用した、日本で知られた作品には[[松武秀樹]]の「謎の無限音階」やその影響による「[[BGM (YMOのアルバム)|BGM]]」収録の「LOOM/来たるべきもの」などがある。現在の機材であれば、例えば携帯電話搭載の[[FM音源]]でも可能なものもある。 == 出典 == {{Reflist}} == 関連項目 == {{Commonscat|Helices}} * [[右巻き、左巻き]] * [[二重らせん]] * [[マルウィヤ・ミナレット]] * [[代数螺旋]] * [[対数螺旋]] * {{仮リンク|円錐螺旋|en|conical spiral}} == 外部リンク == * {{Kotobank|螺線}} {{DEFAULTSORT:らせん}} [[Category:曲線]] [[Category:立体図形]] [[Category:数学に関する記事]] [[Category:うず]]
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