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'''表面準位''' (ひょうめんじゅんい、'''Surface states''') とは、材料の[[曲面|表面]]で見られる[[電子状態]]。表面で終わる固体材料からのシャープな遷移により形成され、表面に最も近い原子層でのみ見られる。表面を持つ材料の終端は、バルク材料から[[真空]]への[[バンド構造|電子バンド構造]]に変化をもたらす。表面のポテンシャルが弱くなると、新たな電子状態、いわゆる表面準位が形成される<ref name="BasicSurfaceStates">{{cite book|author1=Sidney G. Davison |author2=Maria Steslicka |title= Basic Theory of Surface States|publisher=Clarendon Press|year=1992|url=https://books.google.com/books?id=rR-PUXTHXIkC|isbn=0-19-851990-7}}</ref>。 ==凝縮体の界面における表面準位の起源== {{ external media | align=right | image1 = [[:en:File:FigPotential.PNG|'''図1''' 理想的な表面で終わる周期的な結晶ポテンシャルの簡略化1次元モデル。表面では、モデルのポテンシャルが急に真空準位にとぶ(実線)。破線はより現実的なグラフを表しており、ポテンシャルはある程度の距離で真空準位に達する。]] }} {{ external media | align=right | image1 = [[:en:File:Solution1.PNG|'''図2''' バルク準位に対応する1次元シュレーディンガー方程式の解の実部。これらの準位はバルクでブロッホの特徴を持ち、真空にいくと指数関数的に減衰する。]] }} {{ external media | align=right | image1 = [[:en:File:Solution2.PNG|'''図3''' 表面準位に対応する1次元シュレーディンガーの解の実部。これらの準位は真空とバルク結晶の両方で減衰するため、結晶表面に局在する準位を表す。]] }} [[ブロッホの定理]]で述べられているように、完全に周期的なポテンシャル(結晶)である単一電子シュレーディンガー方程式の固有状態はブロッホ波である<ref name="Kittel">{{cite book|author=C. Kittel|title= Introduction to Solid State Physics|publisher=Wiley|year=1996|pages=80–150|isbn=0-471-14286-7}}</ref>。 :<math> \begin{align} \Psi_{n\boldsymbol{k}} &=\mathrm{e}^{i\boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{r}}u_{n\boldsymbol{k}}(\boldsymbol{r}). \end{align} </math> ここで<math>u_{n\boldsymbol{k}}(\boldsymbol{r})</math>は結晶と同じ周期性を持つ関数であり、''n''はバンドインデックス、'''k'''は波数である。与えられたポテンシャルに許容される波数は、普通のボルン・フォン・カルマン周期境界条件を適用することで見つけられる<ref name="Kittel" />。結晶の終端つまり表面の形成は、完全な周期性からの逸脱をはっきりと起こす。結果として周期的境界条件が表面に垂直な方向で放棄されると、電子の振る舞いはバルク内の振る舞いからは逸脱し、電子構造でいくらかの修正が予想される。 '''図1'''に示すように、1次元の結晶ポテンシャルの単純化したモデルを書くことができる<ref name="Oura">{{cite book|author1=K. Oura |author2=V.G. Lifshifts |author3=A.A. Saranin |author4=A. V. Zotov |author5=M. Katayama |title=Surface Science|publisher=Springer-Verlag, Berlin Heidelberg New York|year=2003|chapter=11}}</ref>。結晶においてポテンシャルは格子の周期性''a''を持つが、表面近くでは真空準位の値に何らかの形で到達しなければならない。'''図1'''に示すステップポテンシャル(実線)は、極端な単純化であり、単純なモデル計算に最も便利である。実際の表面では、ポテンシャルは鏡像電荷と表面双極子の形成の影響を受け、破線で示されているようになる。 '''図1'''のポテンシャルを考えると、1次元単一電子シュレーディンガー方程式は、定性的に異なる2つのタイプの解が与えられることが示される<ref name="Feng">{{cite book|author1=Feng Duan |author2=Jin Guojin | title=Condensed Matter Physics:Volume 1|publisher=World Scientific| year=2005|chapter=7|isbn=981-256-070-X}}</ref>。 *1番目のタイプの準位(図2参照)は結晶内に広がり、そこにブロッホ特性を持つ。これらのタイプの解は真空に達すると指数関数的に減衰するテールで終わるバルク準位と一致する。 *2番目のタイプの準位(図3参照)は真空とバルク結晶の両方で指数関数的に減衰する。これらのタイプの解は表面準位に一致し、波動関数は結晶表面近くに局在する。 1番目のタイプの解は[[金属]]と[[半導体]]の両方で得られる。ただし、半導体では関連する[[固有エネルギー]]は許容エネルギーバンドの1つに属している必要がある。2番目のタイプの解は半導体の[[バンドギャップ|禁制エネルギーギャップ]]だけでなく、金属の投影されたバンド構造の「局所ギャップ」にも存在する。これらの状態のエネルギーは全てバンドギャップ内にあることが示される。結果として結晶内ではこれらの状態はバルクへの[[指数関数的減衰]]の原因となる[[波数]]の虚部により特徴づけられる。 ===ショックレー準位とタム準位=== 表面準位に議論においては、アメリカの物理学者[[ウィリアム・ショックレー]]にちなむショックレー準位<ref name="Shockley">{{cite journal|author=W. Shockley| journal= Phys. Rev.|volume=56|issue=4|pages=317|year=1939|doi=10.1103/PhysRev.56.317|title=On the Surface States Associated with a Periodic Potential|bibcode = 1939PhRv...56..317S }}</ref>とロシアの物理学者[[イーゴリ・タム]]にちなむタム準位<ref name="Tamm">{{cite journal|author=I. Tamm| journal= Phys. Z. Sowjetunion|title=On the possible bound states of electrons on a crystal surface|volume=1|pages=733|year=1932}}</ref>を一般的に区別する。しかし、2つの用語の間に実際の物理的な区別はなく、表面準位を記述する際の数学的なアプローチが異なるのみである。 *歴史的には、きれいで理想的な表面の[[ほとんど自由な電子]]近似のフレームワークで[[シュレーディンガー方程式]]の解として生じる表面準位は、'''ショックレー準位'''と呼ばれる。よって、ショックレー準位は結晶の終端のみに関連する電子ポテンシャルの変化により生じる準位である。このアプローチは通常の金属といくつかの{{仮リンク|狭ギャップ半導体|en|narrow gap semiconductors}}を記述するのに適している。図1,2はほとんど自由な電子近似を用いて得られたショックレー準位の例である。 *[[強結合近似|強結合]]モデルのフレームワークで計算される表面準位は、しばしば'''タム準位'''と呼ばれる。強結合のアプローチでは、電子[[波動関数]]は普通[[LCAO法]]で表現される。ショックレー準位を記述するのに使われるほとんど自由な電子モデルとは対照的に、タム準位は[[遷移金属]]と[[ワイドギャップ半導体]]の記述にも適している<ref name="Oura" />。 ===トポロジカル表面準位=== {{see also|トポロジカル絶縁体}} 全ての材料はトポロジカル不変量である単一番号により分類される。これは、[[幾何学的トポロジー]]において[[種数]]を計算するのと同じような方法でブリルアンゾーン上で統合されるバルク電子波動関数から構築される。特定の材料では、特定のバルクエネルギーバンドが強いスピン軌道結合により反転するときトポロジカル不変量が変化する。非自明なトポロジーを持つ絶縁体、いわゆるトポロジカル絶縁体と自明なトポロジーを持つ絶縁体の間の界面は金属でなくてはならない。さらに、表面準位は時間反転対称性により守られた交点を持つ線形ディラックのような分散を必ず持つ。この準位は乱雑のもとでロバストであると予測され、簡単に局所化することはできない。 参照:http://rmp.aps.org/abstract/RMP/v82/i4/p3045_1 ==ショックレー準位== ===金属の表面準位=== 金属表面の準位の基本的な特性を導出するために使われる単純なモデルは、同じ原子の半無限的な周期的連鎖である<ref name="BasicSurfaceStates"/>。このモデルにおいては、連鎖の終わりは表面を表し、ここでポテンシャルは[[ステップ関数]]の形で真空の値V<sub>0</sub>に達する('''図1''')。結晶内では、ポテンシャルは格子の周期性'''a'''で周期的であると推定される。ショックレー準位は、1次元の単一電子シュレーディンガー方程式の解として見いだされる。 :<math> \begin{align} \left[-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{d^2}{dz^2}+V(z)\right]\Psi(z) &=& E\Psi(z), \end{align} </math> 周期的ポテンシャルは :<math> \begin{align} V(z)=\left\{ \begin{array}{cc} P\delta(z+la),& \textrm{for}\quad z<0 \\ V_0,&\textrm{for} \quad z>0 \end{array}\right., \end{align} </math> ここで''l''は整数、''P''は規格化因子。解は2つの範囲''z''<0と''z>0''で独立に求める必要がある。境界(z=0)では波動関数とその導関数の連続性に関する通常条件が適用される。ポテンシャルは結晶の内部では周期的に深いため、電子[[波動関数]]は[[ブロッホ波]]である必要がある。結晶内の解は入射波と表面からの反射波の線形結合である。''z''>0では、解は真空に向かい指数関数的に減衰する必要がある。 :<math> \begin{align} \Psi(z) &=& \left\{ \begin{array}{cc} Bu_{-k}e^{-ikz}+Cu_{k}e^{ikz},&\textrm{for} \quad z<0\\ A\exp\left[-\sqrt{2m(V_0-E)}\frac{z}{\hbar}\right],& \textrm{for}\quad z>0 \end{array}\right., \end{align} </math> '''図2'''に金属表面の状態の波動関数を定性的に示す。これは表面より外で指数関数的に減衰するテールを持つ拡大したブロッホ波である。テールの結果生じるのは、結晶のすぐ内における負の[[電荷密度]]の不足と、表面する外の負電荷密度の増加であり、これにより双極子[[電気二重層|二重層]]が形成される。双極子は表面のポテンシャルを摂動させ、例えば金属の[[仕事関数]]を変化させる。 ===半導体の表面準位=== {{ external media | align=right | image1 = [[:en:File:BandstructureNFE.PNG|'''図4''' ほとんど自由な電子の電子バンド構造の図。ブリルアンゾーンの境界から離れると電子波動関数は平面波の特性を持ち、分散関係は放物線になる。ブリルアンゾーンの境界では波動関数は入射波とブラッグ反射波からなる定在波である。最終的にこれによりバンドギャップが形成される。]] }} ほとんど自由な電子の近似を用いて、狭ギャップ半導体の表面準位の基本的特性を導出することができる。この場合、半無限線形連鎖モデルも有用である<ref name="Feng" />。しかし、ここでは原子鎖に沿ったポテンシャルはコサイン関数として変化すると仮定する。 <math> \begin{alignat}{2} V(z)&= V\left[\exp\left(i\frac{2\pi z}{a}\right)+\exp\left(-i\frac{2\pi z}{a}\right)\right] \\ &=2 V\cos\left(\frac{2\pi z}{a}\right), \\ \end{alignat} </math> 一方で、表面ではポテンシャルは高さV<sub>0</sub>のステップ関数としてモデル化される。シュレーディンガー方程式の解は2つの範囲z < 0とz > 0に対して独立に得る必要がある。ほとんど自由な電子の近似の意味では、z < 0で得られる解はブリルアンゾーンの境界<math>k=\pm\pi/a</math>から離れた波数ベクトルに対して平面波の特性を持つ。ここで分散関係は'''図4'''に示すように放物線になる。ブリルアンゾーンの境界ではブラッグ反射が起こり、[[波動ベクトル]]<math>k = \pi/a</math>と<math>k=-\pi/a</math>からなる[[定在波]]が生じる。 :<math> \begin{align} \Psi(z) &= Ae^{ik z}+ Be^{i[k -(2\pi/a) ]z}. \end{align} </math> <math>G=2\pi/a</math>は[[逆格子]]の[[格子ベクトル]]である('''図4'''参照)。今回対象とするものの解はブリルアンゾーンの境界に近いため、<math>k_\perp=\bigl(\pi/a\bigr)+\kappa</math>(''κ''は少量)とする。任意定数''A'',''B''はシュレーディンガー方程式への代入により求められる。これにより固有値が求まる。 :<math> \begin{align} E &= \frac{\hbar^2}{2m}\left(\frac{\pi}{a}+\kappa\right)^2\pm |V|\left[-\frac{\hbar^2 \pi \kappa}{m a |V|}\pm \sqrt{\left(\frac{\hbar^2 \pi \kappa}{ma |V|}\right)^2+1}\right] \end{align} </math> このことは[[バンドギャップ|禁制ギャップ]]の幅が2Vで与えられる[[ブリルアンゾーン]]のエッジにおけるバンド分裂を示す。異なるバンドに起因する結晶深くの電子波動関数は :<math> \begin{align} \Psi_i &= Ce^{i\kappa z} \left( e^{i\pi z/a} + \left[-\frac{\hbar^2 \pi \kappa}{m a |V|}\pm \sqrt{\left(\frac{\hbar^2 \pi \kappa}{ma |V|}\right)^2+1}\right]e^{-i\pi z/a}\right) \end{align} </math> で与えられる。''C''は規格化定数である。 ''z = 0''近くの表面では、バルクの解は指数関数的に減衰する解に合わせる必要があり、このことはポテンシャル定数''V<sub>0</sub>''と両立できる。 :<math> \begin{align} \Psi_0 &= D\exp\left[-\sqrt{\frac{2m}{\hbar^2}(V_0-E)}z\right] \end{align} </math> 許容バンド内にある全てのとりうるエネルギー[[固有値]]に対して整合条件が満たされることを示すことができる。金属の場合と同様に、この種の解は結晶内に広がる定常波のブロッホ波を表し、表面で[[真空]]に向かってあふれる。波動関数の定性的なプロットを図2に示されている。 ''κ''の虚数の値を考慮するとき、すなわち''z ≤ 0''で''κ = - i·q''のとき、 :<math> \begin{align} i \sin(2\delta) &= -i\frac{\hbar^2 \pi q}{maV} \end{align} </math> と定義できる、結晶に入り振幅が減衰する解を得る。 :<math> \begin{align} \Psi_i(z\leq0) &= Fe^{qz}\left[\exp\left[i\left(\frac{\pi}{a}z\pm\delta\right)\right]\pm\exp\left[-i\left(\frac{\pi}{a}z\pm\delta\right)\right]\right]e^{\mp i\delta} \end{align} </math> エネルギー固有値は :<math> \begin{align} E &= \frac{\hbar^2}{2m}\left[\left(\frac{\pi}{a}\right)^2-q^2\right]\pm V\sqrt{1-\left(\frac{\hbar^2\pi q}{maV}\right)^2} \end{align} </math> と与えられる。必要に応じEは大きな負のzに対して実数である。さらに<math>0\leq q\leq q_{max}=\frac{m a V} {\hbar^2 \pi}</math>の範囲では、表面準位の全てのエネルギーは禁制帯に入る。バルクの解を指数関数的に減衰する真空解に整合させることにより、再び完全解が見つかる。結果として結晶と真空の両方で減衰する表面に局在した状態が生じる。定性的なプロットは'''図3'''に示されている。 ===3次元結晶の表面準位=== {{ external media | align=right | image1 = [[:en:File:Orbitals.PNG|'''図5''' プラチナ原子のような軌道。示された軌道は密度汎関数計算で使われるダブルゼータ基底関数系の一部である。軌道は通常の量子数(n,l,m)により区別される。]] }} [[量子細線|単原子線形鎖]]の表面準位の結果は、3次元結晶の場合に対して簡単に一般化することができる。表面格子は2次元で周期性があるため、ブロッホの定理は表面に平行な並進に対しても成り立つ必要がある。結果として、表面準位は表面に平行なk値<math>\textbf{k}_{||}=(k_x,k_y)</math>と1次元の表面準位を表す関数の積として書くことができる。 :<math> \begin{align} \Psi_0(\textbf{r}) &=& \psi_0(z)u_{\textbf{k}_{||}}(\textbf{r}_{||})e^{-i\textbf{r}_{||}\cdot\textbf{k}_{||}} \end{align} </math> この準位のエネルギーは、項<math>E_{||}</math>により増加し、 :<math> \begin{align} E_s = E_0 + \frac{\hbar^2\textbf{k}^2_{||}}{2m^*}, \end{align} </math> を得る。ここで''m<sup>*</sup>''は電子の有効質量。結晶表面、つまりz=0での整合条件は、各<math>\textbf{k}_{||}</math>に対してそれぞれ満たされ、各<math>\textbf{k}_{||}</math>に対して1つである必要がある。しかし、表面準位の一般的に異なるエネルギー準位が得られる。 ===真の表面準位と表面共鳴=== 表面準位はエネルギー<math>E_s</math>と表面に平行な波動ベクトル<math>\textbf{k}_{||}</math>により書かれるが、バルク準位は<math>\mathbf{k}_{||}</math>と<math>\mathbf{k}_\perp</math>波数の両方により特徴づけられる。したがって表面の2次元[[ブリルアンゾーン]]では、<math>\mathbf{k}_{||}</math>の各値に対して<math>\mathbf{k}_\perp</math>のロッドがバルクの3次元ブリルアンゾーンに延びている。これらのロッドにより切られているバルク[[エネルギーバンド]]により、結晶の深くまで進む準位が可能になる。よって、一般的には真の表面準位と表面共鳴は区別される。真の表面準位は、バルクエネルギーバンドで減衰しないエネルギーバンドにより特徴づけられる。これらは[[バンドギャップ|禁制エネルギーギャップ]]にのみ存在するため、'''図3'''に示すように表面に局在する。表面とバルク準位が縮退するエネルギーでは、表面とバルク準位が混ざり合い[[表面共鳴]]を形成する。このような準位はブロッホ波同様バルクの奥まで伝播することができるが、表面近くでは振幅が増大する。 ==タム準位== 強結合モデルのフレームワークで計算される表面準位はしばしばタム準位と呼ばれる。強結合のアプローチでは、電子波動関数は通常、[[LCAO法]]として表される(図5参照)。この図では、表面の存在がバルク準位のエネルギーとは異なるエネルギーの表面準位を生じさせることを理解するのは簡単である。最上部の表面層にある原子は片側に結合パートナーがないため、その軌道は隣接する原子の軌道とあまり重ならない。したがって、結晶を形成する原子のエネルギー準位の分裂とシフトは、バルクよりも表面で小さくなる。 特定の[[原子軌道|軌道]]が化学結合、例えばSiまたはGeの''sp<sup>3</sup>''混成の原因である場合、表面の存在に強く影響され、結合が切断され、軌道の残りのローブ(丸い部分)が表面から突き出る。これは[[ダングリングボンド]]と呼ばれる。このエネルギー準位は、バルクの値から大きくシフトすると予想される。 ショックレー準位の記述に用いられるほとんど自由な電子モデルとは対照的に、タム準位は[[遷移金属]]や[[ワイドギャップ半導体]]の記述にも適している。 ==外的要因の表面準位== きれいで秩序だった表面から生じる表面準位は通常、内的(''[[intrinsic]]'')と呼ばれる。これらには再構成された表面から生じる準位が含まれている。ここでは2次元の並進対称性により表面のk空間にバンド構造が生じる。 外的要因(''[[extrinsic]]'')の表面準位は通常、きれいで秩序だった表面に由来しない準位として定義される。''extrinsic''のカテゴリに入る表面は<ref name="Seidel">{{cite book|author1=Frederick Seitz |author2=Henry Ehrenreich |author3=David Turnbull |title= Solid State Physics|publisher=Academic Press|year=1996|pages=80–150|isbn=0-12-607729-0}}</ref> #表面の並進対称性が壊れている欠陥のある表面 #吸着質のある表面 #半導体酸化物もしくは半導体金属界面など2つの材料間の界面 #固体相と液体相の界面 一般的に、''extrinsic''な表面準位は化学的、物理的、構造的特性から簡単に特徴づけることができない。 ==角度分解光電子分光(ARPES)== 表面準位の分散を測定する実験技術は[[角度分解光電子分光]](ARPES)もしくは角度分解[[紫外光電子分光法]](ARUPS)である。 ==脚注== {{reflist|2}} ==関連項目== *[[界面準位]] *[[不純物準位]] *[[物性物理学]] == 外部リンク == * {{Kotobank}} {{デフォルトソート:ひようめんしゆんい}} [[Category:固体物理学]] [[Category:物質科学]] [[Category:半導体構造]]
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