誘導放射能のソースを表示

'''誘導放射能'''(ゆうどうほうしゃのう、''induced radioactivity'')とは物質に[[加速器]]や[[原子炉]]などによって[[放射線]]を照射したときに[[放射化]]によって生じる[[放射能]]のことである<ref>[[小田稔]]・上村洸・野田春彦・山口嘉夫編、『[http://webshop.kenkyusha.co.jp/book/978-4-7674-3456-8.html 理化学英和辞典]』、[[研究社]]、1998年、項目「induced radioactivity」より。ISBN 978-4-7674-3456-8　C3582</ref>

==誘導放射能の生成率==

以下では原子炉や加速器によって、一定の放射線を物質に照射し続けた場合どの程度の誘導放射能が生じるかについて述べる。照射対象の物質の単位体積あたりにM個の原子数を持つ同位体があり、[[崩壊定数]]λの放射性同位体が生成される[[反応断面積]]をσ、照射される放射線の流束をφ、単位体積あたりにおいて生成された放射性同位体の原子数をNとすれば、微小時間dt内に生成される放射性同位体数は

:<math>\sigma\phi{Mdt}</math>

であるが、生成された瞬間から[[放射性崩壊]]により壊変し続けるため、それを計算にいれれば、生成率dNは

:<math>\frac{dN}{dt}=\sigma\phi{M}-\lambda{N}</math>

で与えられる。T時間照射したときの放射性同位体の原子数は

:<math>\frac{\sigma\phi{M}}{\lambda}(1-e^{-\lambda{t}})</math>

であり、照射を停止した瞬間の放射能は

:<math>\sigma\phi{M}(1-e^{-\lambda{t}})</math>

である。ここでσφMは無限時間照射を行った場合の放射能で'''飽和強度'''といい、(1-e<sup>-λt</sup>)を'''飽和因子'''という。

==参考文献==
<references />
*物理学辞典編集委員会　編『[http://www.baifukan.co.jp/sinkan/shokai/02094X.html 物理学辞典三訂版]』、[[培風館]]、2005年、項目「誘導放射能」より。ISBN 4-563-02094-X

==関連項目==
*[[放射化]]
*[[放射化分析]]
*[[人工放射性元素]]
*[[中性子捕獲]]
*[[放射性同位体]]
*[[放射性廃棄物]]

{{放射線}}

{{DEFAULTSORT:ゆうとうほうしやのう}}

[[Category:原子力]]
[[Category:原子核物理学]]
[[Category:放射線]]