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{{出典の明記|date=2022年11月22日 (火) 09:41 (UTC)}} '''誘電正接'''(ゆうでんせいせつ、dissipation factorあるいはLoss tangent)とは、[[誘電体]]内での電気[[エネルギー]]損失の度合いを表す数値である。 その定義から「タンジェント・デルタ」、あるいは略して「タンデルタ」「タンデル」と呼ぶこともある。 [[コンデンサ]]内での電気エネルギー損失の度合いを表す数値として用いられることが多い。[[コイル]]において対応する現象として[[銅損]]および[[鉄損]]がある。 ==概要== [[ファイル:TandDelta_1.png|160px|right|理想コンデンサの回路とベクトル図]] [[ファイル:TandDelta_2.png|160px|right|実際のコンデンサの回路とベクトル図]] 理想的な[[コンデンサ]]の場合、外部から与えられた[[電荷]]を損失無く蓄え、そして損失無く放出することが出来る(図1)。 しかし実際の[[コンデンサ]]では、電極の抵抗成分や電極間の漏れ電流、[[誘電体]]の構成分子の[[熱振動]]による抵抗([[誘電損]])などが存在し、[[電荷]]をやりとりする際にエネルギー損失が生じる。 この損失は[[高周波]][[交流]]を加えたときに顕著となる。 実際の[[コンデンサ]]を[[等価回路]]で示すと、理想[[コンデンサ]] <math>\it{C}</math> と並列に[[寄生]]抵抗 <math>\it{R_{\rm{p}}}</math> が存在していることになる(図2)。 理想[[コンデンサ]]に流れる[[電流]]を <math>\it{I_{\rm{c}}}</math>、[[寄生]]抵抗に流れる[[電流]](エネルギー損失)を <math>\it{I_{\rm{r}}}</math> とした場合、 {{Indent|<math>\frac{I_r}{I_c}=\frac{1}{\omega C R_p}=\tan\delta</math>}} と定義される。これを'''誘電正接'''と呼び、<math>\delta</math>を'''損失角'''と呼ぶ。 また <math>\frac{I_r}{I_c}</math> は複素誘電率の実数部と虚数部の比でもある。 ==性能== コンデンサにおいては、誘電正接の数値は小さければ小さいほど良く、高周波特性を大きく決定付ける。 具体的数値としては、良好なもので0.002 - 0.02(周波数1GHzにおいて)の範囲を取る。 ==性能を左右する要素== 誘電正接を左右する要素としては、 * 印加する交流の周波数 * 動作時の温度 * 誘電体の材質 * コンデンサの構造 * 湿度 等が挙げられる。 この中でも誘電正接の値は周波数と湿度に大きく依存する。 ==測定== [[LCRメータ]]で直接、あるいは[[ブリッジ回路]]を使って測定する。学校での実験実習の場合は後者が多い。複数の周波数において、それぞれの誘電正接を求めるのが一般的である。動作させる周波数が固定の場合はその限りではない。 == 関連項目 == * [[コンデンサ]] * [[誘電体]] {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:ゆうてんせいせつ}} [[Category:電気]] {{tech-stub}}
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