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[[初等幾何学]]における'''超平面'''(ちょうへいめん、{{lang-en-short|''hyperplane''}})の概念は、二次元の[[平面]]をそれ以外の次元へ一般化するものである。[[高次元空間|''n''-次元空間]]における超平面とは、次元が ''n'' − 1 の[[平坦性 (初等幾何学)|平坦]]な部分空間をいう。その特質として、一つの超平面は全体空間を二つの[[半空間]]に[[集合の分割|分割]]する。 == 技術的な概説 == ''n''-次元空間 ''V'' の'''超平面'''は、(''n'' − 1)-次元の(つまり{{仮リンク|余次元|en|Codimension}}が 1 の)「平坦な」部分集合(これを (''n'' − 1)-次平坦な部分集合などということもある)である。考える空間は[[ユークリッド空間]]かもしれないし、より一般に[[アフィン空間]]や[[線型空間]]、[[射影空間]]を考えることもできるが、それぞれの場合に応じて超平面の概念も変わってくる。しかしこれらの何れの場合にも、任意の超平面には、単独(これは余次元 1 という制約に対応する)の[[一次方程式|一次代数方程式]](これは平坦という制約条件に対応する)の解としての[[座標系]]を与えることができる。 また ''V'' が線型空間であるとき(このとき ''V'' はアフィン空間でもある)は、「線型超平面」(線型部分空間となっているような超平面、したがって必ず原点を通る)と「アフィン超平面」(アフィン部分空間となっているような超平面、これは必ずしも原点を通らなくてよい。線型超平面の[[平行移動]]で得られる)とが区別を受ける。 ユークリッド空間における超平面は、全空間を二つの[[半空間]]に分離し、その超平面を動かさずにそれら二つの半空間を入れ替える操作としての[[鏡映変換]]を定める。 == 二面角 == ユークリッド空間の互いに平行でない二つの[[二面角|超平面の成す角]]とは、それらに対応する[[法ベクトル]]の[[ベクトルのなす角|成す角]]をいう。それら二つの超平面に付随する鏡映の[[写像の合成|積]]は、軸がそれら二つの超平面の交わりに含まれる余次元 2 の部分空間となるような[[回転変換]]で、その回転角はそれら超平面の成す角の二倍になる。 == 超平面の種類 == いくつか異なる種類の超平面が、特定の目的に対して都合の良い性質を以て定義される。そのような特殊化のいくつかを以下に挙げる。 === アフィン超平面 === '''アフィン超平面'''は[[アフィン空間]]の余次元が 1 の[[アフィン部分空間]]である。 [[直交座標系]]に関して、アフィン超平面は :<math>a_1x_1 + a_2x_2 + \cdots + a_nx_n = b</math> なる形(ただし少なくとも一つの ''a''<sub>''i''</sub> が 0 でない)の単独の[[一次方程式]]を以て記述することができる。実超平面の場合(つまり各座標が実数であるような場合)には、この超平面は全空間をこの超平面の[[補集合]]の[[連結成分]]である二つの半空間に分離するが、その各半空間は、 :<math>a_1x_1 + a_2x_2 + \cdots + a_nx_n \lessgtr b</math> なる二つの[[不等式]]によって与えられる。 例として、[[直線]]は二次元空間における超平面であり、[[平面]]は三次元空間における超平面である。また三次元空間内の直線は超平面でなく、全空間を二つの成分に分けはしない(実際、三次元空間における直線の補集合は連結である)。 ユークリッド空間の任意の超平面はちょうど二つの[[単位ベクトル|単位法ベクトル]]を持つ。 アフィン超平面は、線型結合(斜格)[[決定木]]や[[パーセプトロン]]などの多くの[[機械学習]]アルゴリズムにおいて[[決定境界]]を定めるのに用いられる。 === 線型超平面 === 線型空間における'''線型超平面'''とは、余次元 1 の線型部分空間のことで、そのような超平面は単独の[[斉一次方程式]]の解全体の成す空間に一致する。 === 射影超平面 === 射影幾何学では'''射影超平面'''を考えることができる。射影幾何をアフィン幾何に[[無限遠点]](俗に[[消失点]])を加えたものと考えることができるが、その立場ではアフィン超平面に付随する無限遠点を合わせて考えたものが射影超平面を成す。射影超平面の特別な場合の一つが、無限遠点全体の成す集合として定義される'''無限遠超平面'''あるいは'''理想超平面'''と呼ばれるものである。 実射影空間においては、一つの超平面が全空間を二つに分かつことはなく、点を分離して全空間を分割するのには二つの超平面を用いる。実射影空間でこのようになる理由は、この空間が本質的に「ぐるりと巻き込まれて」いて、単独の超平面の端は反対側の端と互いに繋がっているからである。 == 関連項目 == *[[超曲面]] *[[決定境界]] *[[ハムサンドイッチの定理]] *[[超平面の配置問題]] *[[分離超平面定理]] *[[支持超平面定理]] == 参考文献 == {{Reflist}} * [[Charles W. Curtis]] (1968) ''Linear Algebra'', page 62, [[Allyn & Bacon]], Boston. * [[Heinrich Guggenheimer]] (1977) ''Applicable Geometry'', page 7, Krieger, Huntington ISBN 0-88275-368-1 . * Victor V. Prasolov & VM Tikhomirov (1997,2001) ''Geometry'', page 22, volume 200 in ''Translations of Mathematical Monographs'', [[American Mathematical Society]], Providence ISBN 0-8218-2038-9 . == 外部リンク == *{{MathWorld|urlname=Hyperplane|title=Hyperplane}} *{{MathWorld|urlname=Flat|title=Flat}} {{次元}} {{DEFAULTSORT:ちようへいめん}} [[Category:初等幾何学]] [[Category:線型代数学]] [[Category:高次元幾何学]] [[Category:数学に関する記事]]
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