輝度 (光学)のソースを表示

{{Otheruses|光学における用語|他分野での用語|[[輝度]]}}
{{出典の明記|date=2011年12月}}
{{物理量
 |名称 = 輝度
 |英語 = luminance
 |記号 = {{mvar|L}}, {{math|''L''{{sub|v}}}}
 |次元 = [[光度_(光学)|J]] [[長さ|L]]{{sup-|2}}
 |階 = スカラー
 |SI = [[カンデラ]]毎[[平方メートル]]（cd/m{{sup|2}}）
}}
{{物理学}}

'''輝度'''（きど、{{Lang-en-short|luminance}}）とは、広がりを持つ[[光源]]からある方向へ射出される[[光]]（[[可視光]]）の面積あたりの明るさを表す[[物理量]]である。広がりを持つ光源に用いられる物理量であるため、[[点]]光源とみなされる光源（[[天体|星]]など）では用いられない。

輝度は[[ヒト]]の感じる[[心理物理量]]のひとつである。

== 定義 ==
[[File:Source and Target.svg|thumb|]]
広がりを持つ光源の微小な[[表面積]] {{mvar|dS}} から[[角度]] {{mvar|&theta;}} の方向へ射出される光の[[光度 (光学)|光度]]が {{mvar|I}} であるときの輝度は
{{Indent|
<math>L =\frac{1}{\cos\theta} \frac{dI}{dS}</math>
}}
で定義される{{sfn|JIS Z 8000-7}}。
ここで {{math|cos ''&theta;''}} は[[法線]]に対する[[方向余弦]]であり、微小面 {{mvar|dS}} の単位[[法ベクトル]] {{mvar|'''n'''}} と射出方向の単位ベクトル {{math|1={{mvar|'''k'''}} = {{mvar|'''r'''}}/''r''}} により
{{Indent|
<math>\cos\theta =\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{k}</math>
}}
である。

[[光束]]や[[光度 (光学)|光度]]と同様に、対応する放射量である[[放射輝度]]の[[波長]]ごとの重み付けにより表すことができる。
すなわち、波長 {{mvar|&lambda;}} における分光放射輝度を {{math|''L''{{sub|e,''&lambda;''}}}} とすれば、[[分光視感効果度]] {{mvar|K}}、最大視感効果度 {{math|''K''{{sub|m}}}} と[[比視感度]] {{mvar|V}} により
{{Indent|
<math>L =\int_0^\infty K(\lambda)\, L_{\text{e},\lambda}\, d\lambda
 =K_\text{m} \int_0^\infty V(\lambda)\, L_{\text{e},\lambda}\, d\lambda</math>
}}
で表される{{sfn|JIS Z 8000-7}}。

== 他の測光量との関係 ==
定義式を変形して光源外部の総ての方向に対して積分することで[[光束発散度]]
{{Indent|
<math>M =\frac{d\varPhi_\text{src}}{dS}
 =\frac{d}{dS}\int_\text{ext} I\, d\omega =\int_\text{ext} L\cos\theta\, d\omega</math>
}}
が得られる。
微小立体角を[[天頂|天頂角]] {{mvar|&theta;}} と[[方位角]] {{mvar|&phi;}} で表せば
{{Indent|
<math>M =\oint d\phi \int_0^{\pi/2} L(\theta,\phi) \cos\theta \sin\theta\, d\theta</math>
}}
である。特に輝度が方向に依らない場合は
{{Indent|
<math>M =\pi L</math>
}}
となる。

== 特徴 ==
[[ファイル:Luminance ja.png|thumb|輝度]]
[[光度 (光学)|光度]]と輝度の違いは、光源の[[面積]]を考慮するかしないかである。右図のように、光源に広さがある場合、広ければ広いほど当然明るくなる。輝度は光源が広くなることによる明るさを無視できるように、面光源の面積で光度を割る（[[微分]]する）ことによって算出される。一般的に、光度は発光する物の面積を考えない星や[[電灯]]の明るさを表すのに対し、輝度は[[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]などの明るさを表す時に利用される。

[[照度]]と輝度の違いは、[[観測]]者の[[感受性]]を考慮するかしないかである。例えば、同じ輝度で同じ面積の[[蛍光灯]]で[[本]]を照らすとき、本を近くに置けば照度が高くなって読みやすくなり、遠くに置けば照度が低下して読みにくくなる。

すなわち、輝度は平面状の光源における面積や観測者に依存しない[[指標]]なのである。

== 単位系 ==
=== 測光の国際単位系 ===
{{SI light units}}

=== 単位系の補足 ===
輝度の単位である「カンデラ毎平方メートル」を「nt」「nit」で表すことがある<ref>[https://xtech.nikkei.com/dm/article/WORD/20101129/187662/ FPD用語辞典「画質」]</ref>。[[ブラウン管|CRT]]テレビや[[プラズマディスプレイ|PDP]]テレビ、[[液晶]]テレビなどの「ピーク輝度」（画面の一部だけを発光させたときの最大輝度）の定量表現の数値に使われている。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite jis|Z|8000-7|2022
 |name= 量及び単位－第７部：光及び放射
}}

== 関連項目 ==
* [[明度]]
* [[ブライトネス]]
* [[放射輝度]]
* [[光学]]
* [[映像信号]]

<!--== 外部リンク ==  {{Cite web}}
{{節stub}} -->
{{Physics-stub}}
{{Tech-stub}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:きと}}
[[Category:色]]
[[Category:物理量]]
[[Category:光学]]
[[Category:ディスプレイ技術]]