辺心距離のソースを表示

[[File:Apothem of hexagon.svg|thumb|[[正六角形]]の中心垂線]]
[[File:regular_polygon_side_count_graph.svg|thumb|外接円の半径が {{math|1}} の正 {{mvar|n}}-角形の、一辺の長さ {{mvar|s}}; 辺心距離 {{mvar|a}}; 面積 {{mvar|A}} を表したグラフ。同じ面積を持つ矩形の底辺の長さを {{mvar|b}} として、緑の線は {{math|1=''n'' = 6}} の場合を示す]]
[[初等幾何学]]における[[正多角形]]の'''辺心距離'''（へんしんきょり、{{lang-en-short|''apothem''}}{{efn|短く '''apo''' とも<ref name="Shaneyfelt">{{cite web | title=德博士的 Notes About Circles, ज्य, & कोज्य: What in the world is a hacovercosine? | first=Ted V. | last=Shaneyfelt | publisher=[[University of Hawaii]] | location=Hilo, Hawaii | url=http://www2.hawaii.edu/~tvs/trig.html | access-date=2015-11-08 |dead-url=no | archive-url=https://web.archive.org/web/20150919053929/http://www2.hawaii.edu/~tvs/trig.html | archive-date=2015-09-19}}</ref>}}）は、その正多角形の中心と各辺の[[中点]]を結ぶ線分あるいは同じことだが、中心から各辺へ下ろした垂線 (''apothem''; {{訳語疑問点範囲|中心垂線、心垂線|date=2019年6月}}) の[[長さ]]を言う。多角形が心垂線を持つのは、正多角形の場合に限られるから、ひとつの多角形における心垂線はすべて互いに[[図形の合同|合同]]である。

正[[角錐|多角錐]]は、その底面が正多角形であるような角錐であるが、その底面正多角形の辺心距離は側面の{{ill2|斜高|en|slant height}}（つまり、頭頂点 (apex) から考えたい面の底辺への最短距離）である。截頭多角錐（正多角錐を底面と平行な[[平面]]で截断して頭頂点を含む部分を取り除いたもの）の場合、底面多角形の辺心距離は台形側面の高さになる。

正三角形の場合、定義によりいくつもの異なる心（[[外心]]、[[内心]]、[[幾何中心|重心]]、垂心など）が一致するから、各辺の中点からそれら中心を結んだ線として心垂線を定義しても同じことである。

== 性質 ==
辺心距離 {{mvar|a}} から、一辺の長さ {{mvar|s}} の任意の正 {{mvar|n}}-角形の面積 {{mvar|A}} が、公式 <math display="block">A = \frac{nsa}{2} = \frac{pa}{2}</math> に従って計算できる。[[周長]] {{mvar|p}} が {{math|1=''p'' = ''ns''}} で求められることに注意すれば、この面積は辺心距離と[[半周長]]との積 {{mvar|a&sdot;p/2}} に等しいとも述べられる。この公式は、正 {{mvar|n}} 角形を {{mvar|n}} 個の互いに[[図形の合同|合同]]な[[二等辺三角形]]に分割すれば求められる（このとき、各二等辺三角形の高さは辺心距離にほかならないことに注意する）。

正多角形の辺心距離は、その正多角形に内接する円の半径（[[内接円|内半径]]）に常に等しい。これはまた、正多角形の中心から任意の辺までの間の最短距離である。この性質を使って円の面積公式を容易に導出することもできる&mdash;辺の数を無限大に飛ばすとき、正多角形の面積は半径 {{math|1=''r'' = ''a''}} の内接円の面積に近づくから、円の面積 {{mvar|A}} は <math display="block">A = \frac{pa}{2} = \frac{(2\pi r)r}{2} = \pi r^2</math> となる。

== 求長 ==
正多角形の辺心距離の計算方法はいくつも知られている。

一辺の長さ {{mvar|s}} の正 {{mvar|n}}-角形の辺心距離 {{mvar|a}} および[[外接円|外半径]] {{mvar|R}} は公式 <math display="block">a = \frac{s}{2\tan(\frac{\pi}{n})} = R\cos\Bigl(\frac{\pi}{n}\Bigr)</math> で求められる。あるいは <math display="block">a = \frac{s}{2}\tan\!\Big(\frac{\pi(n - 2)}{2n}\Bigr)</math> でも辺心距離は求まる。

正多角形の一辺の長さ {{mvar|s}} は辺の数 {{mvar|n}} と[[周長]] {{mvar|p}} によって {{math|1=''s'' = {{fraction|''p''|''n''}}}} と表されるから、上記の公式を {{mvar|p}} と {{mvar|n}} を使った式に直すこともできる。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{notelist}}
=== 出典 ===
{{reflist}}

== 関連項目 ==
* [[外接円]]: 正多角形について、辺心距離の外接版は外接半径
* [[矢 (幾何学)]]
* [[弦 (幾何学)]]
* {{ill2|斜高|en|Slant height}}

== 外部リンク ==
{{wiktionary}}
* [http://www.mathopenref.com/polygonapothem.html Apothem of a regular polygon] With interactive animation
* [http://www.bymath.com/studyguide/geo/sec/geo15.htm Apothem of pyramid or truncated pyramid]
* {{cite web| title=Sagitta, Apothem, and Chord |first=Ed | last=Pegg, Jr.| author-link=Ed Pegg, Jr.| publisher=[[The Wolfram Demonstrations Project]] |url=http://demonstrations.wolfram.com/SagittaApothemAndChord/ |accessdate=2019年6月}}
* {{MathWorld|urlname=Apothem|title=Apothem}}
* {{SpringerEOM|urlname=Apothem|title=Apothem}}

{{DEFAULTSORT:へんしんきより}}
[[Category:多角形]]
[[Category:数学に関する記事]]