逆カルノーサイクルのソースを表示

{{出典の明記|date=2011年10月}}
'''逆カルノーサイクル'''（ぎゃくカルノーサイクル、{{lang-en-short|reversed Carnot cycle}}）は、理論的に最も効率の高い理想的な可逆[[熱力学サイクル]]である。[[カルノーサイクル]]を逆運転させたものであり、低温の[[熱源]]（[[絶対温度]]''T''<sub>C</sub>）から高温の熱源（''T''<sub>H</sub>）へ熱を移動させるが、その際、外部から仕事を受け取ることが必要である。この点、外部に仕事を果たすカルノーサイクルとは逆である。



{{Vertical_images_list
|1=Carnot VP.PNG
|2=逆カルノーサイクルのP-V線図
|3=Carnot TS.png
|4=逆カルノーサイクルのT-S線図
}}

== サイクル ==
* 1-4 温度''T''<sub>C</sub> で''Q''<sub>C</sub> の[[熱]]を[[等温過程]]により[[吸熱]]
* 4-3 温度''T''<sub>H</sub> まで[[断熱圧縮]]
* 3-2 温度''T''<sub>H</sub> で''Q''<sub>H</sub> の熱を等温放熱
* 2-1 温度''T''<sub>C</sub> まで断熱膨張

== 理論成績係数 ==
[[成績係数]]COPは吸熱量を見る冷凍機サイクルとしての(COP)<sub>R</sub> と、放熱量を見るヒートポンプサイクルとしての(COP)<sub>H</sub> に分けられる。
: <math>\mathrm{(COP)_R} = \frac{Q_\mathrm{C}}{W} = \frac{T_\mathrm{C}}{T_\mathrm{H} - T_\mathrm{C}}</math>
: <math>\mathrm{(COP)_H} = - \frac{Q_\mathrm{H}}{W} = \frac{T_\mathrm{H}}{T_\mathrm{H} - T_\mathrm{C}} = \mathrm{(COP)_\mathrm{R}} + 1 >1</math>
ここで
* (COP)<sub>R</sub> : 冷凍サイクルの理論成績係数
* (COP)<sub>H</sub> : ヒートポンプサイクルの理論成績係数
である。
また、熱量''Q''<sub>H</sub> 、''Q''<sub>C</sub> および外部から供給された有効仕事''W'' は、各状態の[[絶対温度]]''T'' 、[[エントロピー]]''S'' を用いて次のように表される：
: <math>Q_\mathrm{H} = T_\mathrm{H} (S_2 - S_3) < 0 </math>

: <math>Q_\mathrm{C} = T_\mathrm{C} (S_4 - S_1) = T_\mathrm{C} (S_3 - S_2)</math>

: <math>W = - (Q_\mathrm{H} + Q_\mathrm{C}) = (T_\mathrm{H} - T_\mathrm{C}) (S_3 - S_2)</math>
<!-- 式中に現れないので削除
P : 気体の[[圧力]] 　  V : 気体の[[体積]]
-->

== 関連項目 ==
{{Columns-list|3|
* [[熱機関]]
* [[熱力学サイクル]]
* [[カルノーサイクル]]
* [[冷凍サイクル]]
* [[ヒートポンプ]]
* [[冷凍機]]
* [[熱効率]]
* [[成績係数]]
* [[熱力学]]
* [[熱力学第一法則]]
* [[熱力学第二法則]]
* [[カルノーの定理 (熱力学)]]
}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
|author = 佐藤俊
|coauthors = 国友孟
|title = 熱力学
|year = 1984
|publisher = [[丸善]]
|isbn = 4-621-02917-7
|page = 121
}}

{{Physics-stub}}
{{DEFAULTSORT:きやくかるのおさいくる}}
[[Category:冷却]]
[[Category:熱力学サイクル]]
[[Category:ニコラ・レオナール・サディ・カルノー]]