過渡現象のソースを表示

'''過渡現象'''（かとげんしょう、{{lang-en-short|transient phenomena}}）は、ある[[定常状態]]から別の定常状態に変化するときに、いずれの状態とも異なり時間的に状態が変化する[[非定常状態]]になる現象のことである。

== 電気回路における過渡現象 ==
[[電気回路]]において、[[抵抗]]、[[インダクタンス]]、[[コンデンサ]]などの素子を組み合わせた回路に対して、[[直流]]電圧または[[交流]]電圧を印加しているときの電流や電圧の変化は回路理論で扱われる。

同様の回路に対して、過渡現象とは、
*急に電圧を加える
*急に電圧を取り去る
*素子の回路定数が変化する
といった変化が発生した場合に、それまでの素子電圧や電流が一定の状態（定常状態）であったものに変化が生じ、十分に時間が経過した後に別の定常状態に到達するまでの間、時間的に変化する電圧や電流の振る舞いのことを指す<ref>{{cite|和書|author=岡部昭三|title=過渡現象|publisher=学献社|year=1988|page=1}}</ref>。

=== 過渡現象の解析方法 ===
過渡現象解析の基本は、[[キルヒホッフの法則 (電気回路)|キルヒホッフの法則]]により電圧あるいは電流（電荷）に関する[[微分方程式]]を作り、[[一般解]]を求め、さらに[[初期条件]]から定数を決定することである<ref>{{cite|和書|author=平山博|title=電気回路論 改訂版|publisher=電気学会|year=1974}}第9章</ref>。

例えば、<!--電流<math>i</math>によって生じる逆起電力は、

*[[抵抗]] ''R '' に対し、
{{indent|<math>Ri</math>}}
*[[インダクタンス]] ''L'' に対し、
{{indent|<math>L \frac{\mathrm{d}i}{\mathrm{d}t}</math>}}
*[[コンデンサ]] ''C'' に対し、
{{indent|<math>\frac{1}{C} \int i \mathrm{d}t</math>}}

となるので、キルヒホッフの法則により電源起電力に等しくなるように方程式を作ればよい。

-->直列の[[RLC回路]]回路に起電力''E'' (''t'' ) を加える場合、
:<math>E(t) = Ri + L \frac{\mathrm{d}i}{\mathrm{d}t} + \frac{1}{C} \int i \mathrm{d}t</math>
という[[強制振動]]の方程式となり、これを解くことになる（式の詳細については[[RLC回路#回路解析]]を参照）。

== 力学系における過渡現象 ==
{{節stub}}
質量・バネ・ダンパモデルに加振力''f'' (''t'' ) を加えたときの運動方程式は次式である（[[減衰振動]]を参照）：
:<math>f(t) = m\ddot{x}(t) + \gamma\dot{x}(t) + kx(t)</math>
電気回路数学的には同等となる。

== 手法 ==
解析を代数方程式化し行いやすくするために各種の方法がある<ref>{{cite|和書|author=平山博|title=電気回路論 改訂版|publisher=電気学会|year=1974}}第10章</ref>。

*[[ヘヴィサイドの演算子法]]
*[[ラプラス変換]]

== 出典 ==
<references/>

== 関連項目 ==
* [[電気工学]]
* [[電気回路]]
* [[回路理論]]
* [[時定数]]

{{Electronics-stub}}
{{physics-stub}}

{{DEFAULTSORT:かとけんしよう}}
[[Category:電気回路]]
[[Category:電気工学]]
[[Category:電気理論]]
[[Category:振動と波動]]