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{{出典の明記|date=2021年4月6日 (火) 11:06 (UTC)}} '''部分内殻補正'''(ぶぶんないかくほせい、Nonlinear core correctionまたは、Partial core correction):[[擬ポテンシャル]]では通常[[価電子]]のみを考慮し、原子の[[内殻電子]]からの寄与を考慮しない。電子間の相互作用である[[交換・相関項]]の部分は[[電荷密度]]に対して非線形な形になっているため問題を生じる場合がある。系全体の電荷密度ρが内殻電子による部分ρ<sub>c</sub>と価電子による部分ρ<sub>v</sub>との和、 :<math> \rho \,= \rho_c + \rho_v </math> と表されるとして、電荷密度の関数として表現される交換相関エネルギーE<sub>xc</sub>は非線形なため、 :<math> E_{xc} (\rho) = E_{xc} (\rho_c + \rho_v) \ne E_{xc} (\rho_c) + E_{xc} (\rho_v) </math> と、単純に分離することができない。擬ポテンシャルを使用するバンド計算では、そのままでは上式最右辺の第二項、E<sub>xc</sub>(ρ<sub>v</sub>)がそのまま用いられる。部分内殻補正は部分的な内殻電子からの寄与を考慮することによって、この問題を補正するものである[1]。 [[第一原理バンド計算]]では、[[局所密度近似]](LDA)を用いた場合、平衡格子定数が実験値より1,2%ほど過小に評価される。特に擬ポテンシャルを使った[[バンド計算]]では、[[アルカリ金属]]や[[遷移金属]]で、この過小評価が大きくなる場合がある。部分内殻補正を導入することにより、アルカリ金属や遷移金属での平衡格子定数の過小評価の問題が改善される。また擬ポテンシャルを使用したバンド計算で、Fe、Co、Niにおける[[磁気モーメント]]の値の実験値からのずれを改善する。 == 参考文献 == [1] S. G. Louie, S. Froyen and M. L. Cohen, Phys. Rev. B'''26''' (1982) 1738. {{DEFAULTSORT:ふふんないかくほせい}} [[Category:バンド計算]]
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