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{{出典の明記|date=2016年10月}} '''酸化物'''(さんかぶつ、{{lang-en|oxide}})は、[[酸素]]とそれより[[電気陰性度]]が小さい元素からなる[[化合物]]である。酸化物中の[[酸素原子]]の[[酸化数]]は−2である。[[酸素]]は、ほとんどすべての元素と酸化物を生成する。[[貴ガス]]については、[[ヘリウム]] (He)、[[ネオン]] (Ne) そして[[アルゴン]] (Ar) の酸化物はいまだ知られていないが、[[キセノン]] (Xe) の酸化物([[三酸化キセノン]])は知られている。一部の[[金属]]の酸化物や[[ケイ素]]の酸化物([[ケイ酸塩]])などは[[セラミックス]]とも呼ばれる。 == 性質 == [[典型元素]]の酸化物は、[[周期表]]の[[元素の族|族]]に特有の性質を示す(詳細は下に示す各元素族酸化物の項に詳しい)。 : '''典型元素''' :* [[第1族元素#酸化物|第1族元素酸化物の性質]] - [[水素|<sub>1</sub>H]], [[リチウム#名称|<sub>3</sub>Li]], [[ナトリウム#名称|<sub>11</sub>Na]], [[カリウム|<sub>19</sub>K]], [[ルビジウム#名称|<sub>37</sub>Rb]], [[セシウム#名称|<sub>55</sub>Cs]], [[フランシウム|<sub>87</sub>Fr]] :* [[第2族元素#酸化物|第2族元素酸化物の性質]] - [[ベリリウム#名称|<sub>4</sub>Be]], [[マグネシウム#名称|<sub>12</sub>Mg]], [[カルシウム#名称|<sub>20</sub>Ca]], [[ストロンチウム#名称|<sub>38</sub>Sr]], [[バリウム#名称|<sub>56</sub>Ba]], [[ラジウム|<sub>88</sub>Ra]] :* [[第13族元素#酸化物|第13族元素酸化物の性質]] - [[ホウ素#名称|<sub>5</sub>B]], [[アルミニウム#名称|<sub>13</sub>Al]], [[ガリウム#名称|<sub>31</sub>Ga]], [[インジウム#名称|<sub>49</sub>In]], [[タリウム#名称|<sub>81</sub>Tl]] :* [[第14族元素#酸化物|第14族元素酸化物の性質]] - [[炭素#名称|<sub>6</sub>C]], [[ケイ素#名称|<sub>14</sub>Si]], [[ゲルマニウム#歴史|<sub>32</sub>Ge]], [[スズ#化合物|<sub>50</sub>Sn]], [[鉛#名称|<sub>82</sub>Pb]] :* [[第15族元素#酸化物|第15族元素酸化物の性質]] - [[窒素|<sub>7</sub>N]], [[リン#リンの化合物|<sub>15</sub>P]], [[ヒ素|<sub>33</sub>As]], [[アンチモン#名称|<sub>51</sub>Sb]], [[ビスマス#名称|<sub>83</sub>Bi]] :* [[第16族元素#酸化物|第16族元素酸化物の性質]] - [[硫黄|<sub>16</sub>S]], [[セレン#名称|<sub>34</sub>Se]], [[テルル#名称|<sub>52</sub>Te]], [[ポロニウム#名称|<sub>84</sub>Po]] :* [[第17族元素#酸化物|第17族元素酸化物の性質]] - [[フッ素#名称|<sub>9</sub>F]], [[塩素#名称|<sub>17</sub>Cl]], [[臭素#名称|<sub>35</sub>Br]], [[ヨウ素#化合物|<sub>53</sub>I]], [[アスタチン#名称|<sub>85</sub>At]] :* [[第18族元素#酸化物|第18族元素酸化物の性質]] - [[クリプトン#名称|<sub>36</sub>Kr]]、[[キセノン#名称|<sub>54</sub>Xe]] == 種類 == 酸化物は[[酸と塩基#ブレンステッド・ローリーの定義|ブレンステッド酸ないしはブレンステッド塩基]]としての性質を示す。[[酸]]としての性質のみを示すものを'''[[酸性酸化物]]'''、[[塩基]]としての性質のみを示すものを'''[[塩基性酸化物]]'''、そして酸としても塩基としても反応するものを'''[[両性酸化物]]'''と呼ぶ。([[水]] H<sub>2</sub>O や[[一酸化窒素]] NO などは酸性も塩基性も示さないため、'''中性酸化物'''と呼ばれることがある。)金属元素の酸化物は[[塩基性酸化物]]、非金属元素の酸化物は酸性酸化物、その中間の元素の酸化物は[[両性酸化物]]となることが多い。両性酸化物として、ここでは[[アルミニウム]]の例を示す。 : <chem>Al2O3\ + 3H2O\ + 2OH^- -> 2[Al(OH)4]^-</chem> (酸として反応) : <chem>Al2O3\ + 6H^+ -> 2Al^{3+}\ + 3H2O</chem> (塩基として反応) 金属酸化物の物性は多様であり、身近な製品で酸化物を含まないものを見つけるほうが困難なほどである。 電気的特性を例に取ってみても、[[絶縁体]]、金属と同程度の[[導電率]]を有する電子伝導体、イオン伝導体、超伝導体([[高温超伝導]])、[[熱電変換素子]]、[[強誘電体]]、[[強磁性体]]など、その物性と用途は多岐にわたる。具体的には、[[二酸化ケイ素]] SiO<sub>2</sub> は絶縁体として半導体素子の基礎である[[トランジスタ]]に用いられ、[[イットリウム]]・[[バリウム]]・[[銅]]の酸化物は代表的な[[高温超伝導体]]である[[イットリウム系超伝導体]]であり、[[コバルト]]酸化物は有望な[https://www.riken.jp/press/2020/20200622_1/index.html 熱電変換材料]と考えられている。 == 酸化鉱物 == {{See also|鉱物の一覧#酸化鉱物}} [[鉱物学]]において、[[金属元素]]が酸素と結合している[[鉱物]]を'''酸化鉱物'''(さんかこうぶつ、{{Lang-en-short|[[:en:oxide mineral|oxide mineral]]}})という。[[石英]] (SiO<sub>2</sub>)、[[磁鉄鉱]] (Fe<sup>2+</sup>Fe<sup>3+</sup><sub>2</sub>O<sub>4</sub>)、[[コランダム]] (Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>)などがある。 == 関連項目 == {{Commonscat|Oxides}} * [[オゾン化物]] * [[過酸化物]] * [[スーパーオキシドアニオン]](超酸化物イオン) * [[ジオキシゲニル]] * [[亜酸化物]] * [[ペルオキシド]] * [[オキソ酸]] * [[酸と塩基]] {{Strunz}} {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:さんかふつ}} [[Category:酸化物|*]] [[Category:アニオン]]
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