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'''重力加速度'''(じゅうりょくかそくど、{{lang-en-short|gravitational acceleration}})とは、[[重力]]により生じる[[加速度]]である。 == 概略 == 端的にいえば、'''物体を落としたとき、その物体の速度が単位時間当たりにどれだけ速くなるか'''を示した量であるといえる。原則として重力のみが作用する物体の運動の様子は、[[等価原理]]により物体の質量によらない。つまり重い物体でも軽い物体でも同じ速度で落下することが証明されているが、この落下する速度はだんだん上がる性質がある<ref>[http://www.buturigaku.net/main01/Mechanics/Mechanics20.html 重力加速度] - 物理学解体新書</ref>。このため重力を加速度によって表現することが可能となる。 [[単位]]には加速度と同じく[[メートル毎秒毎秒]] (記号: m/s{{sup|2}})が用いられる。ただし、質量あたりにかかる力 (''g = F/m'')という解釈から[[ニュートン (単位)|ニュートン]]毎[[キログラム]] (記号: N/kg)の方がより適当だとの主張もある。どちらの単位を用いても数値は同じである。重力加速度は、重力を意味する{{lang-en|gravity}} の頭文字を取って [[G|{{mvar|g}}]] で表される。[[万有引力定数]]の {{mvar|G}} と区別するため、通常は小文字で書かれる。 '''球対称な天体を考え、[[自転]]の影響を考えない場合'''には、天体の質量を {{mvar|M}}、半径を {{mvar|R}} とすると、地表付近での重力加速度の大きさは、[[万有引力]]の法則から[[万有引力定数]]を {{mvar|G}} として {{Indent| <math>g =\frac{GM}{R^2}</math> }} と表すことができる。半径方向の[[単位ベクトル]]を {{mvar|'''e'''{{sub|r}}}} とすれば {{Indent| <math>\boldsymbol{g} =-\frac{GM}{R^2}\boldsymbol{e}_r</math> }} と表される。自転による[[遠心力]]を考慮すれば、自転の角速度を {{math|1='''''ω'''''=''ω'''e'''{{sub|z}}''}} として {{Indent| <math>\boldsymbol{g} =-\left( \frac{GM}{R^2} -R\omega^2 \right) \boldsymbol{e}_r -R\omega^2 \boldsymbol{e}_z\sin\phi</math> }} となる。ここで {{mvar|φ}} は観測点の[[緯度]]である。重力加速度の大きさは緯度によって変化し、赤道で最も小さく、極で最も大きい。また、その方向も球の中心からずれる。 == 地球の重力加速度 == {{see also|地球の重力}} [[地球]]の地表付近では、どんな物体でも地面の方向への力(重力)を受けており、その大きさはその物体の[[質量]]に比例する。この比例定数が'''重力加速度'''である。これはその物体が[[自由落下]]する場合の加速度に一致する。 === 標準重力加速度 === {{main|標準重力}} {{物理定数| 名称=標準重力加速度|英語 = Standard gravity または standard acceleration due to free fall| 記号 =<math>g_0</math>,<math>g_n</math>| 値 = {{Val|9.80665|0|u=m/s2}} <ref>{{cite web |url=http://physics.nist.gov/cgi-bin/cuu/Value?gn |title=CODATA Value: standard acceleration of gravity |website=Fundamental Physical Constants |publisher=National Institute of Standards and Technology |accessdate=2013-01-25}}</ref> |不確かさ = 定義値}} 重力加速度の値は場所によって異なるため、'''[[標準重力|標準重力加速度]]'''を定めてその値を世界中で使うこととしている。当初の標準重力加速度の定義は「[[国際度量衡局]]([[パリ]])における重力加速度の値」というもので、数値は規定されていなかった。[[1880年]]に「北緯45度の海上の重力加速度の値」として、その値を {{Val|9.80619920|u=m/s2}} と定めた。[[1901年]]の[[国際度量衡総会]]において、標準重力加速度の値を、正確に {{Val|9.80665|u=m/s2}} と規定し、以来その値が用いられている。 == 単位としての重力加速度 == {{単位|記号 = G| 物理量=加速度| SI = {{Val|9.80665|u=m/s2}}}} 重力加速度は加速度の単位としても用いられる。この場合は大文字で G と書かれ、「ジー」と読む。重力加速度と同じ加速度を {{Val|1.0|u=G}} のように表現する。G(ジー)は[[国際単位系|SI単位]]には含まれず、日本の[[計量法]]では商取引などでの使用が認められていない。また、アメリカではG(ジー)は認められている。 *{{Val|1.0|u=G}} = {{Val|9.80665|u=m/s2}} == 地球以外の重力加速度 == {{main|加速度の比較}} 天体によって重力加速度は異なる。例えば月では {{Val|1.622|u=m/s2}} と地球の約6分の1 (16.5 %)である。 == 脚注 == {{reflist}} == 関連項目 == *[[万有引力]] *[[万有引力定数]] *[[重力]] *[[加速度]] *[[加速度計]] *[[第一宇宙速度]] {{Normdaten}} {{DEFAULTSORT:しゆうりよくかそくと}} [[Category:力学]] [[Category:重力]] [[Category:加速度]] [[Category:物理定数]] [[Category:加速度の単位]]
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