銀鏡反応のソースを表示

[[File:Tollens.JPG|thumb|right|400px|銀鏡反応: 左は銀鏡反応陽性, 右は銀鏡反応陰性]]
[[Image:Diamminesilver(I)-3D-balls.png|thumb|right|200px|ジアンミン銀(I)イオン[Ag(NH<sub>3</sub>)<sub>2</sub>]<sup>+</sup>の[[球棒モデル]]]]

'''銀鏡反応'''（ぎんきょうはんのう、{{lang-en|silver mirror reaction}}）は、[[トレンス試薬]]（アンモニア性硝酸銀水溶液）によって[[ホルミル基]]をもつ化合物が[[酸化]]されて[[カルボン酸]]（※厳密にはカルボン酸アンモニウム）となり、[[還元]]された[[銀]]が析出する[[化学反応]]である。[[19世紀]]前半に発見された。

実験室ではホルミル基の有無判定に使われ、工業的にも銀[[めっき]]の手法として利用されている。この銀鏡反応による鏡作りは、化学反応によって直ちに実用品を作ることができる数少ない貴重な例といえる。

== 反応 ==
銀(I)[[アンモニア]][[錯体|錯イオン]]にアルデヒドを加えて加温すると、銀イオンが還元されて銀が析出する。[[ガラス]]容器でこの反応を起こすと文字通り銀の[[鏡]]ができる。[[還元剤]]として[[グルコース]]を使うと成功しやすい。これはグルコースが水溶液中では[[化学平衡|平衡]]状態を保ち徐々に反応が進んでいくためである。[[脂肪族化合物|脂肪族]]アルデヒドを使うと[[反応速度]]が速いので、失敗の可能性が高くなる。

=== 反応式 ===
[[硝酸銀(I)]]溶液にアンモニア水を加えると[[酸化銀(I)]]の沈殿を生じるが、過剰アンモニア水で[[錯イオン]]となって透明なアンモニア性硝酸銀水溶液（トレンス試薬）が得られる。
: <chem>2Ag+ + 2OH- -> Ag2O + H2O</chem>
: <chem>Ag2O + 4NH3 + H2O -> 2[Ag(NH3)2]+ + 2OH- </chem>
これにホルミル基を持つ化合物を加え、穏やかに加熱するとジアンミン銀(I)イオンが還元され、銀が析出する。
: <chem>RCHO + 2[Ag(NH3)2]+ + 2OH- -> RCOOH + 2Ag + 4NH3 + H2O</chem>
もしくは、
: <chem>RCHO + 2[Ag(NH3)2]+ + 2OH- -> RCOONH4 + 2Ag + 3NH3 + H2O</chem>
また、以下のように略記されることもある。
: <chem>RCHO + Ag2O -> RCOOH + 2Ag</chem>

== 危険性 ==
銀鏡反応は高等学校の教科書でも取り上げられる程度に有名な実験であるが、硝酸銀とアンモニアが反応して爆発性の[[雷銀]]を生じる場合があり、爆発による事故も起こっている
<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.ka.shibaura-it.ac.jp/jiko-h/jikohoukoku.htm |title=「文化祭でのビーカー爆発」事故調査報告 |accessdate=2011-06-15 |date=2005年12月 |work=[[芝浦工業大学柏中学高等学校]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20060515012438/http://www.ka.shibaura-it.ac.jp/jiko-h/jikohoukoku.htm |archivedate=2006-05-15 }}</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 関連項目 ==
* [[金鏡反応]]
* [[銅鏡反応]]
* [[フェーリング反応]]

{{デフォルトソート:きんきようはんのう}}
[[Category:化学反応]]
[[Category:銀]]
[[Category:鏡]]
[[Category:めっき]]