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[[File:Mollifier Illustration.svg|thumb|350px|[[コンパクト集合|コンパクト]]な台 {{math|[−1, 1]}} を持つ[[滑らかな関数]]の例。]] [[数学]]における、ある'''[[関数 (数学)|函数]]の台'''(だい、{{Lang-en-short|support}})とは、その函数の値が 0 とならない点からなる集合、あるいはそのような集合の[[閉包 (位相空間論)|閉包]]のことを言う{{sfn|Pascucci|2011}}。この概念は、[[解析学]]において特に幅広く用いられている。また、何らかの意味で[[有界]]な台を備える函数は、様々な種類の[[双対]]に関する理論において主要な役割を担っている。 == 定義 == 与えられた集合 {{mvar|X}} 上の函数 {{mvar|f}} が、{{math|''Y''(⊂ ''X'')}} に'''台を持つ''' {{en|(''supported in'')}} とは、その函数 {{mvar|f}} が {{mvar|Y}} の[[補集合|外側]] {{math|''X'' ∖ ''Y''}} で常に[[函数の根|消えている]]ことを言う。このとき、{{mvar|Y}} を部分集合として含む任意の集合({{mvar|Y}} の拡大集合){{mvar|Z}} に対して {{mvar|f}} は {{mvar|Z}} に台を持つことになるのは明らかであるから、函数 {{mvar|f}} の'''台 {{math|supp(''f'')}}''' は、{{mvar|f}} が台を持つような {{mvar|X}} の部分集合全ての交わりとして定義される。即ち、集合論的な意味でいう函数の台は : <math>\mathrm{supp}(f) := \{ x\in X\mid f(x)\ne 0\}</math> によって与えられる。解析学などの実際の文脈においては、交わりをとる部分集合に特定の望ましい性質(例えば[[閉集合|閉]]、[[コンパクト集合|コンパクト性]]など)を仮定することが多く、しばしばそれらの性質が台 {{math|supp(''f'')}} 自身に遺伝する。 ; {{anchors|有限台}}有限台: 集合 {{mvar|X}} を[[定義域]]とする函数 {{mvar|f}} が'''有限な台''' {{en|(''finite support'')}} を持つとは、{{math|supp(''f'')}} が有限集合となること、即ち[[ほとんど (数学)|有限個の例外を除く]]全ての {{math|''x'' ∈ ''X''}} に対して {{math|''f''(''x'') {{=}} 0}} を満たすことを言う。 ; {{anchors|閉台}}閉台: 最もよくある状況というのが、{{mvar|X}} が([[実数直線]]のような)[[位相空間]]で、{{math|''f'': ''X'' → '''R'''}} が[[連続函数]]となる場合で、この場合は {{mvar|f}} が台を持つかどうかを閉集合に対してしか考えない。つまり、{{mvar|f}} がその[[外部 (位相空間論)|外側]]で消えているような[[閉集合]] {{mvar|Z}} が存在するとき、{{mvar|f}} は {{mvar|Z}} に(位相的な)台を持つと言う。この意味において、{{mvar|f}} の(位相的な意味での)台 {{math|supp(''f'')}} は、{{math|''f''}} が台を持つ閉集合全ての交わりでありそれ自身が閉集合となる(任意個数の閉集合の交わりはやはり閉集合となるから)。これはまた集合論的な意味での台の閉包 {{math|supp(''f'') {{coloneqq}} {{overline|{{(}}''x'' ∈ ''X'' {{!}} ''f''(''x'') ≠ 0{{)}}}}}} に等しい。 ; 値域の一般化: [[零元]] {{math|0}} を含むような任意の集合 {{mvar|M}} に対しても、写像 {{math|''f'': ''X'' → ''M''}} の台の概念は直ちに定義できる。これに対して乗法的な類似対応を考えるならば、[[単位元]] {{math|1}} を持つ任意の[[代数的構造]](例えば[[モノイド]]や[[群 (数学)|群]]){{mvar|M}} に対しても、(写像が消えているということについて){{math|0}} の代わりに {{math|1}} を宛てることで写像の台を考えることができる。 == 例 == * [[自然数]]全体の成す集合 {{math|'''N'''}} から[[整数]]全体の成す集合 {{math|'''Z'''}} への写像全体の成す族 {{math|'''Z<sup>N</sup>'''}} は、無限整数列全体の成す[[非可算無限集合]]になる。その部分族として有限台を持つ無限整数列全体の成す集合を考えると、有限台を持つ無限列とは零でない項が有限個しかない列(実質有限列)であるから、そのようなものは可算個しかない。 =={{anchors|コンパクト台付きの関数|コンパクト台|コンパクトな台}} コンパクト台付きの函数 == 函数 {{mvar|f}} が {{mvar|X}} に'''コンパクトな台'''を持つとは、{{mvar|f}} の台 {{math|supp(''f'')}} が {{mvar|X}} の[[コンパクト空間|コンパクト部分集合]]となることを言う。よくある状況として、適当な[[分離公理]]の下で、コンパクト集合の閉部分集合はまたコンパクトとなるから、この場合 {{mvar|f}} が {{mvar|X}} にコンパクト台を持つことと {{mvar|f}} が {{mvar|X}} のコンパクト部分集合に(位相的な意味での)台を持つこととは同値である。特に、コンパクト空間上の任意の連続函数はコンパクトな台を持つ。{{mvar|X}} が実数直線のときには、コンパクトな台を持つ函数とは即ち'''有界な台'''を持つ函数であり、従ってそのような函数は正負の{{仮リンク|無限遠点において消える|en|vanish at infinity}}。 [[ユークリッド空間]]上で定義されたコンパクト台を持つ[[可微分函数|滑らかな]]実数値函数は、[[隆起函数]]と呼ばれる。[[軟化子]]は隆起函数の重要な特別の場合で、[[超函数|超函数論]]において、滑らかではない(超)函数を[[畳み込み]]を通して近似する滑らかな[[列 (数学)|函数列]]を作るのに用いられる。 {{仮リンク|素性の良い|en|Well-behaved}}状況下であれば、コンパクト台付きの函数は無限遠で消える函数全体の成す空間において[[稠密部分集合|稠密に]]存在するのだが、この性質を先ほど与えた例に対して正当化するには、いくらか技巧的な議論を要する。より複雑な場合でも直観的には同じようなことだが、[[函数の極限|極限]]に関する言葉で言えば、任意の ε > 0 について、実数直線 '''R''' 上の無限遠点で消える任意の函数 {{mvar|f}} は、任意の {{math|''x'' ∈ ''X''}} に対して : <math>|f(x) - I_C(x)f(x)| < \varepsilon</math> となるような {{math|'''R'''}} を近似するコンパクト部分集合 {{mvar|C}} を選ぶことにより、コンパクト台付き函数で近似することができる。ただし、{{mvar|I<sub>C</sub>}} は {{mvar|C}} の[[指示函数]]。 =={{anchors|超関数の台}} 超函数の台 == 実数直線上の[[ディラックのデルタ関数|ディラックのデルタ]] {{math|δ(''x'')}} のような[[シュワルツ超函数]]にも、その台という概念を考えることができる。デルタ超函数に対する[[試験函数]] {{mvar|F}} としては点 {{math|0}} を含まないような台を持つ[[滑らかな函数]]を考える。このような試験函数に対しては {{math|δ(''F'') {{=}} 0}} となる(シュワルツ超函数としての {{math|δ}} は試験函数 {{mvar|F}} を引数とする[[線型汎函数]]であった)から、超函数 {{math|δ}} の台 {{math|supp(δ)}} は一点集合 {{math|{0}}} と結論できる。実数直線上の[[測度 (数学)|測度]]([[確率測度]]も含めて)はシュワルツ超函数の特別の場合であったから、測度の台も定義できる。 シュワルツ超函数 {{mvar|f}} と、ユークリッド空間の開集合 {{mvar|U}} について、台が {{mvar|U}} に含まれる任意の試験函数 {{mvar|φ}} に対して {{math|''f''(''φ'') {{=}} 0}} が満たされるとき、超函数 {{mvar|f}} は {{mvar|U}} 上で'''消えている'''という。超函数 {{mvar|f}} が開集合族 {{mvar|U<sub>α</sub>}} の上で消えているならば、{{math|{{large|∪}} ''U<sub>α</sub>''}} に台を持つ任意の試験函数 {{mvar|φ}} に対して([[1の分割|1 の分割]]と台のコンパクト性を用いた簡単な議論で){{math|''f''(''φ'') {{=}} 0}} が言えるから、{{mvar|f}} の台 {{math|supp(''f'')}} を、{{mvar|f}} が消えるような最大の開集合の補集合として定義することができる。例えば先の例でみたように、デルタ超函数の台は {{math|supp(δ) {{=}} {0}}} である。 == 特異台 == 特に[[フーリエ解析]]の文脈では、超函数の'''特異台''' (''singular support'') の研究に興味が持たれる。これは直観的には超函数が「その点で滑らかな函数になることができない」ような点全体の成す集合と解釈することができる。 例えば、[[ヘヴィサイドの階段函数]]の[[フーリエ変換]]は(点 {{math|''x'' {{=}} 0}} を外にすれば)定数の[[違いを除いて]]逆数函数 1/''x'' と考えることができる。明らかに {{math|''x'' {{=}} 0}} は特別な点なのだけれども、もっと明確な言い方をするならこの変換函数は({{math|0}} を含む台を持つ試験函数に対する)超函数として特異台 {{math|{0}}} を持つということなのだが、これを函数としての性質と考えては正確に表すことはできない。広義積分の[[コーシー主値]]の応用としてならば言い表せる。 多変数の超函数に対する特異台を考えると、{{仮リンク|波面集合|en|wave front set}}を定義したり、[[ホイヘンスの原理]]を[[解析学]]の言葉で理解したりすることができるようになる。また特異台を考えることは、超函数同士を掛け算すると言ったような超函数論特有の現象の理解にも役に立つ(例えばデルタ超函数を平方することはできないという現象は、本質的には超函数同士が掛け算できるにはそれぞれの特異台が互いに素でなければならないことによる)。 == 層の理論における台 == {{see also|{{仮リンク|アレクサンダー-スパニアー・コホモロジー|en|Alexander-Spanier cohomology}}}} [[アンリ・カルタン|カルタン]]の定義した[[位相空間]] {{mvar|X}} 上の'''台の族''' (''family of supports'') という抽象概念は[[層の理論]]によく馴染む。[[ポアンカレ双対|ポアンカレ双対性]]を[[非コンパクト多様体]]に拡張してやれば、「コンパクト台」の概念はこの双対性の片方から自然に入れることができる。 {{harvnb|Bredon|1997}} にこれらの定義が与えられている。{{mvar|X}} の閉集合族 {{math|Φ}} が'''台の族'''であるとは、それが{{仮リンク|下方閉|en|down-closed}}かつ[[有限合併]]に関して閉じているときに言う。台の族の'''大きさ''' (''extent'') は {{math|Φ}} に亙る合併をいう。台の族の'''パラコンパクト化'''は、任意の {{math|''Y'' ∈ Φ}} が[[相対位相]]に関して[[パラコンパクト空間]]になるというだけではなくて、{{mvar|Y}} が適当な {{math|''Z'' ∈ Φ}} を[[近傍 (位相空間論)|近傍]]に持つことまで要求する。{{mvar|X}} が[[局所コンパクト空間]]で[[ハウスドルフ空間|ハウスドルフ]]と仮定すると、{{mvar|X}} の[[コンパクト部分集合]]全体の成す族はこの追加の条件も満たして、パラコンパクト化できる。 == 関連項目 == * {{仮リンク|ティッチマーシュの畳み込み定理|en|Titchmarsh convolution theorem}} * [[加群の台]] == 出典 == {{reflist}} == 参考文献 == * {{cite book|last=Pascucci|first= Andrea|year=2011|title=PDE and Martingale Methods in Option Pricing|isbn=978-88-470-1780-1|doi=10.1007/978-88-470-1781-8|location= Berlin|publisher=Springer-Verlag|ref=harv}} * {{cite book|last=Bredon|first=Glen E.|title=Sheaf Theory|series=Graduate Texts in Mathematics|edition=2nd|date=1997-02-01|publisher=Springer|isbn=978-0387949055|ref=harv}} {{Mathanalysis-stub}} {{DEFAULTSORT:かんすうのたい}} [[Category:集合論]] [[Category:解析学]] [[Category:位相空間論]] [[Category:数学に関する記事]]
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