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{{出典の明記|date=2015年7月}} '''電荷担体'''または'''電荷キャリア'''(charge carrier)とは、[[物理学]]において[[電荷]]を運ぶ自由な粒子を指し、特に[[電気伝導体]]における[[電流]]を担う[[粒子]]を指す。例えば、[[電子]]や[[イオン (化学)|イオン]]がある。 [[金属]]では、[[伝導電子]]が電荷担体となる。各原子の外側の1個または2個の[[価電子]]は金属の[[結晶構造]]の中を自由に移動できる。この[[自由電子]]の[[電子雲|雲]]を[[フェルミ気体]]という。 [[塩水]]のような[[電解液]]では、陽イオンと陰イオンが電荷担体となる。同様にイオン性固体が融解した液体においても、陽イオンと陰イオンが電荷担体となる(例えば、[[ホール・エルー法]]を参照)。 [[電弧]]のような[[プラズマ]]では、電子とイオン化した[[気体]]の陽イオン、さらには[[電極]]が[[蒸発]]した素材などが電荷担体となる。電極の[[気化]]は[[真空]]でも起こるが、電弧は真空中では存在しえない。その場合は気化した電極が低圧の気体となって電弧を生じるための電荷担体となっている。 [[真空管]]などの[[真空]]中では、[[自由電子]]が電荷担体となる。 [[半導体]]では、電子と[[正孔]](ホール)が電荷担体となる。正孔とは[[価電子帯]]の空席になっている部分を粒子のように移動するものと捉えた見方であり、正の電荷を担う。 [[不純物半導体]]では不純物([[ドーパント]])を[[ドープ]]することで、電子や正孔の濃度を増加させることができる。ドーピングによって増やされた電荷キャリアを'''多数キャリア'''と呼び、相対的に減った電荷キャリアを'''少数キャリア'''と呼ぶ。具体的には、n型半導体中の電子<math>n_n</math>とp型半導体中の正孔<math>p_p</math>が多数キャリア、n型半導体中の正孔<math>p_n</math>、p型半導体中の電子<math>n_p</math>が少数キャリアとなる。[[pn接合]]にみられる[[空乏層]]には電荷担体はほとんどない。 == 自由担体濃度 == 自由担体濃度 (free carrier concentration)とは、[[ドーパント]]を加えた半導体における自由担体の[[濃度]]である。金属における担体濃度と似ており、電流や流動速度の計算においては同じものとして扱うことができる。自由キャリアとは電子または正孔であり、ドーピングによって[[伝導帯]]に直接導入されるもので、熱を加えても増えるものではない。従って、電子(または正孔)が移動しても後に正孔(または電子)が自由担体として残されるわけではない。 ==関連項目== *[[色荷]] *[[拡散]] *[[ほとんど自由な電子]] {{DEFAULTSORT:てんかたんたい}} [[Category:素粒子物理学]] [[Category:物性物理学]] [[Category:半導体]]
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